MyTravel Vol.36




近鉄特急〜 で名古屋へ



 さて、2002年末に登場して試運転や訓練運転などを開始し、2003年3月6日からようやく定期列車としての営業運転を開始した、近鉄21020系「アーバンライナー・next」であるが、登場当時の画像を見てそのスタイルに一目惚れしてしまった私は、どうしてもまだ「新車」のうちに乗ってみたくなった。


 鉄道趣味を始めてから25年になるが、デザインに一目惚れしてしまった鉄道車両というと、1990年登場のJR四国・2000系量産車、95年登場のJR西日本・500系に次いで、このアーバンライナー・nextで3つ目である。


 さて何処に惚れたのかというと、まずは高輝度白色HIDビームのヘッドライトである。
 初めて見た画像が、夜間の試運転中の模様の画像だったのだが、その青白く輝くヘッドライトが鉄道車両としてはとても新鮮でカッコ良く見えたのである。

 そして、複雑な曲面と直線の絶妙なハーモニーで構成された先頭形状も、個人的にはスマートで格好良く見える。
 特に鼻先から「頬」にかけて伸びるエッジの利いたラインが、運転台部分でスッと消えていくあたりのデザイン処理も上手いと思う。



 というわけで(何が?)、3月の3連休を利用して、アーバンライナー・nextで名古屋へ行き、名古屋近辺のJR快速列車に乗車、一泊して翌日は恵那峡近辺へ「ワイドビューしなの」の撮影に行くことにした。

 3月15日に近鉄難波駅の窓口で特急券を購入。往路はレギュラーシート、復路はデラックスシートにしてバランスを取った(^^;





2003年3月21日(金)


 高槻7:03発の快速に乗車。
 113系11両編成。

 特にコメント無し(^^;




 大阪〜名古屋間の名阪特急として活躍している近鉄(近畿日本鉄道)の看板特急21000系「アーバンライナー」は1988年に登場し、民鉄特急としては初の最高120km/hの営業運転を実現した。
 その斬新なエクステリアやデラックスなインテリアとも相まって、当時下降線を描いていたこの区間の特急利用客数はV字回復し、当の近鉄をして「アーバン効果」と言わしめるほどの成功を収め、在来鉄道でも新幹線に対抗できるということを証明した。

 今回登場した21020系アーバンライナー・nextは、その改良型後継車というわけである。



 なお、近鉄の特急列車には大別して「甲特急」と「乙特急」があり、「甲特急」は停車駅が少なくて所要時間が短く、「乙特急」は停車駅が多い分若干所要時間が延びるという違いがある。

 近鉄難波〜近鉄名古屋間で見ると、「甲特急」は難波&名古屋のいずれも基本的に毎時00分発で、所要時間は2時間4分から10分程度となり、日中は鶴橋〜名古屋間ノンストップであるのに対し、「乙特急」は両駅毎時30分発で、途中10数駅に停車し、所要時間も2時間10数分から20分程度かかっている。

 また、使用車両に関しても「甲特急」は基本的に全てアーバンライナー(またはアーバンライナー・next)になるという違いもある。

 早い話、JRで言うところのスーパー特急と普通の特急、あるいは「ひかり」と「こだま」ぐらいの差があるわけである。
 実際、かなり希少な例ながらも「甲特急」が「乙特急」を追い越すというケースもある。



8レ 名阪甲特急 「アーバンライナー・next」



近鉄難波( 8:00)→ 近鉄名古屋(10:09)
6号車5号車4号車3号車2号車1号車
ク21121
モ21221
モ21321
サ21421
モ21521
ク21621
近鉄難波 → 近鉄名古屋




 近鉄難波駅には7時半を少し回った頃に到着。
 まだ発車まで結構時間があるのだが、もう既に8:00発の名古屋行き名阪特急アーバンライナー・nextは入線して客待ち中であった。


 まだ乗客が少ないのを幸いに、運転台と、レギュラーシートの客室の写真を撮影。
 デラックスシートは既に客がいたし、どうせ翌日乗車するからということで、この時は撮影しなかった。


 アーバンライナー・nextは、駅停車中に乗降ドアを開いたとき、ドア下端部のステップがせり出してきて、車両とホームの間の隙間を狭める工夫が施されている。

 これがせり出しているステップ。




 えっ、よくわからない?(^^;

 じゃぁこれでどう?(^^;


