5000系 近郊形直流電車


予讃線 高松駅
2008年10月27日


2階建て先頭車5100形の内、M1編成の5101形
だけは、電気連結器を装備している

予讃線 八十場〜坂出間
2008年9月24日


詳細画像

5100形の座席番号表




 1987年に快速「備讃ライナー」として登場し、翌88年から快速「マリンライナー」となって瀬戸大橋線の主力として活躍していた213系であるが、多少経年劣化と相対的な性能低下が目立っていたほか、瀬戸大橋線利用客の減少傾向に歯止めをかける狙いもあって、「マリンライナー」用の新型車両を投入することとし、そのJR四国保有分として登場したのが5000系である。


 京阪神地区新快速用として活躍している223系2000番台車をベースに、貫通路を使用することを前提として貫通幌が装備されている一方、2000番台車で採用されていた内倒れ式の側窓は廃止されている。
 その他の基本的な車体構造や客室、走行装置などは223系2000・5000番台と同一で、最高速度は130km/h。

 3両編成×6本の合わせて18両が登場し、2003年10月のダイヤ改正で営業運転を開始した。


 ダブルデッカー構造となる、高松方先頭車の5100形は、2004年にJR四国の車両として初めて、鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した。

 しかし先頭のダブルデッカー車は、首都圏の2階建グリーン車に運転台を付けただけと言ってよいシロモノで、グリーン車のシートピッチは特急列車の普通車より2cm広いだけの1mで、以前のクロ212の1.3mに比べると大幅なグレードダウンとなっており、往時を知る地元民からはいまだにその点についての不満が聞かれる。



 なお、ダブルデッカー車はサイドのカラーリングに二種類があるほか、後端部のロゴマークも3種類がある。
 さらに、前位側の電気連結器は5001形のみ装備され、他の5両は準備工事のみとなっている。

 これらの対応は↑の「詳細画像」を参照。


編成番号と車番の対応表
←高松方岡山方→
M1編成510152015001
M2編成510252025002
M3編成510352035003
M4編成510452045004
M5編成510552055005
M6編成510652065006



新製回着時の様子


予讃線 高松駅
2003年7月17日

 川崎重工を出場し、岡山機関区のEF65−1032に牽引されて高松に到着した、M1編成の5001形ほか合わせて6両。
 残りの6両はこの後7月30日に四国に回着している。

予讃線 高松駅
2003年7月17日

 ベニヤ版で通路が塞がれ、EF65との連結用に自連が装備された、5201形の2エンド側。

予讃線 高松駅
2003年7月17日

 5100形の非公式側側面。

予讃線 高松駅
2003年7月17日

 5000形と5200形の連結部。
 妻面側は本来は半永久連結器だが、これも輸送のために仮の密連に交換されている。また、連結部の幌は繋がっていない。

予讃線 鬼無〜端岡間
2003年7月26日

 此方は東急車輌を出場して、新鶴見機関区のEF65−1005の牽引で高松へ向かう5100形6両。

予讃線 鬼無〜端岡間
2003年7月26日

 通常は見られない、5100形の妻面。
 高松回着後は、此方に機関車を付け替えるため、連結器が仮の自連になっている。

予讃線 高松〜香西間
2003年7月26日

 高松駅で機関車を付け替え、高松運転所に入場する5100形。



営業開始前の試運転の様子
(223−5000系側の画像は223−5000系の項を参照)
試運転列車9196M

予讃線 八十場〜坂出間
2003年9月13日

 通常営業列車と同じ5両編成で走行する試運転列車。

予讃線 宇多津〜坂出間
2003年9月14日

予讃線 国分〜讃岐府中間
2003年9月19日

 国分カーブを行くM2編成試運転列車。
 この日は5000系単独での3両編成。


予讃線 多度津〜海岸寺間
2003年9月19日

 試運転では多度津〜海岸寺間にも乗り入れている。

予讃線 讃岐塩屋〜多度津間
2003年9月19日

 金倉川を渡る試運転列車。

予讃線 高松駅
2003年9月19日

 多度津行の臨時表示で213系「マリンライナー」と並ぶ。




形式名5100形5000形5200形
製造元東急車輌川崎重工 兵庫工場川崎重工 兵庫工場
製造両数666
形式写真車体
 ダブルデッカー構造となる下り向き先頭の付随制御車。
 階下席が普通車指定席、その他がグリーン席となる。

 上の画像は、上が5102形、下が5106形。
 主電動機とインバータ発電装置を搭載する上り向きの先頭車。

 JRマークの色がライトブルーとなる以外は、クモハ223形5000番台と同一仕様である。
 中間付随車。
 走行関係機器を搭載していないので、新「マリンライナー」編成中もっとも軽量。
屋根上
 5100形の屋根上。
 車体寸法が車両限界ほぼいっぱいのため、寝台客車や、他の2階建て車両と同様に両端部に冷房装置を搭載。
 列車無線アンテナと信号煙管は、後位側冷房装置の後ろ(車両最後端)に搭載されている。
 後位側冷房装置の上から、列車無線アンテナがちょこっと頭を出しているのが見える。
 電動車・5000形の屋根上。
 基本的に223系と同じで、ダブルパンタ対応準備工事済み。
 そのため、列車無線アンテナが車両中央部に搭載されているのが特徴。
 冷房装置以外の機器類を搭載しない、シンプルな5200形の屋根上。
寸法
( )内車体寸法
20,860
(20,460)
20,100
(19,670)
2,9002,950

( )内屋根高さ
4,070 4,030
(3,640)
台車中心間距離14,150 mm13,800 mm
パンタグラフ
折り畳み高さ
4,120
重量 (t)41.341.127.0
車体ステンレス
電動機形式
出力
S-MT63 (?)
220kWh × 4
歯数比6.53
ブレーキ方式 回生ブレーキ併用
抑速ブレーキ付き電気指令式空気ブレーキ
ブレーキ装置車軸ディスク+踏面片押踏面片押車軸ディスク+踏面片押
台車形式S-TR64S-DT63S-TR63
軸距
車輪直径
2,100 mm
860 mm
パンタグラフ形式S-PS63
補助電源 150kVA 静止型
WPC10 同等品
空気圧縮機 WMH3098-WRC1600
1600l/min
冷房装置
20,000 kcal × 2
WAU705A 同等品(キセ形及びファンの形状が異なる)
20,000 kcal × 2
客室暖房装置
許容最高速度130km/h
加減速度 加速度 2.5km/h/S
常用最大減速度 4.3km/h/S
非常減速度 5.2km/h/S
車体構造・客室2扉リクライニングシート3扉転換式クロスシート
ドア幅 720 mm × 1
860 mm × 1
1,300 mm × 3
シートピッチ グリーン席:1,000 mm
普通席: 970 mm
910 mm
床面高さ 2階:2,212mm
1階:335 mm
平床:1,165 mm
1,130 mm
乗車定員 グリーン:36
普通:34
座席:48
(補助席使用時:
64)
立席:82
(補助席使用時:70)
合計:130
(補助席使用時:134)
座席:56
(補助席使用時:
72)
立席:85
(補助席使用時:73)
合計:141
(補助席使用時:145)


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