<架空鉄道「JRT四国」のページ>


311系 近郊形直流電車
(普通列車仕様一般車)







<地方都市圏用試作車 900番台>
<地方都市圏用暖地向け 0番台 第一次量産車>
<地方都市圏用寒地向け 500番台 第一次量産車>
<地方都市圏快速用 1000番台 第一次量産車>
<大都市圏用 3扉車 3000番台>
<中京都市圏新快速用 5000番台>
<地方都市圏用 暖地向け0番台 第2次量産車>
<地方都市圏用 寒地向け500番台 第2次量産車>
<地方都市圏快速用1000番台 第2次量産車>





界磁添加励磁制御方式による1M式の近郊電車で、本来は四国オリジナルの車輌。



<地方都市圏用 試作車 900番台>




 1986年11月改正での予讃線多度津電化時に、試作900番台が登場。

 1M1Tが基本で、ステンレスボディ+FRP製マスク、ボディマウントを装備。全長は20.5m。窓の上下にライトブルーのラインが1本づつ入り、ボディマウントカバー部にもラインが入っていた。


 台車はボルスタレス式空気ばね台車で、211系のDT−50系をベースに横圧軽減を図ったDT−70/TR−270で、基礎ブレーキ装置は駆動台車が踏面両抱、従台車は車軸ディスクとなる。

 電動機は383系と同じ 定格210kw/hのMT−65直流直巻電動機を4基搭載。歯数比は5.0。

 ブレーキは電磁誘導ブレーキ併用抑速回生付き電気指令式空気ブレーキを装備。最高速度は110km/h。

 パンタグラフはPS−21で、屋根高さが3,500mmと通常の近郊電車より低く、パンタグラフ折り畳み高さも3,890mmと低いため、小断面トンネルにも対応している。

 連結器は自動解結装置付き電気連結器併用密着連結器。前照灯はハロゲン角形2灯式で尾灯はLED。

 マスコンは力行5段自動進段式で、ブレーキハンドルとともに横軸2ハンドルタイプとなる。
 ワイパーはウォッシャ連動時間調整間欠式。
 

 室内は直流車初の2扉セミクロスシートで、モケットは211系と同一のえんじ系のバケットシート、シートピッチは1,500mm。窓は上段下降下段上昇式のユニットサッシ。フリーストップ式のロールアップブラインドを採用する。窓枠はFRP。
 出入口扉は幅1,300mmの両開き引戸で、半自動扱いが可能。

 天井は平天井で、冷気吹き出し口はラインフロー式。冷房装置は集中式のAU−78。強制換気はなく、ベンチレータを備える。

 発電用静止型インバータは3両給電用のSC32Cをクハ310に搭載する。



 900番台車は、片運式電動制御車クモハ311形、片運式付随制御車でトイレ設備のあるクハ311形各11両、片運転台付随制御車で増結用のクハ311形3両の3形式25両が製造されたが、1995年に全車JRT西日本に売却され、現在は吉備線・宇野線・赤穂線などで活躍、一部の車両は座席が転換クロス化されている。



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<地方都市圏用 暖地向け0番台 第1次量産車>




 87年3月改正で量産形0番台が登場。基本が1M2Tに改められた。中間車サハ311が設定され、クハ311は試作車の3両化の為に8両が製作されたのみ。なお、中間車の全長は20m。

 台車はヨーダンパが追加され、形式名をDT−71/TR−271に変更。
 パンタグラフは補強用サブアームの付いたS−PS21GX。

 前頭部では、前照灯と尾灯の位置が入れ替わり、前面展望を考慮して助手席窓が大型化され、ワイパーが車速検知無段式となった。
 側面方向幕は通常の電光巻き取り式だが、自動化によって省力化が図られている。

