<2012年11月1日ダイヤ改正>
JRT四国では、2012年11月1日にダイヤ改正を予定しています。
待望の高徳線全線電化完成や、丸亀〜多度津間の線路改良完成、また四国中央市街地区間の高架化完成など、設備面の改良を主体とした改正内容となっています。
<高徳線 全線電化完成!!>
〜特急「うずしお」「やしま」電車化!〜
〜特急「むろと」ハイブリッド気動車化!〜
2008年より事業を進めていた、高徳線・引田〜板野間の電化工事がこのほど完成し、高徳線全線の電化が完成します。
高松からは最長で阿南まで、電車による特急・普通列車の直通運転が実現し、これまで孤立していた徳島地区の電化区間が高松地区と結ばれます。
<特急列車>
これに合わせて、特急列車の運転系統と愛称を下記の通り見直します。
<現行> |  | <改正後> |
高松〜徳島間
(主要駅停車タイプ) | 7往復 | 「やしま」 | (気動車) |
高松〜徳島間
(主要駅停車タイプ) | 7往復 | 「やしま」 | (新型電車) |
高松〜徳島間
(速達タイプ) | 4往復 | 「うずしお」 |
高松〜徳島間
(速達タイプ) | 4往復 | 「うずしお」 |
高松〜阿南間 | 4往復 | 高松〜阿南間 | 4往復 |
高松〜牟岐間 | 3往復 | 高松〜牟岐間 | 3往復 | 「むろと」 |
(新型ハイブリッド
気動車) |
高松〜室戸間 | 5往復 | 高松〜室戸間 | 5往復 |
電化完成に合わせて、高徳線・牟岐線の特急列車には土讃線の「南風」で運用中のEC500系/DC500系をベースとした同型車を投入し、全ての特急列車が一斉に新型車両での運転に切り替わります。
これにより、高松〜徳島間で2〜5分、高松〜室戸間では最大10分以上のスピードアップとなり、主要駅停車タイプの「やしま」でも高松〜徳島間で1時間を切る列車が登場します。
新車投入に合わせて、高松〜徳島間ノンストップ47分運転の殿様列車が復活します。
なお、同区間ノンストップ運転の列車は、1986年以来26年ぶりの登場となります。また、始発駅〜終着駅間ノンストップとなる列車の設定は、1984年以来28年ぶりです。
また、東土佐循環鉄道では牟岐〜室戸間の全線でATS−SPS形の整備が完了し、これに合わせて同鉄道の東洋〜室戸間の特急列車の最高速度を、現行130km/hから140km/hに引き上げます。
EC500系300番台車
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DC500系300番台車
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高徳線系統向けのEC500系/DC500系は、土讃線の「南風」用車両をベースに、停車駅が多くてお客様の入れ替わりが多いこと、また営業運転最高速度がそれほど高くないこと等を考慮して、主に以下のような設計変更を行い、新たに「300番台」の番号区分を付しています。
・グリーン車を半室構造とし、小単位での輸送需要にお応えします。
・出入口ドアの数を全車両片側各2ヶ所として、乗降性の改善を図っています。
・高速性能よりも加速性能を重視した設計とし、駅間が短くカーブの多い高徳線系統の路線に適合させています。
・気動車はもちろん電車についても1両単位での増解結が行えるほか、電車と気動車の併結協調運転を可能とし、きめ細かく変動する輸送需要にお応えできる設計となっています。
電化完成と新型車導入に合わせて、主な駅で記念入場券、および記念特急券を、2012年11月1日から発売します(無くなり次第販売終了)。
内容 | ねだん | 発売箇所 | 発売数 |
特急「やしま」「うずしお」「むろと」
新型車両登場記念入場券 | 高松・三本松・徳島・阿南・牟岐駅の入場券5枚セット | 800 円 | 高松、三本松、徳島、阿南、牟岐の各駅 | 合計 5,000セット |
特急「やしま」「うずしお」「むろと」
新型車両登場記念自由席特急券 | 高松・徳島駅からの50kmまでの自由席特急券2枚セット | 1,000 円 | 高松・徳島駅 | 合計 2,000セット |
高徳線全線電化完成記念入場券 | 高松・引田・板野・徳島・阿南駅の入場券5枚セット | 800 円 | 高松・栗林・さぬき市・三本松・板野・徳島・小松島・羽ノ浦・阿南の各駅 | 合計 5,000 セット |
このほか新型車両投入を記念して、2012年11月1日から11月7日までの1週間、特急「うずしお」「むろと」「やしま」の全ての列車のグリーン車について、各列車先着3名様まで限定でグリーン料金を通常料金より半額とするディスカウントセールを行います。
たとえば、高松〜徳島間を特急「うずしお」をご利用になる場合の通常料金は、普通車自由席料金が1,060円、普通車指定席車が1,570円、グリーン車は2,060円となりますが、先着3名様に限りなんと1,560円と、普通車指定席よりもお安くなります。
