型 録(外 観)


 2000系気動車の各形式の写真などを集めてみた。サムネイルをクリックすると、より大きな画像が表示される。

 2000系気動車には現在「試作車」「量産車」「改良型」「改良型量産車」の4タイプ6形式が存在し、12種類のバリエーションを持つ。試作車は量産車が登場したあと、若干の改造工事を受け、外観・内装が一部変化している。

 1989年の登場以降、10年間に渡って改良を重ねながら量産が続けられたあたり、この車輌の基本性能がどれほど優れているか、又この車輌が現場・旅客の両サイドからいかに歓迎されているかが解ろうというものである。

 なお、98年3月のダイヤ改正で、N2000系は全車が高松運転所に集中配置された。


 最近は出入口ドアが窓の小さいタイプに更新された車両が増えつつある。
 これについてはマニアックネタを参照されたし。


 2005年3月に、土佐くろしお鉄道・宿毛駅で発生した事故のため、高知運転所の2008形と2218形が同月末を持って廃車され、2000系として初めての廃車発生となってしまった。







試作車(TSE)
量産車
N2000系 先行量産車
N2000系
足回り・下回り
屋  根
その他車体関係
ヘッドマーク





試作車
(TSE:Trans Shikoku Experimental)


 1989年に登場。
 連結器は登場時は従来型気動車タイプの密着自動連結器だったが、現在は量産車同様の電車タイプの密着連結器に変更されている。
 座席のモケットは登場時はパステルカラー調のもので各車で色が異なっていたが、現在は量産車のものと同じ図柄のものに張り替えられている。

 最後は予讃線の「宇和海」に充当されていたが、2018年3月改正をもって定期運用を離脱した。
 2021年現在、中間の2201形は既に解体されたが2001形と2101形は多度津工場内で保存されている。


 なお、このTSEは車体妻面の製造銘板の製造年が、本来平成「元年」となるべきが「平成1年」と記載されている


〜TSEの運用変遷〜

 1989年3月11日改正〜 季節「南風」「しまんと」
 1990年11月21日改正〜 「しおかぜ」増結編成(編成逆向き)
 1992年7月23日改正〜 「しまんと」「あしずり」
 1999年3月13日改正〜 「うずしお」
 2001年3月3日改正〜 「うずしお」「ミッドナイトEXP高松(*)」
 2003年10月1日改正〜 「いしづち」「宇和海」
 2005年3月1日改正〜 「宇和海」
 2018年3月17日改正 定期運用終了

 (*)正確には2000年8月17日から不定期「ミッドナイトEXP」として運転開始。当時は翌朝折返しが「いしづち92号」であったが、2001年3月改正で定期化のうえ翌朝折返しが「うずしお」化された。

TSE 2001
2001形

 下り向きの非貫通形制御車。量産車と異なり全室普通室で、登場当初は車端部にAV機器を搭載していたが、1990年秋から冬にかけての量産化改造工事で撤去された。ヘッドマーク掲出器やイエローのアクセントが無いなどが外観上の量産車との相違。
 登場当時は前面に大きな連結器カバーが付いていた。

TSE 2101
2101形

 2000形の反対側に連結される先頭車で、通り抜けのための貫通扉を持つ。車端部分にAVコーナーとソファー席を備えていたが、いずれも量産化改造時に撤去され、通常の座席が増設されている。
 量産型とはかなり異なるフロントデザインが特徴で、一時期貫通扉の部分に「南風」「しまんと」のヘッドマークが取り付けられていたが、現在はヘッドマークの取り付けは行われていない。
 また、登場時は正面貫通扉は両開きの2枚扉だったが、量産化改造時に1枚扉に変更されて、それも現在では閉鎖されていて貫通路を開けて使用することは無い。

TSE 2201
2201形

 2000系中唯一の運転台を持たない中間車。量産型とは異なり、乗務員室や車販基地の他電話室も備えるため、定員が量産型より12名少ない。
 他の試作車同様、登場当初搭載されていたAV機器は撤去されている。