 マスコンは電子制御式に進化し、ブレーキハンドルと共に電気接点式のセルフラップ式とされて、これが以後のJRT四国標準仕様となった。

 窓はバランサー付きの1段下降式に変更になり、シートピッチも1,580mmに拡大。ラインフロー式の冷気吹き出し口にはルーバーが内蔵された。

 発電用インバータは回路途中に静電誘導トランジスタを内蔵し、電子制御により最大4両給電が可能とした ECSC32Z。

 警笛は通常のホーンから電子ホーンに変更され、これが以降のJRT四国標準仕様となっている。


 88年3月改正では、レッドのラインカラーで山陰本線京都口にも投入された。



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<地方都市圏用 寒地向け500番台 第1次量産車>


 88年3月改正では寒地向けの500番台が登場し、オレンジのラインカラーで高山本線に、グリーンのラインカラーで山陰本線米子口に投入された。

 500番台車は、基本構造は0番台と同一で、踏面ブレーキに付雪防止のヒーターを設置、ベンチレータには予熱機能を付加したほか、出入り台デッキにFRPの仕切板を追加している。また、クモハ311形には雪切室が付く。


 現在は出雲電車区の配置で山陰本線米子〜知井宮間と伯備線で使用されているほか、美濃太田電車区と神領電車区にも配置があり、それぞれ高山線と中央本線で使用中。


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<地方都市圏快速用 1000番台 第1次量産車>




 88年4月の瀬戸大橋開通に伴うダイヤ改正では、瀬戸大橋線快速「マリンライナー」用として、転換クロスシートを備えた1000番台が登場。1M2Tで213系の増結・パワーアップ用として使用開始。

 ラインカラーは213系と同じで、窓下の帯がライトブルーとブルーのツートンとなる。


 1000番台車は歯数比が4.5に変更され、ブレーキシューを特殊鋳鉄合金化した上にアンチスキッド付きとし、さらに応速度増圧機能の追加によって、許容最高速度が近郊電車としては当時国内最速の130km/hに向上。213系との併結運転が可能となっている。

 瀬戸大橋線快速運転に対応して、オートドライブ(連続自動定速運転装置)を搭載しているほか、パンタグラフには塩害防止処理が施されている。


 客室はシートピッチ910mmのバケット式のオール転換クロスシートに、室内灯はグローブ付きにグレードアップ。


 その他の基本機能は0番台と同一だが、後年側面方向幕と前面行先表示が虚像式に改造されているほか、LED案内表示も追加設備された。

 さらに、快速「マリンライナー」の指定席用車として、5両のクハ310がリクライニングシート化され、第1エンド側の出入口ドア部分が大型携行品置き場に変更されているが、ドアはそのまま存置されている。


 マスコンは6ノッチ準備工事付きの5ノッチで登場し、その後最高速度向上(130km/h化)の際に、6ノッチ化された。



 2002年4月改正では、快速「マリンライナー」運用から離脱し、VVVFインバータ制御化を中心とした、大幅なリニューアル改造が行われた。

 → 311系1000番台車更新改造車


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<大都市圏用 3扉車 3000番台>




 89年3月改正では、3扉式の3000番台が登場。イエローのラインカラーで福知山線に、ブルーのラインカラーで山陽本線広島口に投入された。

 主要機器は0番台と同一だが、編成は1M1T叉は1M3Tを基本とする。フロントデザインについては大幅な変更が加えられているほか、運転台背後の業務スペースが縮小されている。


 1M3Tの電動制御車クモハ311形は電動機を4基搭載するが、1M1Tの電動制御車クモハ310形は3基搭載となり、これは当時国内で初の試みであった。

 クモハ311形とクハ310形、クモハ310形とクハ311形がペアとなる。


 パンタグラフはS−PS21CXで構造材の強化によって補強用サブアームを廃した。

 ブレーキは応荷重応速度増圧式に改良され、最高速度は120km/hに向上した。


 その他、側面方向幕をLED表示とし、前面行先方示幕を虚像式とした。

 客室も基本的に0番台と同一だが、室内灯がグローブ付きとなり、妻面ドアをタッチオープン自動式とし、車端部にダストボックスが設けられた他、LED案内表示器の取付準備工事が施された。冷房装置はIC制御式の ECAU78−EXで、強制換気付き。



 現在は福知山線用として宮原運転所に4両+2両編成が10本の60両、山陽本線広島口用に広島電車区に4両編成10本の40両、播但線用に網干電車区に2両編成10本の20両が配置されている。



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<中京都市圏新快速用 5000番台>


 89年夏、JRTオリジナル車とは別に登場したJR東海311系は、くしくも形式名がJRT311系とダブったため、苦肉の策としてJRT東海311系5000番台とした。