ぜひこの機会に、新型車両のグリーン車をご利用いただき、その快適性を堪能してください。
なお特急「やしま」については、グリーン車を連結した列車は、朝の通勤時間帯の1往復のみとなっています。
<普通列車>
普通列車の運転系統についても以下の通り変更となります。
運転系統と停車駅の変更が主となっており、各線区・区間の運転頻度については従来通りの体制を維持しています。
・高松〜徳島〜牟岐方面間を直通していた系統(気動車列車)は、全て電車化の上で高松〜徳島〜小松島間の運転となります。なお一部昼間の列車は、三本松〜板野間を運転しません。
なお、従来快速運転を行っていた区間の内、板野〜小松島間は改正後は各駅停車となります。
・板野〜徳島〜阿南間の系統(電車列車)が、板野〜徳島〜小松島間の運転となります。
なお、従来は一部の区間が快速運転となっていましたが、改正後は全区間各駅停車となります。
・阿波池田〜徳島〜小松島間の系統(気動車列車)は、阿波池田〜徳島〜阿南・牟岐間に運転区間が延長されます。
なお、阿南方面への延長に合わせて、従来の鴨島〜徳島間に加えて、徳島〜小松島間を快速運転とします。
・北鳴門〜徳島〜小松島間の系統(電車列車)は、北鳴門〜徳島〜阿南間に運転区間が延長されます。
なお、従来は全区間各駅停車でしたが、改正後は徳島〜小松島間が快速運転となります。
・徳島線の普通列車については、鳴門線に直通する系統は下りは穴吹行き、上りが鴨島始発となります。
この関連で、徳島折り返しの普通列車については、下りが鴨島止まり、上りが穴吹始発となります。
・いずれの列車も、快速運転となる区間については、早朝・夜間は各駅停車となる場合があります。
気動車普通列車については、全列車が高性能で環境にやさしいハイブリッド気動車に置き換えられ、スピードアップも実現します。
また、電車列車についても改善が図られ、全ての列車が全車両動力車となって走行性能が改善されるほか、全ての車両で電気停止ブレーキシステムの使用を開始することから、乗り心地の改善とスピードアップ、消費電力の軽減が図られます。
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電化完成に合わせて、高徳線・高松〜徳島〜阿南間の保安装置を、従来のATS−SS形から、より安全性に優れるATS−SPS形に置き換えます。
踏切撤廃もさらに推進し、電化工事と合わせてこの4年間で約30ヶ所の踏切を排除しました。
このほか、高徳線・板野〜勝瑞間の複線化が完成します。
<予讃線 丸亀〜多度津間線路改良事業完成!>
多度津駅における予讃線と土讃線の「平面交差」を解消する目的で、2009年から事業を行っていた、予讃線・丸亀〜多度津間の線路改良事業が完成します。
これにより、定期旅客列車については多度津における線路開通待ち合わせが完全に解消され、「いしづち」「しまんと」などの一部の特急列車を中心に所要時間の短縮が図られます。
これに合わせて、多度津駅3F部分の高架ホームの使用を開始し、同駅のホーム番数を下表の通り変更します。
| (現行) | | (改正後) |
| 番数 | 発着列車 | 番数 | 発着列車 |
高
架 | | | (新設)→ | 1番ホーム |
予讃線・上り列車
(岡山方面行きまたは高松方面行き) |
| | (新設)→ | 2番ホーム |
土讃線・上り列車
(岡山方面行きまたは高松方面行き) |
地
上 | 1番ホーム | 高松方面行き列車 | →(廃止) | | |
2番ホーム | 岡山・高松方面行き列車 | →(番数変更)→ | 3番ホーム | 予備、および多度津折り返し列車等 |
3番ホーム | 予讃線・下り列車、および特急「南風」 | →(番数変更)→ | 4番ホーム | 予讃線・下り列車 |
4番ホーム | 土讃線・下り列車 (特急「南風」を除く) | →(番数変更)→ | 5番ホーム | 土讃線・下り列車 |
観音寺・琴平方面から直通する予讃線・土讃線上り列車は、基本的に全て高架ホーム(新1/2番ホーム)から発着します。
これに合わせて、11月1日より記念乗車券を発売します。
「丸亀〜多度津間・線路改良事業完成記念乗車券」
高松〜多度津間の片道乗車券と、丸亀〜多度津間の往復乗車券がセットになっています。
お値段は 1,000円で、正規運賃よりも40円お得になっています。
高松・丸亀・多度津の各駅で、合計 2,000セット発売します(無くなり次第販売終了)。
線路切り替え工事に伴う列車の運休等について
讃岐塩屋〜多度津間で線路の切り替え工事を行う関係上、下記の通り一部の列車に運休等が生じますので、ご利用の際はご注意ください。
なお、1回あたりの工事時間を短縮して運休等の影響を最小限に抑えるため、10月30日深夜〜10月31日未明にかけて下り線を切り替え、10月31日深夜〜11月1日未明にかけて上り線の切り替え工事を行います。
該当列車 | 変更内容 | 備考 |
下
り | 快速「HomeWay」伊予三島・琴平行き | 高松発11月1日 | 全区間運休 | (高松 0:15)→(琴平 1:00) (伊予三島 1:26) |