 観察していると、ドアがほぼ完全に開いてから「パタン」という感じでせり出し、閉まるときは逆にステップを格納してからドアが閉まるようになっているようで、ミニ新幹線車両や500系とは、若干動作が異なる。


 新車ということで注目度は高いはずだが、朝8時前という時間帯のせいか、カメラマンは少ない。
 しかしながら発車時刻が近づいて客が増えるにつれて、カメラを構えたファンやお父さんたちが増えてきたため、早々に切り上げてレギュラーシートに身を委ねることにした。


 シート背面には車両の案内図がシールで貼付されている

 6両編成で、そのうちモーターを搭載した動力車は2/3/4号車の3両。

 全車両禁煙車で、1/4/6号車に喫煙コーナーが設けられている。
 トイレは男性用と女性用、そして両用の各タイプが2/3/4号車に1箇所づつ設置されている。



 アームシートテーブルはアームレスト内蔵タイプとなっている。



 客室出入口上には液晶式の案内表示器が設置されている。

 これが標準的な表示状態。

 これは次駅表示。

 時折前面展望映像も表示される。

 駅に到着するときは、乗降ドア位置の表示も行われる。

 さらには主要な通過地点の表示もある。

 もちろん、沿線の案内やお得な切符の案内なども表示されるようになっている。


 ちなみに、夜間は前面展望映像の代わりに、現在速度を表示するようだ。


 トイレの使用状況もこの表示器の右上部分に表示されるのだが、マーク等が小さくて非常に見にくく、これは要改善点であると思われ、現に今回乗車したときも、デッキ部ではトイレ街の列が出来ていたほどであり、ほとんどの人がそこまで見ていないというのが容易に推察された。

 っていうか、私も最初気付かなかったぞ(^^;



 乗り心地は非常に良好。もちろん車内騒音も小さく、「ゆりかご形」のシートも座り心地が良くてかなり快適である。

 ただ、シートの座面に関しては個人的にはやや固すぎと思える。
 在来型の21000系・アーバンライナーでは逆にソフトすぎるぐらいで、両者の中間ぐらいが一番丁度良いと思うのだが・・・


 また、乗車したのは進行方向向かって右側、つまり南側の席だったため、この日は非常に天気が良かったということもあって少々暑かった。

 恐らく窓ガラスは熱線反射でも熱線吸収でもないと思われるが、これだけハイグレードな車両なのだから、せめて窓ガラスぐらい熱線反射式か熱線吸収式にしてくれれば、さらに快適度が上がったと思われるだけに、少々残念。


 足元にはフットレストがあり、JR四国の2000系や8000系の普通車に付いているものとは若干機構的に異なる。
 2000系や8000系のが足を外すと自然に元の位置に戻ってしまうのに対して、こちらは下げた状態で固定できるので便利。

 もっとも、足を外すと勝手に元に位置に戻るというのも、また逆の意味で便利なわけで、どちらを取るかは鉄道事業者側の判断によるのだろう。


 ちなみにシートピッチ(座席間隔)は新幹線700系並みの1,050mmもあり、前後方向の余裕はかなり大きい。



 近鉄大阪線は、途中の青山峠などに、33‰(1000分の33)という急勾配があり、その為従来型のアーバンライナーも6両編成、または8両編成の全車両がモーターを搭載した動力車となっており、急勾配をパワーに物を言わせてグイグイと登っていく。

 アーバンライナー・nextでは全車動力車というのをやめ、6両編成中の半分だけとなっているが、33‰勾配を118km/hで登坂できる性能を持つ。

 ちなみに、JR東海やJR西日本の新快速電車は20‰勾配でも100km/h程度しか出せないので、アーバンライナー・nextがいかに高性能が判ろうというものである。



 実際にかなり急勾配の続く峠越え区間でも、アーバンライナー・nextはさほど速度を落とすことなく登ってしまい、本当に上り勾配区間なのか疑わしいほどですらある。

 そして今回乗車したのは動力車である4号車なのだが、車内騒音はいたって静か・・・っていうか、とても「騒音」と言えるほどのレベルでは無いほどに、静かで快適な乗り味であったのには感心した。

