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JRT四国 ニュースリリース
Vol.45

(2008年11月3日)



<土讃線・阿波川口〜おおぼけ間 線路改良工事>
<2009年1月完成予定>


 土讃線の阿波池田〜土佐山田間は、全国でも有数の山岳路線であり、開通当初より多数の土砂災害に悩まされて、各所で大小の線路改良工事が行われてきました。
 既に国鉄時代に、大歩危(現:おおぼけ)〜土佐岩原間や大杉〜土佐山田間を全面的にルート変更するなどの大規模な改良を行い、防災と定時性の確保、そしてスピードアップに効果を上げてきました。

 JRT四国ではさらに防災効果を高めるため、1992年から自己負担により総額約240億円をかけて阿波川口〜おおぼけ間の改良工事を行ってきましたが、このほど完成して2009年1月より新線に切り替えることとしました。



 新ルートは、阿波川口駅の先の山城谷トンネル(下り線:2,180m/上り線:2,192m)を抜けたあたり、白川橋梁(116m:現状)からそのまま真っ直ぐ対岸の山腹に向かい、新小歩危トンネル(1,413m)に突入します。


 トンネルを抜けると小歩危橋梁(287m)を渡ります。この小歩危橋梁上に、新しい小歩危駅が設置されます。

 新線の小歩危駅は、上下本線からそれぞれ内側に分岐した側線に挟まれる形で、島式1面2線のホームが設置されます。場内分岐は冬季の積雪や凍結に備えて前後のトンネル内に設けられるほか、吉野川から汲み上げた水を使用した融雪装置を備えます。


 小歩危橋梁を渡って対岸の新国見山トンネル(4,978m)に入ると、3000Rの緩曲線を描いた後、おおぼけ駅の手前までを一直線に抜けます。

 新国見山トンネルは、途中で現在下り線として使用している国見山トンネル(3,452m)と合流しますが、合流地点からおおぼけ駅までの区間は上下線のトンネルが別々になった、2本の平行トンネルとなります(合流地点までは通常の複線トンネル)。
 なお4,978mという長さは、四国の鉄道トンネルとしては5番目の長さとなります。

 また廃止される現国見山トンネルの一部区間は、保線基地や非常時の待避所などとして活用されます。


 新線区間の総延長は約6.6kmで、現在線よりも約0.3kmほど距離が短縮され、もっとも急なカーブが現在線の300Rから600R(新国見山トンネル出口付近:上り線のみ)に緩和されます。

 また、新線区間では曲線や分岐機などによる速度制限が事実上無くなるため、若干の所要時間短縮効果もあるほか、踏切など他の交通との平面交差も一切無く、明かり区間がほとんど無くなるため、列車の安全運行が確保されます。


 旧線については、白川橋梁付近の新線との合流地点に新たに山城谷信号場を設け、同橋梁から小歩危駅を経て第二吉野川橋梁までの区間を単線化したうえ、第二吉野川橋梁からおおぼけ駅までの単線(現在の上り線)と併せて、トロッコ列車や、リバイバル快速「DF50やまなみ号」などのイベント列車専用線(愛称「おおぼけ支線」)として、継続使用する予定となっています。

 この区間をご利用になる場合の運賃計算には、実際の乗車経路にかかわらず、距離の短い新線区間の営業キロ程を適用します。


※図中の黒が現在線、青が新線です

(地図出典:国土地理院・1/25000地形図「杉・繁藤」)



 軌道並びに信号設備の工事は既にほぼ完成しており、2008年11月末より試運転を開始します。
 新線への切替は、2009年1月21日(水)に実施する予定です。

 切替にあたっては、作業時間確保のために、以下の通り一部の列車の運転区間や運転時刻が変更となりますので、ご利用の際はご注意ください。


(旅客列車関係)
・京都発1月20日の快速「ムーンライト高知」は高知〜須崎間運休となります
・須崎発1月20日の快速「ムーンライト高知」は須崎〜阿波池田間時刻変更となります
・高知発1月21日の特急「南風2号」は高知〜阿波池田間バス代行運転となります






<予讃線・関川〜多喜浜間 災害復旧線路改良工事>
<2009年2月完成予定>


 2004年10月の台風21号による災害で一時不通となった、予讃線・関川〜多喜浜間については、恒久的な対策として災害復旧補助を適用して一部区間の線路つけ替え工事を実施していましたが、このたび完成にこぎ着け、2009年3月ダイヤ改正に先立って、同年2月に新路線への切替を行います。


