2001年11月9日更新

MyTravel Vol.25




九州グリーン豪遊券の旅(その3)

↑グリーン豪遊券の3枚目券片


 今回も長いです(^^; 画像は、、、、Vol.24よりは少ないです(^^;






2001年10月30日


 さて、二日ぶりの入浴でさっぱりしたところで、この日「宿」は博多発西鹿児島行き夜行特急「ドリームつばめ」である。


91M 特急「ドリームつばめ」


西鹿児島(5:54)← 博多(0:06)

1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車
クモロ787

鹿カコ
モハ786
301
鹿カコ
サハ787
105
鹿カコ
サハシ787

鹿カコ
サハ787

鹿カコ
モハ787
13
鹿カコ
クモハ786

鹿カコ
西鹿児島 ← 博多

※4号車ビュッフェは営業休止
※4号車指定席はセミコンパートメント



 鹿児島総合車両所の787系7両編成で、まぁ早い話が夜行の「つばめ」である。

 博多〜西鹿児島間は約320kmあって昔から夜行の優等列車が運転され、古くは昭和30年代の急行「さつま」(運転区間は東京〜西鹿児島間)から、門司港〜西鹿児島間夜行急行「はやと」(後の「かいもん」)等が運転されていた。

 現在の「ドリームつばめ」は、「有明」を787系電車化して「つばめ」化した翌年の1993年に、それまでの門司港〜西鹿児島間急行「かいもん」を格上げして登場した。運転区間については博多〜西鹿児島間とされて格上げ前よりも短縮された。



 設備面では昼行の「つばめ」と同じだが、当然の如くビュッフェは非営業で車内販売も無いし、「つばめレディ」も乗務していない。
 ただ単に車両運用の都合上、1往復の夜行列車の為だけに専用の車両を用意するよりも、昼間の特急と同じ車両にして共通運用にした方が効率が良いためにそうしているだけであって、事実上は別の列車と思った方がよい。

 このように間合い運用という形で、昼間の特急に使われている車両を使用している夜行列車は、他にも急行「アルプス(新宿〜信濃大町)」、急行「能登(上野〜金沢)」、急行「ちくま(大阪〜長野)」、特急「ドリームにちりん(博多〜宮崎空港)」が存在する。


 いずれも300〜500km程度の距離で、昔からそれなりの流動があって、同じ区間を走る昼行の特急列車が存在する(「能登」を除く)という点が共通している。



 「ドリームつばめ」は、鳥栖、久留米あたりまではやはり「ドリームにちりん」と同様に帰宅列車的色彩がある。
 それでも「ドリームにちりん」よりも時間帯が遅いため、夜行列車的色合いの方が濃い。

 博多発車時点ではグリーン車の乗客は4名で、結局この4名は全員が西鹿児島まで乗車していた。

 普通車の自由席車は、会社帰りとおぼしきサラリーマンなども乗っていたが、それも久留米あたりまでで、指定席車はグリーン車と同様に博多発車後はほとんど動きはなかったようである。


 「ドリームつばめ」は大牟田を発車したところで減光(室内灯の明かりが半分程度まで減少)され、それと共に、明朝伊集院到着前まで車内放送を行わない旨のアナウンスがあった。

 「ドリームにちりん」と同様に、八代で46分、出水でも40分間の長時間停車を行った、、、、はずだが、今回は熟睡していたので全然気が付かなかった(^^;



 目が覚めたのは伊集院を発車した後で、次の停車駅はもう終着・西鹿児島である。

 7両編成の列車から降り立った乗客は、合わせて40名程度、、、、だったような記憶がある(^^;;;
 いや、半分寝ぼけ眼で降りたから、ちゃんと数えてないんだってば(^^;;;;



 ところで、前日熊本から乗車した「有明32号」車中で荷物の整理をしていた折り、どうやらシェーバーを車内に置き忘れたまま降りてしまったようで、これでは髭が剃れない(苦笑)