 名古屋までの2時間あまりはとても快適に過ごすことが出来た。




 名古屋に到着し、まずは余分な荷物をコインロッカーに預け、JR名古屋駅広小路口のみどりの窓口で「青空フリーパス」を購入。


↓青空フリーパス


 土曜・休日の1日間だけ、名古屋近郊の上記記載区間の普通列車に乗り降り自由というフリー切符で、フリー区間がもう少し広くなる「青空ワイドフリーパス」もある。
 名古屋近郊の旅行代理店や旅行センター、みどりの窓口で売られている。



 まずは、東海道本線の快速列車で豊橋まで行くことにした。


 改札を入り、2番ホームに上がって、ホームにある売店で名古屋近郊区間のみの時刻が掲載された携帯時刻表を購入。

 列車を待っていると、2番ホームを石灰石輸送列車(返空)が通過していった。


 しばらくして大垣側から311系電車が見えたのでそれかと思ったら、その列車は1番ホームに到着。
 名古屋で快速に追い越される各駅停車だった。

 目当ての豊橋行き快速は、313系電車の4両編成でほどなく到着した。


東海道本線 5306F 快速



名古屋(10:35)→ 豊橋(11:24)
1号車2号車3号車4号車
クハ312

海カキ
モハ313

海カキ
サハ313

海カキ
クモハ313

海カキ
大垣 → 豊橋

↓313系の室内



 やってきた快速・豊橋行きは超満員。
 それでも名古屋なのだから相当降りるだろうと思っていたら、意外と降りる客は少なく、名古屋発車時点では各車両100数十人と相変わらずの満員で、当然立席となった。


 313系は、名古屋地区で並行する名鉄に対抗するための新快速用車両として1989年に登場した311系電車の発展型で、311系の後継車として新快速運用をこなすほか、JR東海管内の全ての電化区間を走行できることを前提に、在来の旧型電車を置き換えることの出来る汎用の標準型電車として、1999年に登場した。

 客室は転換クロスシートで、ブラインドは通常のロールアップ式だが、フリーストップタイプとなっていて任意の位置で止めておくことが出来て便利。
 最高速度は120km/h。

 JR東海の電化区間のほぼ全線で見ることが出来、2両/3両/4両の各編成が活躍中。なお、2両編成には名古屋都市圏快速用の転換クロスシート車と、ローカル区間用でワンマン設備を搭載するセミクロスシート車(固定クロスシート+ロングシート)の2種類がある。



 東海道本線・名古屋近郊区間の快速列車は、新快速とは最高速度は同じで、停車駅も2〜3多いだけなので、名古屋〜豊橋間約73kmの区間でも、新快速との所要時間差はわずか3〜5分程度であり、名古屋駅発着時刻基準では、新快速と快速が合わせて交互に綺麗な15分間隔のダイヤを構成している。



 金山、共和、大府、刈谷、安城、、、と、意外なほど乗客の動きはほとんど無く、ようやく着席することが出来たのは蒲郡で、もう2つ次の停車駅が終着・豊橋である。

 名古屋〜豊橋間の所要時間は49分で、表定速度は88.7km/hという走りっぷりである。

 豊橋ではそのまま引き返す。
 豊橋駅は、改札内でJRと名鉄のホームが並んでおり、相互の乗換が可能となっている。



東海道本線 5221F 新快速



名古屋(12:37)← 豊橋(11:51)
1号車2号車3号車4号車
クハ312

海カキ
モハ313

海カキ
サハ313

海カキ
クモハ313

海カキ
大垣 ← 豊橋

※車番不確認(^^;


 豊橋からは、大垣行きの新快速に乗車。今度もまた、大垣電車区所属の313系電車4両編成。

 今回は先頭に並んでいたので、余裕で座ることが出来たが、始発の豊橋発車時点でもう満席で、立ち客もかなりいた。


 313系の座席は結構座り心地が良く、221系ほどではないが223系よりはGoodであると思える。
 また、1号車には普通列車としては珍しく公衆電話が設置されているが、恐らく利用率はさほどではないと思われる。



 新快速5221Fは、豊橋を発車するとすぐに全開走行に入る。
 かなり線形が良いこともあって、かなりの区間で110〜120km/hの高速走行が続く。

 豊橋からちょうど30分で、48km先の刈谷まで着いてしまうので、この区間の表定速度は96km/hということになり、相当に速い。

 最高速度は120km/h「止まり」なので、130km/h走行する京阪神の新快速に慣れた私としてはさほど速いという印象は受けないのだが、それでも複々線区間の多い京阪神と違ってこちらは「ただの」複線区間であるため、スピード感はかなりある。


