快速
サンポート
サンポート南風リレー
予讃線 高松〜多度津・観音寺・伊予西条間
土讃線 高松〜琴平間
下り16本/上り13本
6000系/7000系/7200系


(かつて掲出されていたヘッドマーク)


6000系3両編成

予讃線 坂出駅
2019年5月16日
6000系と7000系の併結4両編成

予讃線 八十場駅
2021年6月14日



概要
HISTRY
前史


<概況>

 予讃線・高松近郊の快速輸送にあたる都市圏快速。
 約70年の歴史と伝統を持つ高松都市圏快速列車の一翼を担う列車である。

 データイムは基本的に予讃線・観音寺発着と土讃線・琴平発着がそれぞれ隔時1本、高松〜多度津間では合わせて毎時1本が運転され、朝夕は毎時2本になる時間帯もある。
 伊予西条発着も設定されているが、土讃線列車も含めて、事実上の快速運転となるのは高松〜坂出間のみで、以遠は各駅停車となる。

 使用車種は7200系を中心に、6000系、7000系も運用され、異系列の併結も多い。


 高松〜多度津間はデータイム31〜34分運転が基本となっており、最速列車は30分(区間表定速度66km/h)で走破する。
 高松〜観音寺間は1時間2分、高松〜琴平間は47分が最速となっている。



<使用車種一覧>
2024.3.16. 改正時点
<下り>
列車番号高松発車種行先
5111M90472ox2多度津
115M(*)101372x2観音寺
5119M111372ox2観音寺
121M(#)(*)121370+71観音寺
125M(*)131370+71観音寺
127M(*)141370x2多度津
131M(*)151372ox2観音寺
135M(*)161372x2+70+71松山
139M171370+71観音寺
141M17567200x4観音寺
143M181460x3+71観音寺
1251M183260x3琴平
5253M191372ox2琴平
5255M195472ox2琴平
151M2013
多度津
155M214572x2+71観音寺
<上り>
列車番号高松着車種始発
114M80460x3+71伊予西条
116M83572x2+71観音寺
122M102370x2松山
126M113372o+71伊予西条
5128M123372ox2観音寺
132M133372x2観音寺
134M143372ox2+70+71多度津
138M153370+72ox2観音寺
142M163370+71観音寺
146M173272ox2観音寺
150M183872x2+71観音寺
154M193572x2観音寺
5254M(&)210472ox2琴平
(*) 高松〜多度津間の最速列車
(#) 高松〜観音寺間の最速列車
(&) 高松〜琴平間の最速列車
72o:7200系ワンマン仕様車
※車種と編成は2022年3月改正時点の物。現状は追って確認。





<HISTORY>

 2002年3月23日ダイヤ改正で、高松都市圏輸送改善の目玉として登場。
 起点である高松港頭再開発地区のネーミングである「サンポート」の名を冠し、予讃線・土讃線とも毎時1本、合わせて30分間隔で運転され、下り20本/上り22本が設定された。


運転開始初日の121系による「サンポート」


(2枚とも)
予讃線 鴨川〜八十場間
2002年3月23日



予讃線 八十場〜坂出間
2002年4月20日


運転開始から間もない頃のキハ65+58の「サンポート」

予讃線 多度津駅
2002年4月21日


121系の4両編成
121系

予讃線 坂出〜宇多津間
2003年8月13日


長らく表定速度最速の座にあった6000系

予讃線 鴨川〜八十場間
2003年9月13日


 2003年10月1日改正で、夜の上り1本(113系)が各駅停車に「格下げ」され、下り20本/上り21本となった。

 使用車種は、113系下り3本/上り4本、6000系下り2本、7000系下り3本/上り1本、キハ65・キハ58系上り1本、これ以外は全て121系。
 但し、使用車種は臨時に変更されることがあり、6000系は7000系が、113系は121系が代走する場合がある。

 なお、7000系は下り1本が松山運転所所属車の運用で、その他は高松運転所所属車となる。


かつて存在した、唯一の気動車による「サンポート」

予讃線 高松駅
2003年10月4日


 2005年3月1日改正では、新幹線の大幅な時刻改正に伴う「マリンライナー」のダイヤ変更があったことから、高松発着時刻基準で見ると、「マリンライナー」「サンポート」あわせてほぼ15分ごとのパターンダイヤとなり、従来に比べて改善が進んだ。
 特に下り高松発は、9:58から17:13までの間、両列車合わせてきっちり15分ごとのダイヤとなっている。
 また、従来上り1本だけ存在していた、鴨川で「マリンライナー」を待避する情けない列車も、この改正でめでたく消えている。