↓当初のもの
(1989年5月2日)

↓剥がれはじめ
(2001年9月17日)


↓晩年は完全に剥がされたが
↓うっすらと文字が見えた
側面「TSE」ロゴ

 車体側面には「TRANS SHIKOKU EXPERIMENTAL」の文字が貼付されていた。
 最晩年の「宇和海」運用の頃には剥がされてしまっていたが、うっすらと剥がした跡が見えていた。


 手持ち画像を見ると、「うずしお」運用時はまだ貼付はされていたが一部が剥がれはじめ、「宇和海」運用に転じた2003年以降はさらに剥がれが酷くなり、その後しばらくして完全に剥がされてしまったようである。



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量 産 車


 1990年登場。1993年までの3年間に61両が製造され、予讃・土讃線の全特急列車に主力として投入された。

 2019年10月当時は、松山在籍車2両と高知在籍車7両の、合わせて9両が「アンパンマン」カラーとなっていた。


 飾りっ気のあまり無いシンプルなデザインだが、逆にそれがカッコいいという声多し。
 特に貫通型先頭車のデザインは優秀だと思う。

 アンパンマン車両の外装についてはこちらを参照。


 製造年次による仕様の違いはほぼ無いが、目立つ相違点としては、妻面部分の排気管の長さが第1次量産車と第2次量産車以降で異なっている(詳細は↓「屋根」の項参照)。

 これまでに2両の事故廃車が発生しており、2005年3月2日の宿毛駅特攻事故により、2008形と2218形の2両が2005年3月31日をもって廃車処分となった。


 2700系の増備で廃車が進み、2021年時点で既に2000形と2200形は定期運用を離脱してほぼ全車が解体済みとなっている。

2006形


2000形

 非貫通形制御車2000形の量産車は前寄り半分がグリーン室となり、後ろ寄りデッキには車販基地と列車電話を備えていたが、現在車販基地は閉鎖されて電話も撤去され、その場所には自販機のみが設置されている。
 試作車も含め、2000系の頭脳とも言える振子指令装置を搭載する。

 土佐くろしお鉄道所属車は2030形を名乗る。

 細かい点では、登場当初は装備されていた運転台側の電気連結器が、94年から96年にかけて撤去されている。ただし、土佐くろしお鉄道の2030形は現在も運転台側にも電気連結器を装備している。
 これについてはマニアックネタを参照。


 なおグリーンマークは、当初は運転席側ドア横の1ヶ所だけに貼られていたが、近年はグリーン室と普通室の窓の間にもう一つ貼付されている車両もある。


 2021年3月13日改正をって全車が定期運用を離脱して解体された。

2100形

 貫通扉を持つ制御車だが、振子指令装置を持たないため、原則として2000形とは反対向きに連結される。
 その前面スタイルは特急形らしい華やかさには欠けるが、落ち着いたスマートで飽きのこないデザインはなかなか好評である。

 土佐くろしお鉄道も1両保有しており、2130形を名乗っている。


2150形

 運用の都合上、2100形に振子指令装置を搭載した車両が必要になったために製造された車両で、通常は2100形とは反対向き、2000形と同じ向きに連結される。実際、2000形が点検で工場に入場した際等にピンチヒッターを努めることもある。

 この2150形は、JR四国のみの保有となる。

2200形

 便・洗面所も振子指令装置も乗務員室も何も持たない中間車で、定員は2000系中最大の68名。車体両端部の出入口ドアの間は全て客室で、ある意味では2000系中最もスマートな車両ではなかろうか?(^^;

 製造両数は18両にとどまり、ゾロ目が見れなかったのがちょっと残念(^^;

 このほかに土佐くろしお鉄道も2両を保有、2230,2231形となる。


 2021年3月13日改正をもって全車定期運用から離脱した。




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改良型先行車
(N2000系)