 豊橋から名古屋までの所要時間は、通常の快速より3分速い46分で、表定速度は94.4km/hに達する。

 ちなみに、走行区間である豊橋〜大垣間全区間で見ると、名古屋で3分「も」停車するほか、末端の岐阜〜大垣間が各駅停車になるにもかかわらず、表定速度は89.5km/hと、普通列車としては当然ながら国内でも最速クラスである。



2929D 快速「みえ9号」



松阪(14:11)← 名古屋(13:10)

1号車2号車
キハ75


キハ75
103

鳥羽 ← 名古屋



 名古屋からは関西本線の気動車快速「みえ」に乗車。
 名古屋車両区所属のキハ75系による2両編成。


 名古屋〜松阪〜鳥羽間は近鉄と並行しており、それまでは近鉄の一方的な優勢であった。
 対抗策としてJR東海では、急行形のキハ65/58の改造車を使用して快速「みえ」を登場させたが、さらにスピードアップを図ることによって競争力を高めるため、1994年に快速「みえ」専用車としてキハ75系を登場させた。


 駆動系と動力性能は1989年に登場した特急用キハ85系と同一で、連続定格出力350馬力を発揮する、英国・カミンズ社製の直列6気筒ターボエンジンを各車両に2台搭載して、これを直結2段式の変速機を介して駆動し、25‰勾配を95km/hで登坂できる性能を持つ。
 登場当時は普通列車用気動車としては国内最強だったが、1997年には450馬力機関を2台搭載するJR北海道のキハ201形が登場して、あっさりその座を明け渡している。

 客室は3扉転換クロスシートとし、最高速度は120km/h。2両固定編成でユニットを組む。

 通勤用途のみならず、鳥羽方面への観光客輸送という使命も持つため、デッキ部分には簡易仕切がつくほか、普通列車用車両としては珍しく横引き式のカーテンを備える。
 客室窓も座席2列分の大型窓で、室内灯は当然グローブ付き、天井には車内吊り広告も無くてとてもすっきりしており、掛け心地の良いシートとも相まって非常にハイグレードで好印象な客室となっている。

 キハ75の客室

 その後は武豊線などの他線区にも進出し、現在は40両全車両が名古屋車両区に配置されて活躍中。


 この日乗車した「みえ9号」は、快速「みえ」の中では最も速い列車で、名古屋〜鳥羽間122.5kmを1時間35分で走り、表定速度は77.3km/hとなり、気動車快速列車としては国内最速である。
 特に今回乗車した名古屋〜松阪間85.4kmは所要時間1時間1分で、表定速度は84km/hに達する。


 ちなみに、キハ85系の特急「南紀」は、この名古屋〜松阪間を最速1時間1分から1時間5分かかっている(停車駅は同じ)ので、この快速「みえ9号」は特急と全く同等の走りをしているということになる。

 特急「南紀」は定期列車4往復と季節列車1往復、それに臨時列車1往復が設定され、もっとも遅い臨時だと名古屋〜松阪間は1時間8分を要する。
 対して快速「みえ」は、土曜・休日運転の1往復を含めて13往復が運転されて、名古屋〜松阪間は平均して「南紀」より停車駅が1つ多いだけで、所要時間は1時間10分程度となり、「南紀」と「みえ」を合わせてほぼ1時間間隔のダイヤが構成されている。


 車両性能が全くと言っていいほど同じなので、所要時間が変わらないのは当然といえば当然だが、これでは特急料金差=座席のグレード差のみということになり、特急の立場が危うくならないかと少々心配になる。

 特急は、熊野・新宮・紀伊勝浦方面まで足を伸ばしていてそちらの方面への観光輸送という使命があるため、両者が完全に競合することはないのだが、それならば特急の方はこの区間の停車駅を減らしてもう少しスピードアップするべきではないかとも思える。



 名古屋を出た関西本線は近鉄名古屋線と平行しながら、電化区間ではあるが単線区間と複線区間が交互に断続し、単線区間の駅は昔ながらのY字分岐なので、駅の前後ではかなり減速を強いられる。
 逆に言えばこれらを一線スルーにしてしまえばさらにスピードアップは可能で、名古屋〜松阪間は余裕で1時間未満で到達することが出来るようになろう。



