1500形 一般形気動車


徳島線 鮎喰〜府中間
2008年5月14日



 2005年に再び湧き上がったアスベスト問題とも絡んで、老朽化の著しいキハ58/65系の早期廃車が決定し、結果的にその置き換えを目的として2006年6月に登場した、JR四国としては1000形以来久々のローカル用新型一般型気動車。

 なおJR四国の公式発表では、ローカル用気動車を全て「通勤型気動車」と呼称しているが、当サイトでは従来の基準に基づいた呼称で呼ばせていただきます。


 車体は常道通り(?)のステンレス車体だが、5000系のようにリブが無くなってすっきりとし、前後ドア付近に2色のグリーンの縦ストライプが配される。
 また、正面デザインの上半分はN2000系のイメージに似ている。
 前面もグリーンのツートンでまとめられ、これまでの「四国=スカイブルー」のイメージを覆している。
 車体側面に向かって左側にはロゴマークが付いているほか、形式表記もこれまでの四国の車両にはない斬新なもの。

 客室は1000形よりもむしろ、5000系の流れを汲むとも言える、3扉転換クロスシート+補助椅子というシートアレンジに、車椅子対応トイレという構成。さらに、これも8000系リニューアル車の模倣とも取れる木目調化粧パネルを採用。


 昨今の地球環境にも配慮して、代替フロン採用の冷房装置を搭載しているのはもちろん、窒素酸化物排出量を大幅に低減した新型エンジンを搭載。

 連結器は自動解結付きで電車タイプの密着連結器を装備し、電気連結器も併用する。




1500形 第1〜第8次車 新製回着の様子
(別タブで開きます)



 現在合わせて34両全車が徳島運転所に配置され、徳島地区で活躍している。

 希に運用変更により意外なところに姿を見せることもあり、特に「サンライズ瀬戸」の琴平延長に伴う運用変更で、高松〜多度津〜琴平間で土讃線1221Mや1224Mなどの代走として1200形とともに入線することがあったが、これは2019年3月改正以降は無くなっている。




徳島線 貞光〜小島間
2008年5月14日

 貞光川橋梁を渡る、1500形×3連の徳島線ローカル。

高徳線 讃岐牟礼〜志度間
2008年5月25日

 併走する琴電・志度線の電車を追い抜く1500形単行の高徳線ローカル。

牟岐線 山河内〜辺川間
2010年9月8日

 辺川駅近くの「緑のトンネル」を抜ける、1500形単行の牟岐線ローカル。

2016年5月15日
予讃線 八十場駅

 「サンライズ」の琴平延長運転に伴う運用変更により、1221M代走として予讃線の複線電化区間を琴平へ向かう、1500形2連(1554+1562)の土讃線ローカル。

 2019年3月改正まで見られた。

予讃線 香西〜鬼無間
2017年1月25日

 新潟トランシス製と外観が大きく異なる、近畿車輛製の第7次車。
 点検出場後に単行で一旦高松まで試運転走行する1567形。

徳島線 阿波川島駅
2018年6月8日

 阿波川島駅で交換する、1500形の徳島線ワンマンローカル。

高徳線 徳島駅
2019年2月23日

牟岐線 桑野駅
2019年3月21日


 今はもう見ることの出来ない、「海部」行の幕を掲げた牟岐線ローカル。

高徳線 勝瑞〜吉成間
2020年5月12日

 1200形との2連で走行する高徳線ローカル。

高徳線 造田駅
2020年5月21日

牟岐線 造田駅
2022年1月20日


 1500形はクリーンディーゼルエンジン搭載を謳っており、実際に他形式と比較すると屋根上の排気ガス汚れがほとんど無く、その分水垢汚れが多少目に付く程度である。
 1200形との併結列車で比較しても1500形の綺麗さが際立っており、徳島運転所留置車両の屋根上を見ても、1500形だけが異様に綺麗なのが見て取れる。

土讃線 阿波池田駅
2022年2月10日

 2021年度末になって、緩衝用および水漏れ防止用と思われるゴム当ての付いた貫通幌の付いた車両が出現している。

 2018年度末に高知運転所配置の1000形に装備されたのと同じ物と思われ、同じ徳島配置の1000形および1200形にも同時期に装備されていった模様である。

 一見すると従来の幌にゴム当てを付けただけのように見えるが、”取手”の部分が普通鋼からステンレスに変わっており、別物である。

徳島運転所
2019年2月23日

 第2次車(左)と第5次車(右)の連結部。

土讃線 阿波池田駅
2022年2月10日

 第7次車(左)と第1次車(右)の連結部。

 第1次車の運転席側面窓の小ささがよく判る。




客室内(第1次〜6次車)


 トイレのある側から室内を見る。

 トイレ出入口の正面に補助椅子が・・・
 居心地悪そう(^^;


 こちらはトイレの無い側から。

 運転室背後は補助椅子、反対側はクッションのみ。
 補助椅子側の化粧パネル張り出し部分は排気管が通っており、そこにはゴミ箱も設置。


 シートはこんな感じ。
 窓側の肘掛けは省略されており、5000系のシートの色違い(と思われる)。

 
 中央デッキからトイレの無い側を見る。
 補助席内蔵。


 同じくトイレ側を見る。
 こちらはクッションのみ。


 車椅子対応トイレ。出入口はタッチオープン自動ドア。
 トイレ及び出入口ドアの開閉ボタンは、全て「開=緑色」「閉=黄色」で統一されていて判りやすい。


 室外側ドア開閉ボタン。開くボタンのみで、閉じるボタンは無い。
 ボタンの上にあるのは、車外スピーカ


 室内側ドア開閉ボタン。
 こちらは閉じるボタンもある。


 第5次車(1563形)の運転台付近の様子。


 運転席。
 横軸2ハンドル式。


 液晶パネル(運転士モード時)。
 列車の状態が一目で判る、、らしい(^^;