 高徳線高速化をにらんで、エンジン・ブレーキなどの足回りを中心に改良が加えられたモデルチェンジバージョンで、1995年に登場。

 2000系量産車をベースにして開発された8000系電車の技術が台車・ブレーキ装置などにフィードバックされており、最高速度が130km/hに向上している。ただし、従来型量産車と混結して使用される場合は、最高速度は120km/hとされている。
 エンジンは量産車と同形式ながら、量産車の330PS×2から350PS×2にパワーアップしている。

 登場当初は、前面の貫通扉が赤く塗装されていたほか、側面の出入り口扉の上側2/3が赤色塗装となり、また車番表記も従来の青から朱色に変更されていた。
 さらに、冷房装置の冷媒には代替フロンが採用されている。

 98年の夏に2458形が、また99年の年末には2424形について、いずれもN2000系量産車と同じ塗装に変更された。


 2両とも新製以来高松運転所の配置で土讃線と高徳線で使用されていたが、2021年3月13日改正をもって松山運転所に転じ、「宇和海」に充当されている。


↑登場時の塗色

現在の塗色↓
2424形
2424形

 2400形2100形の改良型にあたり、型式番号(百の位)は300番がプラスされているが、製造番号(一・十の位)は2100形の続番が付与されている。

 またこの車両は、2000系としては初めて車椅子対応設備を備えている。
 2424形の1両のみ存在。



 左写真上が95年の登場時の塗装(と言っても側面部分は単なるテープだが)、下が現在のN2000系量産車と同じ塗装。

↑登場時の塗色

現在の塗色↓
N2458
2458形

 2150形の改良型で、振子指令装置を搭載する下り向き先頭車。
 客室設備は2150形と同一。

 2458形の1両のみ存在する。


 左写真上が95年の登場時の塗装、下が現在の塗装。





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改良型量産車
(N2000系)

 上記N2000系の量産車バージョンとも言うべき車輌で、足回りや駆動系は共通。
 97年の夏に中間車2両が先行的に登場、97年度末には先頭車が出そろい、高徳線特急「うずしお」等に投入された。

 形式名は、量産車をベースに300番が付番され、製造番号については続番となっている。

 車体側面が青と赤の派手なツートンカラー(車体に向かって左側が必ず青になる)となっており、すぐに識別できる。

 現在は主に高徳線特急「うずしお」の岡山・高松〜徳島間に運用されており、牟岐線には乗り入れていない。
 土讃線の「南風」「しまんと」「あしずり」にも量産車の点検代走や増結などで使用されることもある。
 予讃線は、平日の「モーニングEXP高松」とその前夜の「ミッドナイトEXP高松」で運用されている。


 登場以来2018年まで全車が高松運転所に集中配置されていたが、松山配置だったTSEが2018年3月改正をもって定期運用を離脱したため、その代替として3両が松山に転属した。
 その後も2700系の増備により置き換えが進み、2021年3月改正をもって、全車が松山運転所の配置となって「宇和海」に充当されている。

N2400R
2400形

 2100形の改良型で、振子指令装置を搭載しない上り向きの貫通型制御車。
 身障者用設備を備えるなど、客室や足回りは2424形と同一で、型式番号も続番となっている。


2450形

 2150形の改良型量産車。
 振子指令装置を搭載し、下り向きに連結される。

 客室設備や足回りは2458形と同一で、同様に型式番号も続番となっている。

↓ドア更新車
N2500
↓原型の大窓ドア車

2500形

 2200形の改良型、客室は2200形と同一だが、カーテンがプリーツタイプとなる点やシートのカラー、それに通路部分の処理が異なる。
 製造番号は2200形の続番が付与され、2520から始まっている。