 四日市を発車して南四日市を通過し、河原田からは第三セクター線の伊勢鉄道に乗り入れる。

 伊勢鉄道線は、国鉄・伊勢線として1973年に開業した。
 それまでの亀山経由に比べて約10kmの短絡となり、急曲線や急勾配の無い高規格線路とも相まって南紀方面への所要時間が短縮されたが、線内旅客が少なかったことから、1987年3月に第三セクター化された。

 当初から将来の複線化が計画に盛り込まれ、1993年には一部複線化も完成したが、今も複線化用地が残る。


 実際快速「みえ」も伊勢鉄道線内では結構飛ばしており、四日市〜津間の平均時速は92.2km/hとなる。


 なお、この伊勢鉄道線区間は、青春18切符などの一部のJRの企画乗車券では乗車できないので、別途乗車券を購入する必要がある。

 今回使用した「青空フリーパス」もそれに該当するため、伊勢鉄道線区間の往復の乗車券を車内で購入した。

↓「みえ9号」車内で買った車内補充券



 ちなみに、伊勢鉄道線に入ると車掌はしっかりと「乗車券拝見〜」と検札に来るので、知らんぷりしてただ乗りしようとしてもムダである(^^;



 「みえ9号」は、結局名古屋から松阪までずっと立ち客がいて、そこそこの利用率を示している。
 もっとも、編成が2両と短いので、まだまだ近鉄にとっての脅威となっているとは言い難いようだが・・・・



 松阪の一つ手前の六軒駅を通過中に、向かって右手前方に近鉄の急行電車が見えた。
 こちらは単線非電化、向こうは複線電化で、線路設備の差は歴然としているが、「みえ9号」は六軒駅の場内Y字分岐を60km/hぐらいで抜けるとフルノッチ投入。

 4台のカミンズ製350馬力ターボエンジンが唸りを上げ、近鉄電車をどんどん追い上げる。

 向こうも最高で110km/hは出しているはずだが、近鉄線をくぐって松阪駅の場内が見える頃には横に並び、ほぼ同時に松阪駅に到着した。


 ちなみに、近鉄電車の名古屋〜松阪間の所要時間は、特急で1時間10分前後、急行では1時間20分ほどかかっており、スピードだけ比べればJRの方がやや優勢ということになる。
 運転本数では、特急・急行合わせて毎時4本の近鉄の圧倒的な優勢であるのは言うまでもないが・・・


 松阪には定刻の13:11に到着。
 「みえ9号」の到着と入れ違いに「みえ14号」が発車していった。


 まずは駅の写真を撮る。
 松阪駅の西口は「JR」であることを大きく主張。

 一方東口は「近鉄」であることを控えめに主張(^^;



 東口も西口もJRと近鉄の共用の改札口となっており、自動改札機もJR/近鉄どちらの乗車券でも通過できる。

 なので、改札内はJRと近鉄のホームが共存している。



 しかし、西口はどうやらJR東海が「主人」のようで、「ワイドビュー南紀」の広告や、快速「みえ」の広告が大きく掲げられて、その片隅に近鉄の切符売り場がひっそりと居を構えていた。

 逆に東口は近鉄がメインで、一瞬JRの切符で入れるのかどうか悩んでしまう。



 駅構内にうどん&そば屋がある。
 店はJRの直営のようだが、傍らに貼ってあった「カレー丼セット」のバーゲン(?)宣伝には思わず 「ほんまかいな?(^^;」 とつっこんでしまった。

 試しに注文してみても良かったが、「松阪牛うどん」を食した。

 肉はまぁまぁだが、うどんははっきり言って全然旨くない。まぁ、どこにも「讃岐うどん」とは書いてないので、これがこの辺のうどんの味なのだろうということで、許すことにした(^^;



2936D 快速「みえ16号」



松阪(15:08)→ 名古屋(16:15)
1号車2号車
キハ75


キハ75
101

鳥羽 → 名古屋




 松阪からは、名古屋行きの快速「みえ16号」で名古屋まで引き返す。
 ホームで待っている間、近鉄のホームはビスタEXが発車していったり、乙特急が発着したり、また伊勢志摩ライナーが通過していったりと賑やかだが、その間JRのホームはキハ11形単行ワンマンの普通列車が到着しただけで、何とも寂しい限り。