113系第1編成

予讃線 讃岐塩屋〜多度津間
2005年10月10日


6000系

予讃線 丸亀駅
2007年12月23日


 2008年3月15日改正では、新幹線の大幅な変更に伴う「マリンライナー」等の時刻変更を受け、高松〜坂出間での「マリンライナー」との15分間隔のパターンが崩れた。また、従来上り1本のみ設定されていた気動車列車が電車化され、これで全ての列車が電車による運転となったほか、従来1往復のみの設定だった6000系による運用が大幅に増えている。
 スピード面では若干の改善が見られ、特に高松〜観音寺間は最速列車の所要時間がちょうど1時間(129M:6000系)と、あと一歩で1時間を切るところまで来たほか、琴平方面についても多度津などでの停車時間圧縮等により、全体的に所要時間が短縮されている。

 また、宇多津・多度津で「南風」に接続する列車については、時刻表上は「サンポート南風リレー」と表記が改められたが、列車に掲出されるヘッドマークについては、どちらも「サンポート」のみとなっている。
 この場合、従来は宇多津または多度津で「南風」を待つパターンが基本だったが、今改正では全てそのまま逃げ切る(下りの場合)か後を追う(上りの場合)パターンに変更され、「サンポート」としてのトータルでの所要時間短縮に寄与している。


6000系

土讃線 善通寺〜琴平間
2008年3月16日


121系、、、なのだが、取付位置がセンターからちょっとずれている珍しいケース

予讃線 八十場駅
2008年9月25日


7000系

予讃線 八十場〜坂出間
2008年9月26日


 2009年3月4日改正時点での使用車種は、6000系6本、113系7本、7000系4本、121系25本。


 2010年3月13日改正では、下り最終「いしづち」が下り最終「しおかぜ」との併結となったことから運転時間帯がシフトし、下り最終「南風」と接続しなくなったため、救済措置として夜間帯の高松→観音寺間の各駅停車が区間快速化される形で、下り1本が増発された。結果、下り21本/上り22本の上下合わせて43本となった。
 また、コスト削減を目的とした編成短縮施策のあおりを受ける形で車両運用の見直しが行われた結果、113系と6000系の使用列車が減らされ、6000系2本、113系5本、7000系5本、121系31本となっている。


 2011年3月12日改正では、大幅な減量ダイヤとなって、データイムは毎時1本が基本となり、下り16本/上り17本の併せて33本の設定となった。
 車種別では、113系4本、121系19本、6000系6本、7000系4本となっており、従来に比べて121系の比率が下がった。


121系のワンマン仕様車が充当される場合は、
正面の方向幕に快速表示され、代わりにヘッドマークが省略される

2012年11月11日
予讃線 宇多津駅


 2013年3月16日改正では、基本ダイヤに変更はないものの、121系使用列車の一部が113系または6000系に車種変更された。
 結果、車種別の運転本数では、113系7本、121系15本、6000系7本、7000系4本となって、過半数が121系以外で運転されることとなり、快適性の改善が図られている。


113系第2編成

予讃線 本山〜観音寺間
2013年3月20日


 2014年3月15日改正では、データイムの一部列車の短編成化が実施され、113系の一部が121系に置き換わるなどした。
 結果、車種別の運転本数では、113系4本、121系17本、6000系6本、7000系6本となった。


 2016年3月26日改正では、琴平始発の午前の上り1本が各駅停車化されたことから、「サンポート」としての運転本数は16往復となった。


この当時存在した、7000系単行ツーマン運転の快速「サンポート」(127M)

予讃線 鬼無〜端岡間
2017年9月13日


ヘッドマークが省略される7200系の場合、正面LEDは低速シャッターでないと
表示が切れるため、走行写真で「快速 サンポート」を綺麗に撮るのは難しい

予讃線 高松駅
2017年10月11日


通常は掲出されない「サンポート」ヘッドマークを掲げた7200系

予讃線 宇多津駅
2018年3月8日


121系ワンマン仕様車もヘッドマークを掲げて運転されることがあった

予讃線 海岸寺〜詫間間
2018年8月19日


 2019年3月16日改正では、113系の定期運用離脱に伴って同系で運転される列車が消滅。
 代わりに(?)6000系と7100形の併結4両編成が登場しており、この組み合わせての定期列車は8年ぶりの復活(快速「サンポート」としては初)となった。
 一部運行体系の変更も行われ、下り17本/上り14本となった。


2019年3月改正で登場した、白昼堂々異系列併結4両編成で走行する快速「サンポート」(138M)