N2000系フロントロゴマーク正面ロゴマーク

 N2000系先頭車の正面運転台側に描かれているロゴマーク

N2000系ロゴマーク側面ロゴマーク

 N2000系先頭車の後位側車体側面に描かれているロゴマーク

 素人目には、鳴門の渦潮と四国の「S」をもじっているように見える。





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足 回 り・下 回 り

 1984年から85年にかけて381系を使用して湖西線で実施された試験結果を元にして開発された、ボルスタレス式の振子台車。
 振子装置はコロ式を採用しており、構造や支持方式など、以後の制御付振子台車の基礎となった。

S−DT56形振子台車(試作車)

 試作車が履いている振子台車。台車枠は溶接構造になっている。中央部の車体と台車を繋いでいるものは、車体の動揺を抑える「ヨーダンパ」と呼ばれもので、振子制御シリンダではない。


 2001形後位側台車の銘板
 「S−DT56”−2”」が正式名称。
台車単体の状態


運転台側はステップ付き



先頭車後位側



中間車


S−DT56形振子台車(量産車)

 量産車が履いている振子台車。形式は同じだが、台車枠がプレス構造になって見た目がすっきりしている。
 運転台側の台車は、車体傾斜時に乗降ステップが台車と干渉するのを避けるために、台車枠の方にステップが設けられている。


 2009形後位側台車の銘板

 やや不明瞭だが、2152形の前位側台車の銘板

 2208形の台車の銘板


 なお末尾の数字は、先頭車前位側台車が「−1」、同後位側が「−2」、中間車が「−3」となっている。
運転台側



後位側
S−DT61形振子台車

 N2000系が履いている改良型。ブレーキ装置が新幹線と同じ車輪ディスクになったので、車輪の側面が光って見えるほか、従来台車枠に付いていたブレーキシリンダーが無くなったため、すっきりした外観になった。
 8000系電車のS−DT60形に似ているが、車体を支持する枕ばね(車体と台車の間にある円筒形の空気バネ)がS−DT60より若干大きい。

 軸箱受バネ(車軸箱の両脇に付いているバネ)が、量産車のゴムブッシュからコイルスプリングに変更されている。

 運転台側の物は前位端が大きく延長され、さらにその先にATS車上子が取り付けられている。

↓2103形前位側

↓2103形後位側

↓2155形前位側

↓2155形後位側
S−DT69形振子台車

 2018年末から、2000系置き換え用として登場した2700系と同型で形式名違いのS−DT69形台車を装備した車両が出現している。
 当初は高松・松山・高知の各運転所配置車から少数が選定され(2019年初時点で2103/2117/2151/2153形の4両)て、台車換装改造を受けて通常の運用に就いている。
 なお、2700系の台車は見た目・形はコレとほぼ同じだが、形式名はS−DT70を名乗っている。


 2019年7月12日に全般検査を終えて出場した2118形(高知所属)が、S−DT69形に換装されているのが新たに確認された。

 2019年9月29日に、高知運転所の2155形も換装済みなのを確認
 これで換装済み確認車は8両(2103/2117/2118/2123/2151/2153/2155/2156)となり、今後も2700系に置き換えずに継続使用される車両に波及するものと思われる。

