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EC320系 2000番台
快速「ムーンライト」用 直流電車




客室寸法図(PDF:323KB)



 京都・大阪〜松山・須崎間を結ぶ夜行快速「ムーンライト伊予」「ムーンライト土佐」は、グリーン車については本来団体臨時列車用として1989年に登場した「グランドマリン」(多客期は「グランドサルーン」)を使用し、また普通車指定席車については1998年に新たに製作した専用車両を使用していたが、「グランドマリン」「グランドサルーン」については「グランドマリンII」への老朽置き換えを行うこととなったことから、「ムーンライト」についても新型車両に置き換えて利用客の増加を図ることとした。


 新型車両は4両編成を基本としがら、中間の2両は任意の1両を連結しないでも(3両編成で)運転できる構造とした。
 また、先頭車両については普通車・グリーン車とも貫通構造として1両単位で増結ができ、その状態で車内での通り抜けができるようにすることとして、柔軟な運用に対応している。


 2011年6月までに、4両編成5本(20両)を揃え、7月の夏休みシーズンから新型車両に置き換えを完了。
 さらに8月の繁忙期までに、下り向きの運転台付き普通車と、上り向きの運転台付きグリーン車がそれぞれ3両増備されて、現在総勢26両となっている。



<車両構造>

 基本構造は現在の「グランドサルーン」「グランドマリン」を踏襲し、ハイデッカー構造のオールグリーン車を基本とする。
 4両編成の内の3号車についてはダブルデッカー構造となる。

 車体はEC500系などと同じ、アルミ高張力鋼板によるダブルスキンモノコック構造として、側面部には補強材を入れることで対衝突安全性を向上させている。

 乗降用の客室扉は各車両に片側1つづつで、横幅を1mとして車椅子での乗降にも対応。


<客室構造>

〜全車共通事項〜
 グリーン席の座席配列は、JRT四国標準仕様の1−1−1配列で、シートピッチは1.3mとなる。

 座席の基本構造は、「南風」で使用されているEC500系/DC500系と共通。

 リクライニングに合わせてバックレスト下端部分がわずかに前進し、それに合わせて座面部分もわずかに前進すると共に、座面後端が下がり、逆に座面前端が上昇する。それにとどまらず、シートとのフィット感を向上させるため、ランバーサポートと可動式ヘッドレスト、それにレッグレストまで備えた、「フレキシブル・クレイド・シート」を採用している。
 アームレストには、テーブルと液晶TVが内蔵されているほか、マルチステレオも装備されている。

 客室窓ガラスはUVカット付き熱線反射ガラスで真夏でも快適な車内が提供されている。

 トイレと洗面所などは各車両とも共通で、出入口デッキのある車端部に車椅子対応のトイレと、男子小便所を各1ヶ所設け、洗面設備も2カ所設置。

 室内灯はカバー付きの昼白色LED照明を採用。夜行運用を考慮して調光機能付きとなる。


〜1/4号車共通〜
 通常のハイデッカー構造で、最前部は前面展望を楽しめる展望車となっている。
 客室後部には液晶TVモニタを設置している。


〜2号車〜
 通常のハイデッカー構造で、客室の前後2ヶ所に大型液晶TVを設置している。


〜3号車(ダブルデッカー)〜
 中央部分がダブルデッカー構造となり、2階部分がグリーン席になっている。
 1階部分はソファ席やカウンタ席を備えたカフェラウンジとなっている。
 出入口の無い側の車端部には、ミニサロンと喫煙室を設けている。


<機器類>

 主幹制御器はJRT四国標準仕様の横軸2ハンドル方式で、マスコンは疑似6ノッチ刻みの自動進段式。
 ブレーキは抑速段を持つ8ノッチ+非常位置となる。

 発電機は、MC320/TSC321の両先頭車に、最大2両まで給電可能なタイプを搭載し、電気連結器からの編成情報を元に出力を自動制御する。
 増結は先頭車1両単位で行うため、MC320形〜MS321形間と、TS321形〜MSC320形間にのみ、サービス電源供給用の三相連結器を備えている。