 機器構成その他全て、JR東海311系そのままである。



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<地方都市圏用 暖地向け0番台 第2次量産車>
<地方都市圏用 寒地向け500番台 第2次量産車>
<地方都市圏快速用1000番台 第2次量産車>

  
  




 89年夏には、3000・5000番台を除く量産車にマイナーチェンジが実施され、第二次形となった。外観上は正面貫通扉をプラグドアとし、側面方向幕をLED化、前面行先方示幕を虚像式としたのが大きな変更点。
 また、1000番台車は側窓が連続窓に改められた。


 足回りでは台車枠がプレス成形となったほか、ブレーキが応荷重・応速度増圧付きとなり、さらに駆動台車・従台車ともに基礎ブレーキ装置が車輪ディスクとなったため、形式がDT71CX/TR271CXに変更されている。これにあわせて、0・500番台車は最高速度が120km/hに向上している。

 パンタグラフは、鍛造合金製で足の長い(ガイシの長い)下枠交差式S−PSX23GS。


 1000番台車には客室のLED案内表示や列車電話も設置されたが、0・500番台車は取付準備工事のみ。

 妻面ドアは全てタッチオープン自動ドアになり、車端部にダストボックスが設けられた他、客室窓ガラスを熱線反射式に変更。冷房装置はIC制御式のECAU78−CXで、予熱機能付き強制換気装置付きとした。


 1000番台車はシートモケットもブルーに変更されているほか、シートピッチも30mm拡大されて940mmとされ、出入口扉幅が1,200mmに変更されている。

 さらに0・500番台車は室内灯がグローブ付きにグレードアップしている。


 LED案内表示器は1000番台一次車・213系に、ダストボックスは0/500/1000番台一次車・213系にも取り付けられた。


 寒地向けの500番台車は、これまで通りクモハ車に雪切室が付いてデッキに簡易仕切が装備されるほか、ワイパデアイサーとパンタグラフ着雪防止装置が追加されている。




 なお、2002年4月改正では、1000番台車は快速「マリンライナー」運用から離脱し、VVVFインバータ制御化を中心とした、大幅なリニューアル改造が行われた。

 → 311系1000番台車 更新改造車


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 普通列車仕様の一般型311系の製造両数は、JR東海311と同一仕様となる5000番台を除き、0番台326両、500番台123両、900番台25両、1000番台48両、3000番台120両の、総勢642両に達し、中京・近畿・山陰・山陽・四国の広範囲で使用されている。

 311系グループとしては、この他にイベント用のオールハイデッカーグリーン車311−S系と、快速ムーンライト用のハイグレード普通車311−L系(いずれも別項参照)がある。




 四国地区では、両運転台化改造のクモハ310形、サハ311形改造のクハ311形の改造車が存在する。クモハ311形については、クモハ310形からの改造車と、クハ311形からの再改造車の2種類が存在する。

 0番台の中間車については、既に先頭車化改造により姿を消した。

 叉、当初装備していたボディマウントは、保守簡略化と必要性の薄さから、後年全ての車両が取り外されている。

 四国では0番台車が高松・松山・高知の各運転所に配置され、予讃線と土讃線の電化区間全線で活躍しているほか、1000番台車は16編成全て高松運転所に集中配置され、快速「マリンライナー」のほか、快速「備讃ライナー」「シルバーラビット」の増結編成としても使用されていた。




 また、四国地区の高松運転所所属の0番台車については、98年からセミクロスシーを転換クロスシートへ取替える改造工事が進み、2000年秋に完了した。
 転換クロス化改造された車両については、側面のライトブルーの帯の下に、ブルーの細帯が追加されている。なお、車番の変更は無い。

 2002年度からは松山運転所在籍車についても同様の改造工事が開始され、2003年夏に完了した。
 高知運転所在籍車両についても、2003年度から工事が始まり、2005年度に完了している。



 四国地区については、後継のEC310系への置き換えが進み、2010年3月14日改正をもって四国島内での定期運用が消滅した。
 余剰車はJRT西日本に売却され、岡山・広島地区のほか、和歌山地区で113系や115系を置き換える形で活躍している。



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