 2019年12月に2121形も換装済みなのを確認。
 撮影6日前の12月23日に工場出場したばかりの模様で、まだ綺麗な状態。

 2020年8月4日には、予讃線5代目アンパンマンの2152形も台車換装して検査出場し、これで換装車両は10両となった。


 2155形後位側台車の銘板
 さすがにもう富士重工は車輌製造から撤退したので、川崎重工の手によるものとなっている。


SA6D−125H

 量産車に搭載され、定格出力330PSを発揮する直列6気筒直噴式インタークーラーターボ付きの小松製SA6D−125H形エンジン。


 上が車輌に搭載された状態、下はエンジン単体の状態。



量産車ディファレンシャル

 エンジンからの回転力を車軸に伝えるディファレンシャル部。
 台車の構造上の関係から1軸駆動となるため、ドライブシャフト共に相応の強度が要求される部分。

 踏面ブレーキ式のブレーキシューは、特殊鋳鉄制輪子が使われている(はずだ(^^; )。
 アンチロックブレーキは未装備。


 このギアが付いている側については、左右のブレーキを繋ぐバーがこの部分を避けるように湾曲している。




↓試験動作中の様子
振子サーボシリンダ

 台車中央付近に組み込まれている、振子作動用サーボシリンダ。

 空気圧によって動作する。

振子抑止ダンパ

 サーボシリンダの反対側には、振子の過度な動きを抑制するためのダンパが付いている。
量産車ホーン

 量産車の運転助手席側床下に装備されているホーン。

 2000系量産車は、通常のホーンとホイッスルを同時吹鳴する、やや独特の方式。

 2000系量産車のホーン(WAV形式:480KB)



連結器

 連結器部分。

 自動解結付き電気連結器併用密着連結器を採用
 登場時は気動車で密着連結器というのは他に例が無かった。

 電気連結器は、ユタカ製作所製IC118形。

ATS車上子

 先頭車の前位側台車前端に取り付けられている、ATSの車上装置。

 JR四国タイプのATS−SS形にのみ対応する。
 2000系の頭脳でもある、振子指令装置に位置情報を伝達するための、ATS地上子情報を取得するための非常に重要なアイテムでもある。
TSEの2101形と
2201形の連結部
(1990年12月25日)


2115形の妻面
アンチロールバーが
はっきり写っている
(1993年2月13日)


量産車の2215形と
2116形の連結部
(1993年2月13日)


高松運転所構内で留置中の
2100形
(1996年4月28日)


2200形(ナンバー不明)と
N2424形の連結部
(1996年9月6日)


N2520形と2100形
の連結部
(1997年9月20日)
アンチロールバー

 2000系は、かつては中間連結部に横揺れ抑止のアンチロールバーを装備していた。

 少なくともTSEと量産車、それにN2000系先行車までは装備していた模様であるが、N2000系量産車から採用を止めたと見られ、その後は順次撤去が進んだようだ。


 当初は比較的長編成も多かったが、「しおかぜ」運用のほとんどを8000系に譲った後は編成も平均して短くなって先頭車の比率が高くなり、また連結・解放の機会が非常に多くて煩雑なことから、使用を止めて撤去されたのではないかと想像される。




(参考)
 1991年保育社刊行の「JRの特急列車V」に掲載された、2000系量産車のアンチロールバー。
 




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屋  根

 2000系の屋根上。

 セパレートタイプのユニットクーラーが2基と、その前後&真ん中にベンチレータが合わせて3基というのが基本セットで、これが標準タイプ。
 もちろん、先頭車ならこれプラスさらに、列車無線アンテナと列車防護用の信号煙管が載っている。

 クーラーから伸びているのは、床下に搭載した室外機との間を結ぶダクト。
 このダクトの長さは、2000形とN2400形を除いた全形式で、前後で長さが異なっている。

 クーラー上面には「ノルナ」と朱書きされたテープが貼られている、、、、と言うことは、ここに乗ってしまう人がたまにいるということか(^^;


 妻面側の排気管については、TSEは車体埋め込みで屋根と同じ高さとなっているが、第1次量産車以降は車体外部取付となって屋根よりも出っ張る程度の長さに延長された。
 但し第1次量産車については、ごく初期の車両は出っ張りがかなり小さく、それ以外も排気管を継ぎ足し延長しているのが見て取れる。この設計変更の経緯等については不明である。

 N2000量産車からは妻面排気管がさらに延長され、運転台側の排気管についても延長されて屋根上に大きく張り出すタイプとなった。

※排気管の長さについての詳細は「マニアックネタ」の当該項目を参照。

2000形(量産車)