 冷房装置は、ダブルデッカーのTS321形のみ集中式で、それ以外はセパレートタイプを搭載する。

 パンタグラフはシングルアームタイプのS−PSS320を、MC320/TSC321形の両先頭車に搭載する。


 4両編成の内のダブルデッカーのTS321形を除いた全車がモーターを搭載した動力車となる。
 モーターはEC500系に搭載されているものと同じだが、列車として要求される性能を考慮して、若干出力を抑えて使用している。
 ただし、両先頭車のMS320/MSC320形は片側台車のみを駆動する半M車となっている。

 ブレーキは、抑速・発電ブレーキおよび電磁誘導ブレーキ併用の電気指令式空気ブレーキで、基礎ブレーキ装置は全車車輪ディスクブレーキとなるが、停止直前まで電気ブレーキにより制動を行う。


 台車については、従来のJRT四国標準仕様の近郊電車用の台車が、基本設計から既に20年以上を経過していることから、乗り心地の向上と走行性能の改善、さらにメンテナンス性の向上を図った、新開発のボルスタレス台車を採用。
 JRT四国では既にこの新型台車を、2010年度に新製したEC310系電車の一部に採用して実地試験を行っており、EC320系にはその試験結果を反映した改良版を採用している。

 許容運転最高速度は130km/hで、設計上の最高速度は145km/h。




形式 MC320
−2000
M321
−2000
TS321
−2000
MSC320
−2000
C0212SW12SC12
両数8558
最大寸法21,300 mm
2,960 mm
3,720 mm4,050 mm3,720 mm
パンタグラフ
折畳み高さ
3,880 mm
パンタグラフ
折畳み高さ
3,880 mm
重量37.2 t38.0 t36.5 t37.5 t
車体 アルミ高張力鋼板中空押出
ダブルスキンモノコック構造
制御方式 個別制御式
IGBT-VVVFインバータ制御
トラクションコントロール搭載
個別制御式
IGBT-VVVFインバータ制御
トラクションコントロール搭載
電動機形式
出力
S−MT700RS−BS−MT700RS−B
240 kWh × 2240 kWh × 4240 kWh × 2
歯数比4.54.5
パンタグラフ形式 S-PSS320
シングルアーム式
S-PSS320
シングルアーム式
ブレーキ方式応荷重・応速度増圧付 電気指令式空気ブレーキ
回生発電ブレーキ併用
電磁誘導ブレーキ併用
回生発電ブレーキ併用電磁誘導ブレーキ併用 回生発電ブレーキ併用
電磁誘導ブレーキ併用
基礎ブレーキ装置 車輪ディスク
(4センサー3チャンネル式各輪個別制御アンチロック付き)
台車形式・方式 S−DT320
S−TR320
S−DT320S−TR320 S−DT320
S−TR320
ボルスタレス式
軸箱支持装置:円錐積層ゴム式
セミアクティブサスペンション付き
許容最高速度 130km/h
(設計最高速度:145km/h)
加速度
減速度
起動加速度 2.8km/h/sec(2M2T)
常用最大減速度 3.5km/h/sec
非常最大減速度 4.8km/h/sec
勾配均衡速度 10‰:155km/h
20‰:130km/h
33‰:100km/h
曲線通過速度 300>R:本則+5km/h
500>≧R≧300:本則+10km/h
R≧500:本則+15km/h
電動発電機 ECSC200Z
(200kVAh)
ECSC200Z
(200kVAh)
出入口ドア1扉(片引戸)
W:1,000 mm
床面高さ1,100 mm
1F:200mm
2F:2,050mm
客室:1,250mm
冷房装置 S-ECAU320S
12,000kcal × 2
S-ECAU320R
20,000kcal × 1
S-ECAU320S
12,000kcal × 2
シートピッチ1,100 mm1,300 mm
乗車定員48473729
その他
設備装置
客室ダブルデッカー準高床式 (15cm)
WC有(洋式・車椅子対応)×1
洗面所有 ×2
その他
更衣室女子更衣室



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