剣  山(つるぎさん)
徳島線 徳島〜阿波池田間
下り6本/上り5本
キハ185系




剣  山6号(左)/5号(右)
徳島線 鴨島駅
2008年5月7日


<概況>

 徳島県北部を吉野川に沿って東西に縦断し、徳島と阿波池田を結ぶ特急列車。

 現在は「うずしお」「むろと」と共通運用の高松運転所キハ185系により、徳島〜阿波池田間に下り6本と上り5本が運転されている。
 このうち、5/8号の1往復は、キロハ186形改造の「ゆうゆうアンパンマンカー」を連結する日があり、当該列車はヘッドマークのデザインが異なる。


 なお、当列車の運転開始に合わせて一部のキハ185系が「剣山色」に塗り替えられたが、実際は優先使用という程度で限定運用というわけではない。






<HISTORY>

 1996年3月16日のダイヤ改正で3往復が登場。徳島〜阿波池田間2往復と、徳島〜高知間1往復。車輌はキハ185系。
 列車番号は21D〜 が振られ、高知直通列車は3000がプラスされた。


登場から間もない頃、高知駅に到着してキハ54形と並ぶ
徳島からの乗り入れのため、貫通幌の位置が
隣のキハ54形と逆になっている点に留意

剣  山1号
土讃線 高知駅
1996年9月9日


 1998年3月14日改正で1往復増発されると共に、下り2本/上り1本が「うずしお」との振り替えで牟岐(一部は普通列車として海部・甲浦まで直通)発着に改められた。
 結果、海部〜高知間上り1本、徳島〜高知間下り1本、甲浦〜阿波池田間下り2本、徳島〜阿波池田下り1本/上り3本の、合わせて4往復となった。
 なお、海部・甲浦〜牟岐間は普通列車となる。また、下り/上りの向きは徳島線基準。


 1999年3月13日改正では「あい」を定期化のうえ統合し、高知直通も2往復に増えた。一方、牟岐直通については下り(徳島線基準)1本を除いて「むろと」に系統が分割された。
 これにより、甲浦〜阿波池田間下り1本、徳島〜阿波池田間下り3本/上り4本、徳島〜高知2往復の、合わせて6往復となった(甲浦〜牟岐間は普通列車)。

 またこれに合わせて、(「南風」との列車番号被りを防ぐため)列車番号が11D〜 からに繰り上がった。高知直通は、従来通り3000番がプラスされるほか、牟岐線直通は1000番プラスとなる。


高知まで乗り入れてきた「剣山色」車

剣  山1号
土讃線 高知駅
2000年1月31日


 2000年3月11日改正で「むろと」1往復が「剣山」化されるとともに高知直通が廃止された。
 結果6往復という全体の数はそのままで、甲浦〜阿波池田間1往復、牟岐〜阿波池田間下り1本、徳島〜阿波池田間下り4本/上り5本という体制となった(甲浦〜牟岐間は普通列車)。


 2002年3月23日改正で、牟岐線末端の普通列車区間で小変更があった。
 甲浦〜阿波池田間下り1本、牟岐〜阿波池田間下り1本、海部〜阿波池田間上り1本、牟岐〜阿波池田間下り1本、徳島〜阿波池田間下り4本/上り5本の、合わせて6往復体制は変わらず(甲浦・海部〜牟岐間は普通列車)。


 2002年10月6日から6往復中の2往復に、キロハ186形を使用したアンパンマン車両(「ゆうゆうアンパンマンカー」)が週末および多客期に連結されるようになった。


 2003年10月1日改正で、牟岐線末端の普通列車区間で小変更があった。
 全体の6往復はそのままで、甲浦〜阿波池田間下り1本、海部〜阿波池田間1往復、徳島〜阿波池田間下り4本/上り5本という体制となった(甲浦・海部〜牟岐間は普通列車)。


 2005年3月1日改正では、徳島〜穴吹間に1往復が増発された。
 これにより、甲浦〜阿波池田間下り1本、海部〜阿波池田間1往復、徳島〜阿波池田間下り4本/上り5本、徳島〜穴吹間1往復の、合わせて7往復となった(甲浦・海部〜牟岐間は普通列車)。


ゆうゆうアンパンマンカーを連結した8号

剣  山8号
徳島線 辻〜阿波加茂間
2005年7月24日

 2008年3月15日改正ではさらに停車駅が増え、徳島〜阿波池田間途中8駅(蔵本、石井、鴨島、阿波川島、阿波山川、穴吹、貞光、阿波加茂)停車が基本となった。
 また、阿佐海岸鉄道の甲浦への直通が廃止された。
 結果、全体の7往復はそのままに、海部〜阿波池田間下り2本/上り1本、徳島〜阿波池田間下り4本/上り5本、徳島〜穴吹間1往復となった(海部〜牟岐間は普通列車)。