 「基本セット」に、列車無線アンテナと信号煙管をプラスした、「先頭車セット」を搭載。

 さらに後位側ベンチレータの後ろに、かつて後位側デッキに搭載されていた列車電話用の細いアンテナが搭載されている。


 ただし、元ドキンちゃん号の2005形と土佐くろしお鉄道所属の2030形については、この電話用アンテナの本体のみが撤去されて、基礎部分だけが残っているのが確認されている。

 2006年8月3日に撮影した2005形の屋根上→
 当方撮影画像による調査では、2005形は2004年4月から12月の間、2030形は2003年4月から8月までの間に撤去されていることが判明している。

 この列車電話用アンテナの撤去については「マニアックネタ」の該当項目を参照。

2100形(量産車)

 「先頭車セット」の搭載された2100形の屋根上。

 客室が2000形より若干広いため、冷房装置の間隔がやや広くなっている。
2150形(量産車)

 2100形と同一。

 蛇足だが、ヘッドライトケース内がブラックアウトされているため、この角度からライトケースを見るとなにやら異様にカッコいい(^^;
2200形(量産車)

 中間車の2200形は、基本セットのみが搭載されている。

 画像の車両は2205形で、排気管が短いタイプ。
N2400形

 先頭車セットの搭載されたN2400形。

 2100形との目立った相違点は、前位側排気管の張り出しが大きいことぐらいだが、車椅子用の各種装備を備える関係で2100形に比べてデッキ部が広く、その分客室が狭くなっていることから、冷房装置の搭載位置が微妙に異なり、前後のダクトの長さが同じになっている。
 その意味ではむしろ2000形の配置にかなり近い。
N2450形

 前後排気管の張り出しが大きいこと以外は2150形と同じかと思いきや、かつて車内電話を搭載していた名残で後位側に2000形と同様な電話用の小型アンテナが搭載されているのも目立った相違点。
N2500形

 量産車の2200形と同様、基本セットのみとなるN2500形の屋根上。

 排気管の張り出しがかなり大きいのが、2200形との相違点でかつ、唯一の識別点。
TSE2001形

 TSE2001形の屋根上。

 ベンチレータは登場時は丸形だったが、後年角形に交換されている。

 昔は丸形だったという証拠画像はこれ → 「マニアックネタ」−「TSEの方向転換」
 当方所蔵画像を見返すと、2004年4月30日時点ではオリジナルの丸形で、2005年5月14日には角形になっていることから、2004年度中の施工と思われる。


 量産車と異なり当初から電話設備が無いため、屋上に立つアンテナは列車無線用のみとなっている。
 また、冷房装置から伸びるダクトも、量産車とは形状が異なっている。

TSE2201形

 中間の2201形。
 こちらは当初からの丸形ベンチレータ。

 TSEの場合、運転台の無い妻面の排気管が車外取付ではなく車体内に収められているのが、量産車との決定的な違いである。

 かつては車内電話があったため、それ用の細いアンテナが搭載されていたが、遅くとも2008年以降に撤去されている(左画像は車内電話撤去後の2006年撮影)。

TSE2101形

 上り方先頭の2101形。
 ベンチレータがオリジナルの丸形のまま残っている以外は、2001形とほぼ同じである。

 なお2101形もこの後、2001形と同様に角形ベンチレータに交換されている。
 当方所蔵画像では、2007年8月18日には丸形、2008年4月12日には角形になっており、此方は2007年度中の施工の可能性が高い。

 ちなみに左画像は2006年4月15日の撮影。



 こうして並べてみて初めて気付いた、、、、(地平時代の)高知駅の方が、松山駅よりも1/2番線の間隔が少し狭いのね(^^;