 仕方なく一旦改札を出て、駅前のコンビニでシェーバーと朝食を購入。
 本当は駅弁にしたかったが、こんな早朝から弁当を売っているはずがないので断念した。

 乗り換え時間は20分程度しかなかったのだが、結構余裕があった。


6002M 特急「きりしま2号」


西鹿児島(6:16)→ 宮崎(8:27)

1号車2号車3号車
クハ481
225
鹿カコ
モハ484
338
鹿カコ
クモハ485
104
鹿カコ
西鹿児島 → 宮崎



 西鹿児島からは、特急「きりしま2号」で宮崎へ向かう。
 これでもう3日連続で「きりしま」に乗ってるじゃん(笑)

 車両は言うまでもなく、西鹿児島総合車両所の485系3両編成。

 、、、、おや? なんだか見たことのある車両だと思ったら、前日に乗った「きりしま1号」と同じ車両ではないか(^^;


 西鹿児島発車時点での乗客はわずか15名(うち指定席客は2名)と、寂しい旅立ち。当然ながら自由席車に乗車した。

 次の鹿児島でも10名程度の乗車だけだった。
 鹿児島を出ると海岸線に出るが、今回は早朝で暗かったので、桜島の勇姿は拝むことが出来なかった。

 だからというわけでもないのだが、この間に洗面所で髭を剃った(^^;;



 国分〜霧島神宮間にある信号場で運転停車し、6両編成にほぼ満席の通勤・通学客を乗せた下り普通列車と交換。

 そういえば日豊本線には信号場が結構多く、今回私が確認しただけでも4ヶ所「も」ある。

 単線の路線で駅間距離が長くて対向列車との交換に支障をきたす場合や、駅間の途中で路線が分岐する場合などに、途中に旅客扱いを行わない交換設備を設ける場合があるが、それが信号場である。
 当然ながら時刻表には掲載されないため、一般の人がその存在を知るのは、実際に自分が乗車した列車がそこを通ったときぐらいであろう。

 それでも時刻表を丹念に調べれば、駅間距離や列車の運転時刻から、信号場の存在を推察することは可能である。



 都城ではやはり多少の乗車があり、乗客は40名程度に増えたようだ。

 山之口〜青井岳間の楠ヶ丘信号場でも運転停車し、これも普通列車と交換。
 特急列車なんだから、普通列車と交換するときぐらいはいちいち停まらずに通過させた方が良いんじゃないの?

 次の青井岳では前日に乗車した「きりしま1号」と交換。この日の同列車の指定席客はゼロだった。



 南宮崎には50人程度の乗客を乗せて到着。

 ほとんどの客はそのまま終点・宮崎まで乗り通すようで、降りる客はほとんどいない。
 一方、ここから次の宮崎までは普通列車となるために結構な数の乗車があり、結局宮崎には100人程度の乗客を乗せて定刻に2番ホームに到着した。


5004M 特急「にちりん4号」


宮崎(8:30)→ 別府(11:39)

1号車2号車3号車4号車5号車6号車
クロハ782
505
本ミフ
モハ783
10
本ミフ
サハ783
205
本ミフ
モハ783
19
本ミフ
サハ783
111
本ミフ
クモハ783
10
本ミフ
宮崎空港 → 小倉



 宮崎駅では、向かい側の1番ホームに小倉行き特急「にちりん4号」が停車中で、乗り換え時間はわずか3分だったため、写真撮影と車番の確認は後回しにして、さっさと最後尾1号車の最高席、、、、じゃない、最後席に座った(^^;

 南福岡電車区所属の783系ハイパーサルーンの6両編成で、グリーン車は最後尾の1号車。
 おしぼりのサービスは無かったが、ドリンクサービスはあった。

 今度は前面展望(最後尾だから「後方展望」と言うべきか?(笑))の利くクロハ782形で、発車後すぐに回ってきた車掌の検札が終わると、座席を後ろ向きに回転させて、後方展望を堪能することにした(^^;  ほら、やっぱり「最高席」じゃん(^^;;;

 もちろん、最初からこれが目的で、1号車1番C席を指名買いしたのである(^^;;;;