 なお、この改正から列車番号が4001D〜 に変更となった。


徳島線内唯一のトンネルを抜ける

剣  山4号
徳島線 川田〜穴吹間
2008年5月14日


線内最長の鮎喰川橋梁を渡る

剣  山6号
徳島線 鮎喰〜府中間
2008年5月14日


 2009年3月14日改正では、海部直通の上り1本が「むろと」に改称された。
 これにより、海部〜阿波池田間下り2本、徳島〜阿波池田間下り4本/上り5本、徳島〜穴吹間1往復の、合わせて下り7本と上り6本の運転となった(海部〜牟岐間は普通列車)。

 この結果、阿波池田〜海部間を直通する列車に限ってみれば、阿波池田発が「むろと1号」、海部発が「剣山3/9号」となり、上下で列車愛称名が異なるばかりでなく、奇数号数のみで偶数号数が存在しないという珍事が発生した。


偽国鉄色の2両編成

(2枚とも)
剣  山5号
高徳線 徳島駅
2010年1月21日


 2010年3月13日改正で、また牟岐線末端区間の手直しが行われた。
 全体の本数はそのままで、甲浦〜阿波池田間下り1本、海部〜阿波池田間下り1本、徳島〜阿波池田間下り4本/上り5本、徳島〜穴吹間1往復となった(甲浦・海部〜牟岐間は普通列車)。


 2011年3月12日改正では、下り1本の甲浦〜阿南間が廃止された。
 結果、海部〜阿波池田間下り1本、阿南〜阿波池田間下り1本、徳島〜阿波池田間下り4本/上り5本、徳島〜穴吹間1往復の、合わせて下り7本と上り6本となった(海部〜牟岐間は普通列車)。


 2012年3月17日改正では、「ホームエクスプレス阿南」上り1本が廃止されたことから、この折り返し運用となる下り3号の阿南〜徳島間が廃止された。
 結果、全体の運転本数に変化はないものの、海部〜阿波池田間下り1本、徳島〜阿波池田間下り5往復、徳島〜穴吹間1往復となり、阿南発着列車が消滅した(海部〜牟岐間は普通列車)。


 2013年3月16日改正では、下り9号の海部〜牟岐間が廃止された。
 結果、牟岐〜阿波池田間下り1本、徳島〜阿波池田間下り5往復、徳島〜穴吹間1往復に変更となった。


 2014年3月15日改正では運転区間の整理が行われて、徳島での系統分割により牟岐線への直通は全廃され、徳島〜阿波池田間6往復と、徳島〜穴吹間1往復の、合計7往復となった。


 2016年3月26日改正では、穴吹折り返しの1往復について、下りは阿波池田まで延長されたが上りは廃止された。
 これにより、徳島〜阿波池田間に下り7本/上り6本の運転となり、車両数を合わせるために朝の通勤時間帯にかかる上り4号が4両編成(全車自由席車)となった。この4号を含めた下り3本と上り2本が全車自由席車となっている。



剣  山8号
徳島線 辻〜阿波加茂間
2017年12月3日


 2020年3月14日改正では、運転時刻に変更はないが全列車に座席指定席車が設定された。


 2021年3月13日改正では、昼間のアンパンマン車両連結列車1往復が廃止されて徳島〜阿波池田間に下り6本/上り5本の設定となり、アンパンマン車両連結列車は1往復のみとなった。
 これに合わせて昼間の一部列車について運転時間帯が変更となっている。


すっかり少なくなったJR四国色車の2両編成

剣  山6号
徳島線 辻〜阿波加茂間
2021年11月15日


 2022年3月12日改正では、特に変更はない。


 2023年3月18日改正では、特に変更はない。


 2024年3月16日改正では基本的なダイヤに変更はないが、「ゆうゆうアンパンマンカー」を連結する「アンパンマン剣山」が2往復に増えている。



<私見>

 5.5往復という本数は、徳島線の優等列車としては充分であると思えるが、近年のJR四国の特急列車の例に漏れず、停車駅はやや多すぎる。

 現在でも意外なほど利用はあるが、それは同線の旅客列車がこの「剣山」以外は遅い各駅停車しかないのと、高速道路がまだほとんど対面通行区間であるなど、「剣山」以外の交通インフラの整備が遅れているためであり、決して「剣山」自体に魅力があるから利用されているのではない。


 個人的な理想案としては、キハ185系または1500形による「快速列車」を徳島線内の速達輸送用に新規に4〜5往復程度運転(所要時間は1時間20分程度で充分)し、それとは別枠で「剣山」は2000系気動車による徳島〜阿波池田・高知間の都市間輸送列車として設定し、途中停車駅も2〜3程度に整理して徳島〜阿波池田間1時間未満、徳島〜高知間も2時間未満で到達させるべきである。





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