97年12月23日更新

MyTravel Vol.9




<JR四国線取材(?)紀行> その9


牟岐線 徳島〜牟岐間




12月15日(月)


<牟岐線>


 一部「Vol.8」と話は前後するが、今回の牟岐線はなるべく全駅を撮影して回るつもりで行っていたので、異様に時間がかかってしまった。

 結局、文化の森と阿波赤石の2駅は撮影できなかったが、それ以外の27駅すべて撮影した。


 二軒屋は徳島市の中心部にも近くて利用客も多く、2面のホームを持つ島式ホームのほかに留置側線も備える。

 地蔵橋も元は二軒屋とほぼ同様な配置であったが、線路保守合理化のために現在は交換設備が撤去され、片面のみが使用されている島式ホームがあるだけである。
 他にも、阿波中島阿波橘山河内も同様に交換設備が撤去されている。


 中田はかつての小松島線の分岐駅。

 南小松島は小松島市の現在の玄関駅。かつての小松島駅とは直線距離で300mほどである。特急「うずしお」も停車する。

 阿南の手前で徳島県第2の川である那賀川を渡る。全長約450mの那賀川橋梁は、四国に多くみられるトラス橋であるが、両脇に歩道を併設している点が変わっている。

 橋を渡るとすぐに阿南
 牟岐線最大の乗降客数のある駅で、徳島からここまでは日中は1時間当たり2本の普通列車が確保されているほか、特急「うずしお」も停車する。
 同駅は牟岐線内では唯一のみどりの窓口と旅行センターのある駅でもある。


 この先、普通列車は1時間当たり1本、時間帯によっては2時間に1本に減る。
 阿波橘までが一応阿南市の市街地である。ここも、先に書いたように交換設備が撤去された駅である。

 ここから線路は、桑野新野(あらたの)と山越え区間になる。峠を下って海岸に出たところが由岐

 由岐駅は町興しを兼ねて新たに建て替えられたが、町の公民館と一体になっているほか、小さな博物館も併設されており、外観は実に立派である。
 特急「うずしお」も停車する。



 由岐を出てトンネル一つくぐると、海岸線に出る。

 ここは田井の浜海水浴場で、砂浜のすぐ横に駅が設けられており、これが夏の間だけ営業している臨時駅・田井の浜である。
 列車からホームに降り立てば目の前がもう海水浴場である。

 周辺は民家もほとんどなく、「海の家」がいくつかあるだけだが、海水浴シーズンともなればかなり賑わう。



 北河内駅は、最近のJR四国のローカル駅ではよく見られるような、旧駅舎を撤去して簡易待合所を設けた駅の一つであるが、かつての駅前にあったのであろうと思われる樹木と電話ボックスが取り残されたまま、駅舎だけ無くなってしまった、まぁ言ってみればちょっと格好悪い駅である(^^;


 日和佐はウミガメの来る町として知られ、駅舎もウミガメの甲羅をかたどったものに建て替えられている。


 この先、線路は山側に入り、峠を越える。降りたところが山河内で、ここはかつては留置側線があったことも偲ばせるが、ここも現在は交換設備のない片面ホームだけの駅である。


 牟岐まで鉄道が開通したのは1942年、太平洋戦争開戦直後である。
 この先の路線は戦後になって、四国循環線の一部として鉄道建設公団の手で建設が進められることになったが、牟岐〜海部間が1973年に開通したのちは地方交通線建設凍結の嵐に巻き込まれて建設はストップしてしまった。

 その後、地元の熱意によって第3セクターによる鉄道として海部〜甲浦(かんのうら)間が阿佐海岸鉄道として開業したのは、1992年である。




 左写真は、牟岐線名物の「皮だけトンネル」をくぐって徳島に向かうキハ40単行の普通列車。

 これは、当然ながら単なる飾りではなく、元々本当にここに山があったのだが、宅地開発が進んでトンネルだけが取り残されてしまったものである。


 牟岐〜甲浦間約20キロのうち、交換設備を有する駅はこの海部だけで、車輌を留置するための留置側線を持つ駅は一つもない。


 そのため、多くの列車が牟岐〜甲浦間を直通しており、この海部で乗務員が交代している。

 以前は海部駅も側線を持たない片面ホームだけの寂しい終着駅であったが、阿佐海岸鉄道の開業にあわせて交換設備が増設された。







 9時に鳴門を発って、海部に着いたのは15時。ここまで124キロしか走っておらず、平均時速20キロである(^^;

 まぁ、今回はJR四国線レポート97年版の最後ということもあってほぼ全駅丹念に見て回ったので、割合時間がかかってしまった。
 帰りは、15時過ぎに海部を出発、徳島市内を17時過ぎに抜けて国道11号経由で香川県に入り、途中からバイパスの県道に入って、坂出市から実家経由で豊中ICから高速に乗って松山に帰着した。

 松山帰着は22時50分で、朝松山を発ってからちょうど18時間、総走行距離は670キロであった。





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