 宮崎を出てしばらくは、単線ながらも直線区間の多いかなり線形の良い区間を走行するが、「にちりん4号」は最高でも110km/hまでしか出していない(座った位置から運転席のスピードメーターが見えるので、それで確認したから間違いない(^^; )。

 枕木も昔ながらの木製枕木で、コンクリート枕木などはほぼ皆無であった。
 こんなに線形の良い区間で110km/hしか出さないのは実に勿体ない気がするが、実はこの区間はまだ平行する高速道路が存在しないため、恐らくJR九州としてはもっと他の緊急に投資を要する区間の方に金をつぎ込んでいるのだろう。


 実際、この日乗車した「にちりん4号」は、本来なら5両編成のところ1両増結して6両編成で、宮崎発車時点での乗客は、グリーン車で5名。普通車指定席車で乗車率5割程度、自由席車は6割強といったところで、結構乗っている印象を受けた。


 延岡の手前の南延岡では、前夜京都から夜を徹して走ってきた寝台特急「彗星」寝台特急「彗星」と離合。
 もう9時半だというのに、まだこんな所を走っていて良いのか?(^^;



 いや、実際良くないんである(^^;
 普段の「彗星」は、4両という短い編成が語っているとおり、もはやいつ廃止されてもおかしくないぐらい、利用が低迷している寝台特急なのである。

 その大きな理由は恐らく、割高な寝台料金と、スピードの遅さに起因する時間帯の悪さである。
 だいたい宮崎到着が10時半だと、日曜夜に京都を出たら月曜日午前中に会社を休まなきゃいけないじゃん(^^;;;;;;



 延岡を出た「にちりん4号」は明らかに足が鈍くなったのが判る。

 おや? と思って時刻表を調べると、宮崎から延岡までは83.7kmを1時間1分で走っており、表定速度は82km/h程度で、最高速度が110km/h止まりにしては立派な走りっぷりであるが、延岡から佐伯、津久見を経て大分までの123.3kmは2時間5分を要しており、表定速度は60km/hを割るほどにまで落ち込んでいる。


 延岡から佐伯までは「宗太郎越え」と呼ばれる有名な峠越えの区間で急カーブが多く、駅の場内分岐(ポイント)も速度制限のかかる両開きばかりになった。
 最高速度も85km/h止まりになり、行く手の険しさを示している。

 峠の途中の宗太郎で、下り特急「にちりん1号」と交換した(こちらは通過)。
 「にちりん1号」の車両は、元の国鉄特急色に戻された綺麗な485系電車5両編成だったが、とっさのことだったので撮影できなかったのが悔しい、、、、

 やっぱ、単線区間での対向列車とのすれ違い駅は、ちゃんと前もって調べておくべきだな(^_^;


 いや、そう思って「彗星」とのすれ違い駅が南延岡だというのはちゃんとチェックしてあったのだが(^^;


 佐伯に到着してから、そういえば延岡を出てからここまで普通列車とすれ違わなかったなぁ、、、と思って再度時刻表で調べると、延岡〜佐伯間の普通列車は1日にたったの5往復(^^; しかも下り列車は、朝の8時台の次は午後の15時台まで普通列車が無いという、、、、、じゃぁすれ違いがなかったのも当たり前だわ(苦笑)

 この延岡〜佐伯間では途中4ヶ所ほど、列車の撮影に適していそうな撮影場所を発見した。
 また今度九州へ(それもできれば車で)来る機会があったら、ここで列車を撮影してみるかな、、、(^^;


 佐伯からは普通列車は毎時1本に増え、大分方面大神行きの上り普通列車(815系2両編成)が「にちりん4号」の到着を待っていた。

 佐伯の次の海崎では、下りの貨物列車と離合下り貨物列車

 佐伯から津久見、臼杵にかけては、佐伯湾、津久見湾、臼杵湾を間近に望む、日豊海岸国定公園のリアス式海岸に沿った急カーブの多い線形で、最高速度はやはり85km/h止まり。