客室内(第7次車〜)


 第8次車・1568形の室内。

 第7次車以降は1000形や7000系のように片側がロングシート化され、転換クロスシート+ロングシートの千鳥配置となっている。

 また、優先座席部分が色分けされている。


 モケットもブルーからグリーンに変更され、ロングシート側もセミバケットタイプとなる。


 なお、第7次車と第8次車はロングシート横の仕切りの形状が異なっている。

 此方は第7次車の1566形。


 転クロの向かい合わせ状態。

 窓側の肘掛けは省略されている。


 第7次車(1566形)の運転台付近の様子。



外装(第1次〜6次車)


 電気連結器併用の密着連結器。


 運転室側に設置されたプレート。
 8本のネジで止めてある。


 エンジン側端部屋上に、円形断面の排気管(マフラー)が顔を出す。


 第1〜2次車のロゴ。


 第3次車以降は意匠変更。


 1501型の製造銘板。
 JR四国の新製気動車として初めて、「四国旅客鉄道」の「鉄」の字が正式社名に採用している「金失」となった(それまでは「金矢」と誤記)。


 正面の方向幕には、現在定期列車として存在しない「日和佐」も入っている。





正面形態のバリエーション


 第1次車(1501〜1508)と第2次車(1509〜1515)では正面の方向幕の位置が異なるのが外観上の大きな違いで、その付近の車体の造形にも若干の差異が見られる。
 さらに第3次車から(第7次車を除く)はスカートの色も変更されている。

 第7次車のみは異なるメーカーで製作されて、デザイン自体が大きく異なっている。

 正面ステップの位置と形状については、第2次車では第1次車よりやや内側に移動し、第4次車ではさらに内側に寄って幌枠にほぼ隣接した。

 第5次車では第2次車と同じ位置に戻っているが、ステップ下の補強が増えているのが判る。
 第6次車と第8次車は、第5次車と同一になっている模様である。

(第1次車)
(第2次車)
(第3次車)
(第4次車)
(第5次車)
(第7次車)




<1500形運用列車>
 (2021年3月13日改正)

 1200形とともに、徳島地区の主力として全線全区間で運用が見られ、1500形が1200形の代走、あるいはその逆のパターンもあり、両車の併結運用もあることから事実上共通運用といっても良い。
 1500形同様に、徳島地区では狙って乗るよりもむしろ避けて乗る方が難しいぐらいになっているため、特殊な運用のみ記載する。

<高徳線>(4両編成)
 310D/312D

<徳島線>(4両編成)
 436D/438D/478D(アナ〜トク間)



形式
1500形
0番台 50番台
(1551〜1565/1568〜1569)
50番台
(1566〜1567)
車体
↑1次車下り方
連結器は輸送用の暫定

↑1次車下り方

↑2008年に増備された第2次形
正面の方向幕の位置が異なる

外観上は2次車と大きな違いはなく、
スカートの色とロゴが異なる程度

もちろん、連結器は輸送のための暫定

製造メーカー変更で外観が大きく変更

 片開き3扉のステンレス車体に2色のグリーンの縦ストライプ。
 側面の方向幕と形式表記は、左右両サイドとも側面に向かって中央扉に対してエンジンの無い側に配置。中央の出入口扉は、左右両サイドとも車体側面に向かってエンジンのある側に開く。

 基本構造は同じだが、細部のデザインと塗り分けが異なる。

1−4位側
(1569形)
1−4位側
(1567形)
屋根
 ベンチレータが無く、実にすっきりとした屋根上。
 冷房装置と無線アンテナ、信号煙管しか載っていない。
 屋根上は在来型と同じ。
 屋根上は在来型と同一の模様。
製造元新潟トランシス近畿車輛
製造両数
製造年次
1次車:8(1501〜1508)2006年度
2次車:7(1509〜1515)2007年度
3次車:1(1551)2008年度
4次車:6(1552〜1557)2009年度
5次車:6(1558〜1563)2010年度
6次車:2(1564〜1565)2011年度
8次車:2(1568〜1569)2013年度
7次車:2(1566〜1567)2012年度
最大外寸21,300 mm
2,988 mm
3,976 mm
台車中心距離14,400 mm
重量35.0 t
車体ステンレス
機関形式
出力
↓山側

↓海側

SA6D140HE−2
450PS × 1
↓海側

SA6D140HE−2
450PS × 1
変速機 DW21D
変速1段/直結4段
最終減速比3.068
燃料タンク容量
ブレーキ方式 応荷重増圧付
機関・排気ブレーキ併用
電気指令式空気ブレーキ
ブレーキ装置踏面片押
台車形式
1/2次車
3次車
S−DT65/S−TR65
軸距
車輪直径
2,100 mm
860 mm
冷房装置 強制換気付き集中式
42,000 kcal
客室暖房装置座席吊り下げ電気式
許容最高速度110km/h
車体構造・客室3扉転換クロスシート
ドア幅1,000 mm × 3
シートピッチ910 mm
床面高さ1,100 mm
乗車定員121(座席:38)+ 8 (補助席)



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