 座れるかどうか少々心配だったが、なんとか窓側席に座ることが出来た。
 座席はほぼ全て埋まり、立ち客もちらほら。


 今度の「みえ16号」は松阪〜名古屋間1時間7分運転で、途中で対向列車待ちのための運転停車もあった。

 あとは、今来た道を引き返すだけなので、特記するべき事項はなかった(^^;



 名古屋到着時点では目測で200人弱ほどの乗客が乗っており、関西本線と伊勢鉄道線の複線化推進と、「みえ」増発によってさらに競争力を高めるべきだろう。



 名古屋では1時間ほど撮影タイム。

 中津川行きの快速「セントラルライナー」
 乗車にあたっては乗車整理券が必要で、早い話が全車座席定員制の快速である。

 日中毎時1本が運転されており、末端の多治見〜中津川間は乗車整理券無しで乗車できる。

 大阪行き特急「しなの18号」

  ←そのグリーン車。

  ←その運転台。


 この日、この後は名古屋地区の友人達を夕食会をした。

 その後は、小牧市在住の友人M氏宅へ向かい、この日はそこで泊めて貰った。



2003年3月22日(土)


 この日は、中央本線の恵那峡方面で、特急「しなの」を撮影することになっていた。

 8時半に起床し、9時半頃に友人M氏の車で出発。
 小牧ICから名神高速に入り、小牧JCTから中央道へ。


 本当はノートPC+GPSで快適ナビげーションしながら行くはずであったのだが、PCとGPSアンテナを繋ぐケーブルを持ってくるのを忘れた(^^;ので、仕方なくGPSの位置情報を頼りに人間ナビゲーションでいくことになった(^^;



 恵那〜美濃坂本間にて

 「しなの6号」と、たまたまこの場所ですれ違った211系の中津川行き快速。
 



 美濃坂本〜中津川間にて

 大阪始発の「しなの15号」
  背景がいまいちだが、先頭車の傾き加減と、その後ろに連なる車両の「見え加減」はなかなかGood(^^;

 その約7分後、名古屋行き「しなの8号」
  画面右手奥に見えるのが恵那山、、、のはずだ(^^;



 十二兼駅を通過する「しなの10号」
  最後尾が切れているが、気にしない(^^;

 そして車体をローリングさせながらトンネルに入る
  この時、私はトンネル入口のコンクリート雍壁上に腹這いになって撮影していた(友人M氏撮影(^^;)



 大桑〜須原間にて

 偶然(^^;通りかかった、EF64形機関車重連の牽引する石油輸送貨物列車
  左手向こうに見えるのが、木曽駒ヶ岳(のはず(^^;)

 走り去っていく列車。
 


 約5分後の同じ場所で、長野行き「しなの17号」

  ←最後尾の6両目がまだ若干傾斜状態だが、1〜5両目は直線走行状態
  ←緩和曲線に入り、1両目は既に傾斜を開始
  ←1両目はさらに大きく傾斜、続く2両目も傾斜を開始して、1〜3両目がそれぞれ異なる角度で傾いている
 これが、先頭車両から順次時間をずらして少しずつ傾斜させていく、「制御付振子」の効果である



 今回実は、「しなの」の時刻しかチェックしていなかった、、、っていうか、貨物列車の時刻をチェックしてくるのを忘れたため、この日も3本の貨物列車を撮影し損ねた(^^;
 その上少し道に不案内だったため、「しなの」も2本は撮影に失敗している(^^;

 それよりもこの日はあいにくの曇天だったため、また日を改めて撮影に来ようと決意したのであった(笑)



 ここでちょうど1本目のフィルムが無くなったので、上記撮影場所から1キロほどのところにあるのを見つけた道の駅で、昼食&お土産購入タイム。



 再度さっきの場所に戻り、次の下り「しなの19号」を今度はローアングルから撮影。
 


 今度は鉄橋を渡った反対側から、「しなの14号」を撮影。
  左手に見えるは、木曽駒ヶ岳。



 「しなの21号」は次の場所に着いた途端に通過したため、撮影できずじまい(^^;

 さらに、その次の場所で「しなの18号」を待っている間に、目の前を貨物列車が通過(苦笑)


 気を取り直して大阪行きの「しなの18号」を撮影。
  渡っているのはもちろん、木曽川。


 ちなみに、「しなの16号」は存在しない(欠番)ので、決して撮り漏らしたわけではない(^^;
 「しなの16号」が入るべき時間帯には、臨時の「しなの82号」が走っているが、この日は運転していなかった。