 大分では豊肥本線と久大本線が合流するが、まずは大分川の手前で豊肥本線が日豊本線に寄り添い、豊肥本線が併走短区間ながらも一見複線のように見える
 次いで久大本線が寄り添ってくると大分駅の場内で、構内は結構広い。


 大分からは複線になると同時に最高速度も130km/hにアップし、「にちりん4号」は生き返ったように快走する。

 別府には定刻に到着。列車はほぼ満員の乗客を乗せて小倉方面へ発車していった。

 もちろん、下車するときにはリクライニングを戻し、座席も前向きに戻してから、ゴミも持って降りたのは言うまでもない。これって最低限のマナーだよね?



 昨夜福岡で入浴できなかった場合はここで風呂に入ろうと思っていたので、別府では2時間弱のインターバル。


 別府では、熊本からの特急「あそ1号」あそ1号を撮影。
 実は大分で降りずに別府で降りたのも、大分で降りていたら、時間的に「あそ1号」とこの後の「あそ4号」「ゆふ4号」を捕らえるのが難しかったからである。

 この「あそ」「ゆふ」に使用されているキハ185系という気動車は、元々1986年11月のダイヤ改正で四国に投入された車両で、その後四国ではより高性能な振子式の車両が続々と投入されたためにこのキハ185系が余剰となり、一部がこのJR九州に売却されたのである。

 JR九州では色を塗り替え、客室もリニューアルして使用しているが、この日目撃した「あそ」「ゆふ」はどちらもヘッドマークも外観も全く同じで、はっきり言ってつまらん(^^;

 ヘッドマークは「ASO & YUHU」と両方の愛称が記載されて、要は外観上で両列車を判別することは出来ないと言うわけである(苦笑)
 なので、この後の「あそ4号」「ゆふ4号」も撮影しなかった(^^;

 さらに、883系第1次車の博多行き特急「ソニック22号」と、885系第2次車の大分行き特急「ソニック17号」を撮影(下写真)。

青鬼ソニック22号
↑ソニック22号
(883系第1次車)

白いソニック17号
↑白いソニック17号
(885系第2次車)


 その後別府駅東口別府駅を撮影。ちなみにこっちは東口で、西口も撮影したが、東口とたいして変わり映えしないので掲載は割愛。

 さらにこの間に、今夜博多から小倉まで乗車する、特急「ソニック47号」のグリーン券を押さえておくことにした。
 というのも、「ソニック47号」は博多発18:25という時刻が示すように、会社帰りの人が大勢乗ることが予想されるため、念のために座席を確保しておこうと思ったわけである。

 1号車の1番A席が希望だったがさすがにもう空いていなかったらしく、3番A席に甘んじることに、、、、


3028M 特急「ソニック28号」


別府(13:23)→ 博多(15:14)

1号車2号車3号車4号車5号車
クロハ883

分オイ
サハ883
208
分オイ
モハ883
208
分オイ
サハ783

分オイ
クモハ883

分オイ
大分 → 博多
(小倉〜博多間逆向き)



 別府からは、大分発博多行き特急「ソニック28号」に乗って博多へ向かった。
 大分鉄道事業部所属の振子式883系電車ブラックマスク車の5両編成である。


 883系は1995年3月のダイヤ改正から営業運転を開始した、JR九州として初めての制御付振子式車両で、「ソニック」の愛称で呼ばれる。

 当時日豊本線系統の特急列車は、鹿児島本線系統に比べて新車投入による体質改善が大幅に遅れていたため、その改善を目的として投入された。
 当初は特急「ソニックにちりん」を名乗っていたが、1997年3月改正では単純に特急「ソニック」に改められ、運転区間も一部例外を除いて基本的に博多〜大分間に限定された。

 883系は当初7両編成で登場したが、96年度以降の増備車は5両編成とされ、外観上も顔つきはほぼそのままだが、前面のカラーはシルバーと黄色、それにブラックの3色のバリエーションが登場した。