 新線区間は、阿島高架橋(1,672m)と多喜浜トンネル(2,783m)で山麓を抜けることで、土砂災害の危険性を回避しています。

 これにより、同区間の営業キロが従来より0.5km短縮され、一部で運賃等が安くなる区間が生じるほか、列車の所要時間が短縮されます。また、踏切が全て撤廃されて列車の安全・定時運行にも寄与します。



青い線が新線区間です
(地図出典:国土地理院・1/25000地形図「東予土居・新居浜」)



 軌道並びに信号などの地上設備の工事は2008年12月に完成の見込みです。
 年末より試運転を開始し、2009年2月5日(木)に、新線への切替を実施します。

 切替にあたっては、作業時間確保のために、以下の通り一部の列車の運転区間や運転時刻が変更となりますので、ご利用の際はご注意ください。



(旅客列車関係)
・京都発2月4日の快速「ムーンライト松山」は新居浜〜松山間時刻変更となります
・松山発2月4日の快速「ムーンライト松山」は松山〜新居浜間時刻変更となります
・岡山発2月4日の特急「しおかぜ33号」は伊予三島〜松山間運休となります
・伊予三島で「しおかぜ33号」に接続する代行バスを、伊予三島〜伊予西条間で運転します
・2月5日の特急「しおかぜ2号」は松山〜伊予三島間運休となります
・2月5日の特急「いしづち2号」は伊予西条〜伊予三島間運休となります
・伊予三島で「しおかぜ2号」に接続する代行バスを、伊予西条〜伊予三島間で運転します







<小松松山バイパス工事進捗状況>


 2005年度より工事を開始し、2015年の完成を目指している、予讃線・小松・松山バイパスルート(正式名称:四国高速開発鉄道 三方ヶ森線)については、順調に工事が進んでいます。

 工事の中核を為す「三方ヶ森トンネル」は、最終的に総延長27,321mとなる予定で、完成すれば青函トンネルに次いで国内第2位、山岳トンネルとしては国内最長の長さとなります(2008年10月現在)。
 現在、小松側と松山側の双方ならびに中央部の合計4カ所から、シールドマシンを使って掘削を進めており、合わせて約13,000mまで掘り進んでいます(2008年10月31日現在)。
 掘削による残土の一部は、伊予西条駅〜伊予小松駅間、および伊予小松駅〜丹原駅(仮称)間の盛土として再利用しています。


 トンネル通過時間が長いため、防災上の観点からディーゼルエンジンなどの内燃機関を搭載した車両は、原則として通過禁止(通過する場合はエンジン停止)となります。しかしJRT四国では、岡山・高松〜宇和島間の直通列車をこのトンネルを通すため、電車とハイブリッド気動車の併結協調運転方式を検討しております。
 電車とハイブリッド気動車の併結協調運転方式については、既にDC500系とEC500系の併結協調運転が、土讃線特急「南風」で一部実施されていますが、トンネル通過中はディーゼルエンジンを完全に止める必要があるため、その間のハイブリッド気動車のモーターへの電力供給方法が問題となり、主にその点についての調査・研究を進めています。

 このほか、出入口付近には赤外線センサーを使用した熱感知器を設置し、万が一列車の一部に火災などによる異常な高熱部位が発見された場合は、トンネルに入る前に当該列車を止めることが出来るようにします。



(地図出典:国土地理院・1/25000地形図「松山北部・東三方ヶ森・伊予小松」)


 バイパスルート区間の軌道は、保守性に優れ、従来のスラブ軌道よりも騒音・振動を低減できる、「D型弾性枕木直結軌道」を全面的に採用する予定です。
 途中の丹原・東長戸駅(仮称)は、新幹線タイプの配線や分岐器を採用し、高速かつ安全に列車が通過できるようになります。

 なお、丹原駅付近から東長戸駅手前までの間は完全な一直線となっており、その長さは28,076mに達し、国内では室蘭本線(JR北海道)の白老駅〜沼ノ端駅間の28,736mに次ぐ長さとなります。



〜本工事関連のニュースリリース(随時追記)〜

 Vol.18「予讃線 小松〜松山ルート、「スーパー特急」方式で着工へ!」(2005年7月18日)
 Vol.64「小松松山バイパス工事進捗状況(2)」(2012年6月20日)







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