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車  体

 ステンレス車体+前頭部FRPというのが2000系の共通仕様。
 側面窓は連続窓だが、本来ゴム支持のところ、量産車の中にはプレート支持となっている車両も存在する。


 車体関係も含めた子ネタの詳細については、「マニアックネタ」を参照。


窓枠ゴム支持

 側面窓枠の支持方式は、本来ゴム支持が2000系標準仕様である。

 鏡のようなフラットで美しい側面が2000系の特徴。


窓枠プレート支持

 松山、および高知運転所所属の量産車は、プレート支持に変更されている車両が多い。

 はっきり言って美観は悪く、オリジナルの美しさが台無しである。

LED側面案内表示装置(L)

 LED式の側面案内表示装置のLargeサイズ板。
 TSEと、2200形および2500形を除いた全車両の後位側(トイレのある側)に2カ所装備される。

 表示サイズは230×420mmで、列車名と行き先を交互に表示。
 LEDの数は、上が16×32、下が16×64個となっている。

 8000系の表示装置もこれと同一仕様。

LED側面案内表示装置(S)

 LED式の側面案内表示装置のSmallサイズ板。
 TSEを除いた全車両の出入口ドア脇に4カ所装備される。

 表示サイズ230×310mmで、LEDは上が16×16、下が16×48個となり、号車表示は10号車以上の二桁には対応できないと思われる。

 8000系には、2桁表示可能と思われる別仕様のモノが装備されている。

LED側面案内表示装置(TSE)

 試作車TSEの案内表示器はさらに仕様が異なり、列車種別と愛称名を横一列に表示するタイプとなっている。

 なお、号車札と座席種別は、昔ながらの挿し札式となる。


ヘッドライト(前照灯)

 全車両が富士重工・宇都宮製作所で製作された2000系のオリジナルのヘッドライトは、KOITO製のシールドビーム。

 ガラスレンズにもその刻印がはっきりと刻まれている。

ドア窓のサイズ違い

 試作車TSEは、量産車に比べて出入口ドアの窓サイズが小振りとなっている。

量産車の4灯式ヘッドライト

 量産車からは前照灯が4灯備えられており、一見するとこれはロービームとハイビームのように見えるが、増設されたハイビーム(のように見えるもの)は、実はカーブで外側を照らすのが本来の目的であり、そのために外に向けてオフセットされている。

 これはTSEで営業運転を行ったところ、「速く走るので遠くを見たいが、カーブで光軸がずれるから外を照らして欲しい。」という要望が出たため、このような前照灯が増設されたという。


 なお、シールドビームからLEDに改造された2156形も、内側灯の角度は従来のままとなっている模様である。


出典:「振子気動車に懸けた男たち」より
LEDヘッドライト

 2000系は全車両がシールドビーム式の前照灯で落成しているが、2020年になって松山運転所所属の2156形と2425形の2両がLEDに改造されているのが確認されている。

 このうちの2156形は、2020年7月18日の2700系気動車追加増備に伴う一部列車の使用車種変更に伴い、松山運転所から高知運転所へ転属した(左画像はその転属回送を捉えたもの)。

TKT車の証

 土佐くろしお鉄道所属の2030/2130/2230/2231形の4両は、側面帯の上にTKTマークが貼られていた。

 また、2030形と2130形の後位側車端部分(トイレ&洗面所部分)には、高知県の県鳥であるヤイロチョウのイラストシールが貼られていた。
 ヤイロチョウの下には「国民休暇県 高知」という文字も添えられていた。

 これらはいずれも、2001年のピンク色アンパンマン車両への改装の際に、アンパンマンのラッピングの下に隠れる形になり、2020年の廃車解体の日まで再び日の目を見ることはなかった。



↓運転室側には無い
乗務員室ドア窓横桟(N2000先行車)