 現在883系は50両全車両が大分鉄道事業部の配属となっており、青い顔をした7両編成が5編成と、シルバー/黒/黄色の5両編成が各1編成の、合わせて8編成が組まれている。
 ちなみに青い顔の883系は、細部のデザインの違いによって1次車/2次車/3次車と3種類がある。


 2001年3月改正では、前年3月改正で長崎本線特急「かもめ」として登場した885系電車の第2次車が5両編成で「ソニック」の仲間に加わり(「かもめ」は6両編成)、「ソニック」は2001年3月改正現在で29往復を数える。

 この885系の第2次車5両編成は4編成あり、こちらは「かもめ」用885系第1次車と同じ南福岡電車区の配置となっている。


883系グリーン車
↑1号車のグリーン車
向かって奥が運転席だが、客室との間には展望キャビンが設けられている
883系運転台
↑その展望キャビンから見た運転台
883系モニタ
↑運転台に搭載されているモニタ装置


 かつての日豊本線の看板特急だった「にちりん」は、今では「ソニック」の合間を埋めるように7往復が運転され、夜行の「ドリームにちりん」と昼間の「にちりんシーガイア」の合わせて2往復を除いて、小倉〜宮崎空港間の運転となり、博多へ顔を見せることは無くなってしまっている。




 さて「ソニック28号」であるが、、、、速い! めっぽう速いです! すげぇ速いです(^^;;
 いや、振子式だからカーブが速いのは当然だが、加速性能と減速性能も超一級品である。

 最高速度は130km/h止まりなのであるが、もともと比較的線形が良いことと、例の制御付振子の威力で、減速する区間がほとんど無いのである。

 現に、別府から次の停車駅である中津までの69kmを38分で走破しており、平均時速は何と108.9km/h!


 いや、これで驚いてはいけない、、、、
 中津から次の停車駅である行橋までは26.8kmあるのだが、この区間の所要時間は14分で、平均時速は、、、、114.9km/h!!(驚愕)
 最高速度が130km/hなのだから、これは途中で全くと言っていいほど速度を落としていないということになる。

 行橋を出てからも「ソニック28号」はこれでもかと言うほどの韋駄天走りを見せ、行橋〜小倉間の平均時速は107.1km/hをマーク。

 結局、別府から小倉までの120.8kmを1時間8分、表定速度106.6km/hという素晴らしい走りっぷりであった。



 、、、と、スピードは素晴らしいのだが、乗り心地に関しては、はっきり言って今回乗った列車の中で最悪であった。
 最大の原因はまず間違いなくスピードの出しすぎであろう(苦笑)

 振子式車両に慣れた私でさえ、走行中に通路を歩いていて不意に吹っ飛ばされるほどの動揺が発生することもあり、どうも振子制御のスピードが、列車のスピードに追いついていないのではないかと思える。

 また、下り線は真っ直ぐなのに上り線は不要(に見える)カーブを描いているという区間も結構あり、当然このような場面でも振子が動作するので、不要と思える動揺がかなり多いと感じた。
 直線区間走行中の乗り心地も誉められたモノではなく、これならいっそのこと、セミアクティブサスペンションでも搭載した方が良かったのではないかと思える。



 インテリアに関しても、私に言わせると今回乗車した特急列車の中では最悪である。

 グリーン車も普通車もシート生地がレザーで、これはまだ許せるのだが、ヘッドレストが赤・青・緑の3色で彩られた、普通車のカラフルでおもちゃのようなシートと室内は、どう見ても観光・行楽列車かイベント列車の趣で、少なくとも県庁所在地間を結ぶその区間の主力列車に使うような内装ではないと思うのだが、、、、

 デッキと客室の仕切もガラス張りで丸見えとなり、いくら何でも開放感がありすぎる。


 グリーン車のシートは黒一色で普通車よりはマシだが、シート自体のサイズがかなり小さく(もしかしてJR西日本の681系「サンダーバード」の普通車のシートよりも小さい?)、フットレストも無く、使いでが悪くて無い方がマシのようなレッグレストが付き、シートバックの網ポケットも使い勝手を全然考慮していないように思える代物で、シート自体の座り心地も良くなくて、加えてシートの構造自体もいかにもオモチャっぽくて、乗ってから10分もしないうちに嫌になってきてしまった。