特急「いしづち1号」 | 高松発10月31日 | 高松〜多度津間運休 |
(高松 5:00)→(多度津 5:24)
多度津〜松山間は通常通り運転 |
上
り | 伊予三島・琴平発 高松行普通列車 | 高松着11月1日 | 全区間運休 | (伊予三島 4:08) (琴平 4:39)→(高松 5:29) |
観音寺発 高松行普通列車 | 高松着11月1日 | 多度津〜高松間運休 |
(多度津 5:49)→(高松 6:27)
観音寺〜多度津間は通常通り運転 |
<四国中央市街地区間 高架化完成!>
2008年に事業着手した、四国中央市街地区間の高架化事業が完成します。
川之江・伊予三島両駅が高架化されるほか、両駅間の中央部に妻鳥(めんどり)信号場を設け、新たに開業する四国中央貨物駅への貨物路線が分岐します。
これにより14カ所の踏切が撤廃され、市内の南北交通が円滑になります。
これに合わせて、一部の貨物列車の時刻や運転系統が見直されます。
なお、妻鳥信号場は将来駅に昇格可能な配線および立地となっており、川之江・伊予三島両駅に代わる、四国中央市の新たなメインターミナルとする計画になっています。
これに合わせて、11月1日より記念きっぷを発売します。
「四国中央市街地区間 高架化完成記念きっぷ」
川之江・伊予三島駅の入場券各1枚と、川之江〜伊予三島間の往復乗車券1枚がセットになっています。お値段は 720円です。
高松・川之江・伊予三島の各駅で、合計 2,000セット発売します(無くなり次第販売終了)。
<その他四国内特急列車関連>
・高知〜宇和島間を予土線経由で結ぶ特急「うわじま」については、ご利用状況を勘案して3往復の運転とします(現行4往復)。
<その他四国内快速・普通列車関連>
〜高知地区の気動車普通列車が全て新型ハイブリッド車に置き換わります〜
土讃線・高知地区の気動車による普通列車が、高性能で環境にも優しいハイブリッド気動車に統一されます。
これに合わせて、一部でスピードアップを図ります。
<寝台特急「瀬戸」にA個室「ロイヤル」登場!>
11月ダイヤ改正に合わせて、東京〜高松間の夜行寝台特急「瀬戸」に、個室寝台の新たなバリエーションとして、一人用の個室A寝台「ロイヤル」が登場します。
従来、二人用の個室A寝台車「ツインDX」となっていた車両の、1階部分を「ツインDX」のまま存置し、2階部分を「ロイヤル」に改装します。
室内の広さは、在来の一人用個室A寝台「シングルDX」のおよそ1.5倍となっており、独立したソファ席とテーブルのほか、クローゼット、21インチの液晶TVが備えられます(シングルDXは7インチ)。
このほか、「ロイヤル」限定のサービスとして、ご乗車時のウェルカムドリンク、翌朝の朝刊ならびにモーニングドリンクのサービスがあります(熱海〜姫路間を除きます)。
<ご利用料金>
個室寝台 | 定員 | マーク | 通常料金 |
本州四国間
特定料金 (*1) | 設備車両 |
個室A寝台 | ロイヤル | 1人 | K | 17,180 | 13,650 | 5号車2階 |
シングルDX | L | 13,350 | 10,500 | 6号車 |
ツインDX | 2人 | M | 13,350 | 9,450 | 5号車1階 |
個室B寝台 | ソロ | 1人 | N | 6,300 | 4,200 | 1/2/8/9/12/13号車 |
シングルツイン | 9,170 | 6,300 | 2/8/9/12号車 |
デュエット | 2人 | O | 6,300 | 4,200 | 7号車 |
(*1)
表中の料金は、一人あたりのご利用金額です(おとな/こども同額)。
瀬戸大橋区間を挟んで、本州〜四国間にまたがって寝台設備をご利用される場合は、通常より割安な「本州四国間特定料金」が適用されます。
これに合わせて、1998年から寝台特急「瀬戸」に使用しているEC800系電車の内外装をリニューアルします。
・個室座席車(シングルシート)、ならびに開放座席車(エクストラシート)の座席を、EC500系などで好評をいただいている「ゆりかご型シート」に更新します。
・和式トイレを全て廃止して、洋式トイレに統一します。
・洗面台についても、個室内に設置されているものも含めて、砥部焼の洗面器に更新するなど、よりゴージャスで落ち着いた雰囲気に改装します。
・連結面に転落防止幌を追加設置して、安全性を向上させます。
・車体側面の方向幕を、字幕式から薄膜液晶式に更新します。停車中は多重表示を行うことにより、さらに解りやすいご案内表示が可能となります。
このほか、内装材や寝台モケット等の貼り替えや、個室備品の機器更新を行います。
外装についても塗り替えを行い、上部半分のスカイブルーを従来よりも落ち着いたカラーリングとし、ロゴマークなども全て新しいものに変わります。
(イメージ図)

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