(2枚とも)
予讃線 讃岐塩屋駅
2019年6月6日


2019年3月改正時点で表定速度最速(66km/h)の129M

予讃線 国分〜讃岐府中間
2019年6月12日


同じ改正で登場した、6000系+7100形の伊予西条行「サンポート」

(2枚とも)
予讃線 鴨川〜八十場間
2019年6月20日


7200系上り方に7000形を連結した3両編成

予讃線 国分駅
2019年6月24日


 2020年3月14日改正では、高松地区データイムパターンダイヤ化の影響により、下り2本上り1本が各駅停車化され、運転本数は下り15本/上り14本となった。


Covid-19の影響により、一時的に復活した単行ツーマン運転の「サンポート」

予讃線 讃岐塩屋〜多度津間
2020年10月1日


 2021年3月13日改正では、特に変更はない。


7200系4両編成の「サンポート」は意外と少なく、
2021年3月改正時点ではこの1本のみ

予讃線 八十場駅
2021年6月14日


 2022年3月12日改正では、夜間の下り琴平行各駅停車1本が快速化され、全部で下り16本/上り13本の設定となった。


もはや「四国名物」となっている動力集中推進運転の「サンポート」

予讃線 八十場駅
2022年6月22日


方向幕がLED化された6000系第1編成による「サンポート」

予讃線 高松駅
2022年12月29日


2023年3月改正を目前に控えて出現した、7000系の「快速」幕+「サンポート」ヘッドマーク
7000系の前面方向幕一斉交換に伴う、過渡的措置であった模様

(3枚とも)
予讃線 讃岐塩屋駅
2023年3月8日


 2023年3月18日改正ではダイヤ・車両面は特に変更はないが、6000系および7000系に掲出されていた「サンポート」のヘッドマークの掲出が無くなった。
 これに合わせて、7000系は正面の方向幕の交換を行い、幕で快速表示を行うようになっている。
 6000系も今改正と前後して正面方向幕をLED化してる。

ヘッドマーク掲出が無くなり、ちょっと寂しくなった「サンポート」
もっとも、7200系は元々無かったが・・・・(

予讃線 鬼無〜端岡間
2023年4月3日

予讃線 讃岐塩屋駅
2023年4月6日

予讃線 讃岐塩屋駅
2023年4月6日

予讃線 鴨川駅
2023年6月26日

予讃線 鴨川駅
2023年6月26日

予讃線 端岡〜国分間
2024年4月18日




<前史>


 現在の快速「サンポート」の直接の前身といえる列車が登場したのは、1989年7月22日改正であった。

 このときの改正で、宇多津・丸亀・多度津駅で特急「しおかぜ」「南風」に接続する普通列車について、原則として高松〜多度津間を快速運転とした上で、それぞれ「しおかぜリレー号」「南風リレー号」という愛称が付与され、時刻表上もそのように表記された。
 当初は試行的な意味合いがあったのか、列車番号は7000番台が付与され、運転区間は高松〜多度津間のみ、本数についても「南風リレー」下り1本/上り2本と「しおかぜリレー」下り1本の、合わせて2往復のみであった。
 ヘッドマークも掲出されたが、特に両者を区別せずに「快速 リレー」の長方形のヘッドマークが列車の前後貫通扉部分に掲出された。


運転開始当時のJR四国版ポケット時刻表より
運転開始当初は高松〜多度津間が快速運転とされ、讃岐塩屋は通過していた



 その後はダイヤ改正の度に、特急列車の運行形態に合わせて本数の増減や運転区間の延長、また運行ダイヤの変更などが行われた。
 使用車種は121系を中心に7000系も使用された。

 運転本数の詳細な推移については、「四方山話」−「高松都市圏快速列車の歴史」 を参照。


「快速 リレー」のヘッドマークを掲げた121系4連

予讃線 高松駅
1991年7月29日


7000系を使用した「南風リレー号」

予讃線 讃岐塩屋〜多度津間
1993年1月2日


 1993年10月1日改正で下りの「しおかぜリレー」のみが讃岐塩屋に停車するようになった。


 1994年12月3日改正から、ようやく通常の列車番号に改められた。


 1997年11月29日改正では下りは「しおかぜリレー」に加えて、「南風リレー」4本の内の1本が讃岐塩屋に停車するようになった。
 なお、上り列車については全てが讃岐塩屋を通過していた。


 1998年3月14日改正で特急「いしづち」が日中完全毎時1本の運転となったことから「しおかぜリレー号」が消滅。
 このときにヘッドマークデザインが「南風リレー」に変更となった。
 使用車種には121・7000系に加えて6000系、さらに2000年からは113系も充当されたが、113系の場合はヘッドマークは使用せずに正面の方向幕に「南風リレー」と表示していた。
 讃岐塩屋については、下りが4本中2本、上りは7本中2本のみ停車。


「南風8号」(左)と並ぶ121系の「南風リレー」(右)