 実際、中津に到着する頃から博多までは、座席に座らずにすぐ横の展望キャビンに居座っていた。
 ここの方が展望が利くのでまだマシとさえ思えた。

 少なくとも私としては、今回のようなグリーン豪遊券を利用した場合はともかく、このような設備にグリーン料金を払うのははっきり言って金の無駄遣いだと思った。
 スピードとデザイン以外では全く魅力を感じず、今回乗車した車両の中では、一番失望させられた車両であった。


 ちなみに883系も実は、885系と同様にブルネル賞を受賞しているのだが、これもやっぱり私には理解できん、、、、もしかして、デザインさえ奇抜ならブルネル賞は取れる?(^^;;;;;;;


 いや、ただ単に私が凡人だから理解できないだけかも(苦笑)


 とりあえず、「ソニック28号」は定刻15:14に博多駅6番ホームに到着。


 次に乗車予定の「ソニック47号」までは3時間強の時間があるので、この間に列車の撮影と、お土産の購入に走った。


つばめ&白いかもめ&かもめ&ソニック白いソニック&白いかもめ
↑博多駅の1/3/4/6番ホームに並んだ、JR九州を代表する特急型車両達

写真奥から順に、
787系 「つばめ12号」
885系 「かもめ24号」
783系 「かもめ27号」
883系 「ソニック28号」
↑2/3番ホームで並んだ、「白いソニック」「白いかもめ」の2本の885系電車特急
シルバー顔ソニック&白いかもめブラックマスクソニック&白いかもめ
↑シルバー顔の883系「ソニック」と、885系「白いかもめ」 ↑ブラックフェイスの883系「ソニック」と、885系「白いかもめ」
有明&ソニック&かもめ有明&白いかもめ
↑左から順に、、
787系 「つばめ12号」
883系シルバー仮面 「ソニック35号」
885系 「かもめ24号」
↑長崎へ向けて発車していく「かもめ29号」と、入れ違いに熊本から到着した「有明36号」
811系&813系
↑JR九州を代表する近郊形電車、811系(左)と、813系(右)
 1989年に登場した811系が112両、94年登場の813系が177両の合わせて289両全車両が南福岡電車区に配置されて北九州地区で活躍している。
 いずれの車両も、座り心地の良い転換クロスシートを装備して最高速度は120km/h。乗り心地改善のために台車にはヨーダンパ(車体の蛇行動を抑えるダンパ)を装備していて、なかなか快適な車両である。
 両系列は併結運転が可能で、実際に併結運用も当たり前のように見ることが出来る。



 17時頃になるとかなり暗くなって撮影には向かなくなってきたので、一旦改札を出てお土産を買うことにした。

 今回は本当は鹿児島がメインだったので、実は鹿児島にいたときに何か買っておこうと思いながら、博多駅なら大抵の九州のお土産を売っているだろうと思って、無精して買わなかったのだが、JR博多駅中央コンコース横の土産物店街(とでもいうのか?(^^; )には、地元福岡のお土産以外には、長崎の文明堂のカステラ類しか置いてなかった(泣)


 仕方なく、博多土産を2つと、長崎のカステラを1つだけ買って、再度改札を入った。

3047M 特急「ソニック47号」


博多(18:25)→ 小倉(19:14)

1号車2号車3号車4号車5号車
クロハ883

分オイ
サハ883
207
分オイ
モハ883
207
分オイ
サハ783

分オイ
クモハ883

分オイ
大分 ← 博多
(小倉〜博多間逆向き)



 今回の九州紀行のJR九州としてのラストランナーは、博多発大分行き特急「ソニック47号」
 今度は黄色い顔をした第7編成だった。


 折しも夕方のラッシュアワーでどのホームも帰宅する人々の行列が出来、「ソニック47号」も自由席車の乗車口には長蛇の列が出来ていた。やっぱ、グリーンを取っておいて正解だったかな。


