<架空鉄道「JRT四国」のページ>


311系1000番台 近郊形直流電車
更新改造車

311系1000番台リニューアル車



 88年4月の瀬戸大橋開通に伴うダイヤ改正で、瀬戸大橋線快速「マリンライナー」用として、転換クロスシートを備えて登場した車両。1M2Tで213系の増結・パワーアップ用として使用開始した。
 ラインカラーは213系と同じで、窓下の帯がライトブルーとブルーのツートンとなっていた。


 2002年4月のダイヤ改正で、快速「マリンライナー」は基本的に全列車が新型EC300系化され、311系1000番台車はEC300系の点検予備、および繁忙期増結用となった。

 当時でも経年数がまだ13〜4年と比較的新しかったほか、2扉オール転換クロスシートで加えて最高速度は130km/hと、性能/機能とも現在でも十分通用することから、同車に対して大がかりな更新改造を施して延命が図られた。

 更新改造は台車を除いたほぼすべてに及んでおり、以下に列挙する各改造工事が実施された。


(1)フロントデザインと外装の変更

 FRP製(後期形マイナーチェンジ車はGFRP製)のフロントマスクを、全く異なる新しいデザインのモノに交換した。
 この際、新しいフロントマスクは旧タイプよりも150mmほど長くなるため、車体端部を100mm削り取って余裕空間を稼ぎ出している。

 新しい前頭デザインは、プラグドア方式の貫通路を備え、高輝度白色ハロゲン4灯式の前照灯を左右の「おでこ」部分に配し、腰部左右に横一文字のLED式後部標識灯を2灯備えた特徴的なデザインとした。正面貫通路上部には虚像式の列車種別表示器を、貫通路窓の下部には行先表字幕を設置した。

 なお、JRT四国標準仕様の自動幌解結装置を搭載しているため、311系1000/2000番台車の他、同系0番台車の後期形、6000系、それにEC300系との連結・解放作業が全自動化されている。
 また、サイドの連続感を向上させてスマートさをアップさせるため、側窓回りを薄い黒塗装とした。

 従来装備していたボディマウントについては、保守作業簡略化と軽量化の観点から撤去した。

(2)制御機器の更新

 従来は直流モーターを使用した界磁添加励磁制御方式であったが、これを全面的に刷新し、JRT6000系と同じ出力300kwのS−ECMT700RS形交流モーターによる、個別制御式IGBT−VVVFインバータ制御方式とした。
 これは改造コストを抑えるだけでなく、6000系との部品共通化を図ることによって保守コストの低減をも狙ったものである。この考え方に則り、パンタグラフについてもJRT6000系と同じ、シングルアーム式のS−PSS800GSXとした。

 なお、基礎ブレーキ装置とブレーキ方式については基本的に変更はないが、VVVFインバータ制御の特性を生かして本格的な電気停止ブレーキシステムを採用したため、制御方式については若干のプログラム変更を行っている。
 なお、この電気停止ブレーキシステムは、新京成電鉄で採用されているものと基本的に同じであるが、四国での使用実態に合わせて、若干のプログラム変更を行う場合もある。

(3)空調装置の変更

 (2)と同様の考えから、空調装置についても、JRT6000系と同じ半集中式のS−ECAU200−SIVに更新した。
 このため、1988年製の前期型車両については、屋上のベンチレータを撤去した(後期形は当初からベンチレータ無し)。

(4)客室のリニューアル

 客室についてもリニューアルを図り、シートのモケットをこれまでの青系統から薄茶系統に張り替え、天井および化粧板や妻面ドアについても薄茶をベースとしたモノに張り替えた。さらに蛍光灯およびグローブを白熱灯風の暖色系のモノに交換し、従来の明るく開放的な客室から、モダンで落ち着いた室内にイメージを変えている。

(5)その他

 後期形については妻面扉がタッチオープン式の自動ドアとなっているが、前期形についてはスプリング仕込みによる自動閉めドアに変更した。
 冬季のローカル運用に備え、押しボタン式のドア開閉装置を追加した。




 1M2Tの3両編成×16編成(前期形10編成/後期形6編成)ある1000番台車について、2002年6月から順次改造を実施、2004年3月までに全車両の更新改造が完了した。

 当初は快速「マリンライナー」「シルバーラビット」「備讃ライナー」の増結車、および波動予備として運用されているほか、一部宇野線ローカル列車に使用されていたが、2012年7月をもってJRT四国管内の運用は終了し、全車がJRT西日本へ売却され、山陽本線の快速「SUNライナー」などの快速運用を中心に充当されている。



検索サイトから直接来られた方は、ここをクリックしてTopに移動できます