予讃線 多度津駅
2000年5月7日


121系4連の「南風リレー」

予讃線 八十場駅
2001年6月16日


宇多津で「南風9号」と並ぶ、113系第3編成の快速「南風リレー」

(2枚とも)
予讃線 宇多津駅
2001年9月15日


113系第3編成の快速「南風リレー」
同系は2000年4月の登場なので、「快速 リレー」の幕を掲出した実績は無い

予讃線 高松駅
2001年9月16日

 この間、讃岐塩屋停車列車の数については以下の変遷を辿っている(快速運転の「南風リレー」のみカウント)。

 1998年10月3日改正=下り4本中2本、上り6本中3本
 1999年3月13日改正=下り7本中3本、上り10本中4本
 2000年3月11日改正=下り7本中3本、上り8本中1本
 2000年10月1日修正=下り7本中3本、上り8本中2本
 2001年3月3日修正=下り7本中3本、上り9本中3本
 2001年10月1日修正=下り7本中2本、上り9本中3本


 2002年3月23日改正で、これらリレー快速を発展解消する形で、快速「サンポート」が設定された。
 なお、「サンポート」は設定当初から全列車が讃岐塩屋に停車し、快速区間は事実上高松〜坂出間のみとなっている。




<私見>

 2002年3月の改正で登場した同列車だが、時期的に言って設定があまりにも遅すぎる。

 予讃線の高松近郊区間は、国鉄時代から伝統的に快速列車の設定があり、特に1985年3月改正での快速列車大増発は、多くの利用客から好評を持って迎えられた(はずだ(^^; )。
 しかし民営化以後の普通列車の増発は各駅停車が基本とされ、これら快速列車は基本的に全て姿を消してしまった。

 このこと(快速の各駅停車化によるスピードダウン)が近距離客の鉄道離れを招いたのは紛れもない事実で、実際私でも例えば観音寺から高松まで各駅に停まるのかと思うとかなり気が滅入る(当然遅いし)。

 私的にはこの手の快速列車は10年以上前に設定しておくべきであったと思える。
 本来なら85年3月改正で設定した快速はそのまま電車化の上で引き継いで、それと別枠で快速を補完する各駅停車を増発するべきであったろう。


 また、使用車種にまとまりがないのも少々いただけない。
 完全に運用を分離できないのも判らなくもないが、せめて快速運転に充分耐えうる車両を優先的に使うようにして欲しい。

 以前はは半数以上の列車が121系で運転されて、特に下り列車は性能をほぼフルに引き出した気合いの入った走りを見せているが、121系で気合いを入れて走られると、相当五月蠅い上に乗り心地も最低極悪で、その上小柄な女性でも膝がつかえるほどの狭苦しいクロスシートで、本当に勘弁して欲しい。はっきり言って、こんな車両は快速に使うべきではない。
 私も「サンポート」利用時は121系列車は極力避けていた。

 許容できる最低レベルは113系更新車だったが、これとて最高速度は100km/h止まりなので、出来れば6000系と転換クロス化改造した7000系の限定運用にして、最高速度も110km/hとしたい。


 理想的には「サンポート」専用の転換クロス車を数編製揃えて、基本的に限定運用にし、最高速度も120km/hにすることだが、、、、これは多分無理だろうな(^^;
 しかし、運転区間を高松〜琴平・観音寺間に限定して上手くダイヤ設定すれば、5〜6編成もあれば運用がまかなえるわけであり、検討に値すると思うのだが・・・・


 また、讃岐塩屋は現状データイムでも毎時4本前後の列車が停車するが、はっきり言ってこれは少々過剰なので、同駅は「サンポート」の一部は通過させたい。


 高松〜多度津間は各駅停車を単行または2両で毎時2本、「サンポート」もデータイムはせいぜい2〜3両にしてこれも毎時2本で充分であろう。
 その上で、快速と各駅停車の乗車率均一化を図るために、「サンポート」と各駅停車は坂出または多度津で、緩急接続するように調整するべきであり、各停といえども少なくとも高松〜坂出間程度の距離は快速や特急から逃げ切って欲しい。


 また、現在では運転時間帯が基本的に下り10時以降/上り9時以降となっているが、もちろんこれもラッシュアワーも含めて終日に拡大するべきである。
 朝の通勤時間帯に上り2本の設定があるが、はっきり言ってこれは単なる「小駅通過の普通列車」であって、「快速列車」と呼べるような代物ではない。国鉄時代の「普通列車」は、香西・府中・八十場は通過するのが当たり前だったのだ。


 2008年3月改正では、せっかく2005年3月改正で実現した「『マリン』と合わせて15分ヘッド」が解消されてしまって少々残念だが、「サンポート」としての所要時間面での改善が見られたことは評価に値する。





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