 ところで今度のグリーン車には謎の10数名ほどの団体が乗ってきて、なんと博多発車時点でグリーン車は満席となってしまった。

 博多発車後に車販がやってきて、ドリンクサービスとしてコーヒーを貰った。どうせ1時間もしないうちに降りるのだが、貰えるモノは貰っておこう(笑)


 博多から20分で、最初の停車駅である赤間に到着。
 ここで件の団体は全員降りてしまい、グリーン車の乗客は3人だけになった、、、、、一体あの団体は何モノだったのだろう?〔言迷〕


 まぁそれはどうでも良いとして、やっとグリーン車らしく静かになったので、例によって展望キャビンに陣取って後方へ流れ行く九州の夜景を眺めていた。


 実はこの時点でまだ883系のグリーン室の客室の写真を撮っていなかったので、今回最後のチャンスであるこの列車で何とか撮ろうと、後の二人のグリーン客が小倉までで降りてくれるのを待ったが、どうも小倉以遠まで乗り通す客のようだったので、仕方なく小倉到着直前になって撮影したのが、上の方に載せていた写真である。

 二人の客が写っていないが、この二人は実は最前席に座っていてくれたので、この角度だと入らないのだ(^^;
 ということで、ちょっとラッキーだった(^^;


 小倉からは、博多発新大阪行き「ひかり394号 レールスター」に乗車。

 なぜ「のぞみ」に乗らないかって?
 そりゃぁ、「ひかりレールスター」の指定席の方が広くて快適で楽ちんだもん。

 少なくとも、883系「ソニック」のグリーン車なんかより、こっちの方が楽である。


394A 「ひかり394号」 RailStar


小倉(19:50)→ 新大阪(22:22)

1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車8号車
723
7002

725
7602

726
7502

727
7002

727
7102

726
7002

725
7702

724
7502

博多 → 新大阪



 座席は8号車9番D席。
 早い話が、8号車のオフィスシートである。

 まずは小倉駅で買った駅弁・博多地鶏めし弁当を夕食として食った。

 それからノートPCを取り出して今回のレポートの一部作成を、、、、、、始めたいところだったのだが、今回何故かレッツノート君が「有明32号」に乗車した頃から調子が悪くて、Windows2000プロが起動しなくなってしまっていたのだ(泣)

 OSの起動が始まった直後ぐらいでハードディスクからのファイルの読み出しが止まってしまうのである。
 原因は結局分からずじまいだったが、帰宅後にHDD自体の故障ではないことを確認して、OSの再インストールを実行した。



 「ひかりレールスター」はやっぱり快適である。
 どっかの下手なグリーン車よりずっとマシである(^^;

 このオフィスシートも実際に使用されていて、この日この時乗車したこの列車の8号車のオフィスシートに座った他の人も、みんなノートPCを広げて何やら作業を行っていたようだ。


 「ひかり394号 レールスター」は夜の山陽路を最高285km/hで疾走、新大阪には22:22定刻に到着した。


 新大阪からは高槻行きの各駅停車に乗車し、潜伏先に帰り着いたのは23時頃だった。

 さて、この次の週は東京モーターショーがあるし、その翌々週はまた九州へ行かねばならない(^^;
 もちろん、「トレインピック21」キャンペーン完乗の旅で、今回の教訓をどう生かそうか、、、これから考えるとしよう。



 今回乗車した列車で一番良かったのは、やっぱり特急「つばめ」で、「また乗りたい」と思わせられる列車だった。
 逆にがっかりしたのは、「かもめ」「ソニック」といういずれも振子式の列車で、ちょっと遊び心がありすぎ、、、、簡単に言うと、子供の心を持った大人のように思えた。

 そしてハイパーサルーンは年期が入っている割には充分に快適な車両であると感じたし、北九州地区の811/813系電車も結構良い車両だと思った。


 しかし南九州はまだ体質改善が進んでおらず、あのあたりに金がつぎ込まれるのはまだまだ先の話になりそうである。



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