 N2000系先行車(2424形と2458形)の2両については、運転助手席側の乗務員室ドアの窓に横桟が取り付けられている。

 試験的な物だったのかN2000系量産車では省略されているが、運転室側のドアには設置されておらず、目的や理由は不明である。
↓2009形

↓2213形

↓2461形

↓2231形

撤去痕のみが残る
↓2030形
製造銘板

 2000系の製造銘板。

 元号標記で、平成1年から10年までの間製造されたが、正式社名では「金失」となっている「鉄」の文字が、全て「金矢」標記になってしまっている。
 他のJR各社では「金矢」を正式採用しているため、メーカーがそれに合わせてしまったものと思われる。


 土佐くろしお鉄道所有の30番台車は、当然ながら発注者銘板が青地に長方形のくろてつ仕様になっているが、TKT9640形の物とは一部仕様が異なり発注年が記載されていない。
 なお、2030形については遅くとも1999年までには発注者銘板は撤去され、ネジ穴の痕跡が残るのみとなっている。




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ヘッドマーク

 2000系のヘッドマークを色々と集めてみました。

 通常の定期列車のヘッドマークは、量産車もN2000系もすべて装備。恐らくどちらも同じ物を装備していると思われ。始終着駅で粘っていれば、N2000系の「しおかぜ」「宇和海」も撮影可能。
 まれに「緑うずしお」も見れるので、どーしても見たい人は頑張ってください(w

 「観察」にオススメの駅は、高松、高知、宇和島で、かなり高確率で「くるくる」回してくれる。徳島は2000系定期列車が「うずしお」1系統しかないので、意外と回してくれない(苦笑)
 なお、宇和島は列車の発着が無いときは客をすべて外に出して改札を閉めることがある。そのときは、撮影がしたい旨申し出たうえで、有効な乗車券類を提示すれば、大抵は大丈夫。

 過去に装備された臨時列車のマークがまだ残っているかどうかは不明、、、、まぁ、多分無いと思うけど(^^;


 なお、1990年11月ダイヤ改正に際して量産車が投入されたが、同改正に先立って9月頃から量産車が定期列車の「南風」「しまんと」の一部に時折使用された。そのとき使用されたヘッドマークは先代のイラストマークであり、わずか2ヶ月程度だけだが、量産車と旧マークの組み合わせが実現している、、、、が、当時私は関西在住だったことに加えて今と違ってインターネットなどの情報ツールが非常に乏しくてそのことを知らなかったため、写真を撮ってない_| ̄|○


 「アンパンマン南風」については、2009年10月のリニューアルによって車両の愛称表示装置が埋められてしまったため、専用デザインだったヘッドマークも姿を消した。
 愛称表示装置が健在だった当時、土讃線の「アンパンマン南風」車両も通常のマークは装備していたと思われるが、それ以外の車両に「アンパンマン南風」のマークがあったかどうかは不明(個人的には無かったと思うが)。


 ちなみに、量産車/N2000とも幕の順番は以下のようになっている。
 

(空白)
1コマ目回送
2コマ目試運転
3コマ目臨時
4コマ目団体
5コマ目南風
6コマ目しまんと
7コマ目しおかぜ
8コマ目いしづち
9コマ目うずしお(緑)
10コマ目宇和海
11コマ目あしずり
12コマ目うずしお(赤)

(空白)

 ↓高知駅における幕回しの様子。
 回送で到着して「あしずり」になる列車なので、「あしずり」のさらに次のコマになる「うずしお(赤)」だけが、残念ながら表示されない。


しおかぜ
N2424にもある「しおかぜ」
もちろん量産N2000にも
いしづち
宇和海
N2000にも昔からあった「宇和海」


 長らく使う機会がなかったが、ついに2018年3月改正から定期列車として実現した。
南  風
アンパンマン南風
(現存せず)
しまんと

あしずり

うずしお(赤:通常版)
うずしお(緑)
N2424にもある「緑のうずしお」
もちろん量産N2000にも
団  体
臨  時
回  送
試運転
初詣こんぴら
(1991年初詣臨)
はつはる
(1993年初詣臨)
よさこい高松
(2003年夏期臨)
よさこい中村
(2003年夏期臨)



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