 「しなの21号」は、これまたこの次の場所へ移動した時に通過していったので撮影できず。

 さらに次の場所へ移動中に目の前をまた貨物列車が、、、、、ぐはぁ(^_^;


 この日のラストはこのさらに後の「しなの22号」(「しなの20号」も欠番)だったのだが、暗かった上に出来もいまいちだったので掲載しまへん(^^;



 この時点で17時頃で、これでこの日の撮影は切り上げ。

 帰路は近鉄名古屋21時発のアーバンライナー・nextということで時間はたっぷりあるため、一般道経由で名古屋を目指す。
 途中「びっくりドンキー」でハンバーグ定食を食した。



 近鉄名古屋駅には20時を回った頃に到着。

 友人M氏と別れ、改札を入ると、、、、さすがにまだアーバンライナー・nextは入線していなかった(^^;


 その時1番ホームに停まっていたのは20:30発の難波行き名阪乙特急で、21000系アーバンライナー編成だった。

 それが出た後に、次は20:45発の鳥羽行き特急が入線し、そして発車していった。



 その間に、隣の2番ホームには団体専用車、18200系「あおぞらII」が姿を見せた。

 18200系は、元々1966年に京伊特急(京都〜伊勢志摩間特急)新設を目的として登場した特急用車両だが、当時の通過する区間の線路条件の制約により、車体幅が狭く抑えられており、その一方で屋根高さは本線特急と同じにしたため、正目から見ると面長に見えるのが特徴である。

 また、当時は橿原線が架線電圧600Vだった(大阪本線等は1500V)ことから、二種類の電圧区間を直通運転できる構造になっていたのも大きな特徴だった。

 その後は線路改良による建築限界の拡大や橿原線の昇圧(1500V化)の他、リクライニングシートを装備した後継特急車の登場により、車体幅の関係で転換クロスシートを採用していた同車は、特急形としての存在意義が薄れ、1990年に団体専用車両に改造されて、塗色も全面的に変更された。


 「II」があると言うことは当然「I」もあるのだが、こちらは1962年に純粋な団体用(主に修学旅行用)車両として3両編成5本(合計15両)が新製された、オール2階建て構造の電車であったが、「特急形」でなかったためか非冷房車だった。その後は主に設備面で見劣りがしたため、1989年から順次廃車され、1993年に姿を消した。

 この「I」の方は、私は実車を見たことすらない(雑誌などで写真を見ただけ)(^^;



 「あおぞらII」が2番線から車庫へ引き上げた後、20:32に難波からのアーバンライナー・nextが到着した(下画像)。

 こちらはすぐに一旦留置線に引き上げ、20:45発の鳥羽行き特急が出た後に、1番ホームに入線してきた。
 従ってあまり撮影できる時間的余裕が無く、1号車のデラックスカーもすぐに大勢の乗客が乗車したため、客室の写真は近鉄難波到着後、全ての客が下車したときに撮影した。



71レ 名阪甲特急 「アーバンライナー・next」


白色のHIDビームランプが眩しいアーバンライナー・next

近鉄難波(23:05)← 近鉄名古屋(21:00)
6号車5号車4号車3号車2号車1号車
ク21121
モ21221
モ21321
サ21421
モ21521
ク21621
近鉄難波 ← 近鉄名古屋



↓ デラックスシート車
↓ そのシート



 というわけで、今回は1号車のデラックスカーに乗車。
 レギュラーカーと同じ「ゆりかご形」シートだが、サイズが若干大振りで可動式のヘッドレストも付き、その上シートは電動リクライニング式となっている。

 シートの掛け心地に関しては、レギュラーカーよりも若干ソフトな感じで、私的にはこれぐらいがちょうど良いと思える。

 シートバック背面には例によって車内の案内が貼付されている

 また、シートバックに向かって右上端には読書灯が備えられている。



 帰路は夜間ということで車窓がほとんど楽しめなかったが、この時に客室内の案内表示器で、昼間の前面展望映像の代わりに、夜間は現在速度が表示されるということに気付いたわけである。

 難波までの2時間強は実に快適で、これでデラックス料金410円は安いと思った。



 難波からは、地下鉄御堂筋線〜JR京都線を乗り継ぎ、潜伏先に着いたのは23時半を少し過ぎた頃だった。



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