JR東海


※以下の文中の情報は、2000年4月現在のものです。


 東海道新幹線をドル箱に持つJR東海は、営業利益率で言えばJRグループでは文句無しのナンバーワンである。在来線の営業エリアも意外と小さいことから、民営化直後の早い時期から旧型車両の更新(新型車への置き換え)が進み、全体の平均車齢ではJRグループでは四国と並んで最も若い。
 旅客用車両の冷房率も既に100%を達成しており、これはJRグループでは四国に次いで2番目であった。またステンレス車の比率が高い点でもJR四国と似ている。

 本社のある名古屋駅を行き交うJR東海の車両も、ステンレス製の真新しい車両が多く、しかもデザイン/性能/機能とも優れている(と私は思う)ので、個人的にはJRグループ会社の中では四国の次に好きな会社ではある。


 、、、、が、各種割引制度での「のぞみ」利用を認めなかったり、割引率が低いなどといった、一連の東海道新幹線関連のえげつない商法は私的にはちょっと許せない。



御殿場線 裾野付近
(99年12月13日)
313系普通電車

 12月4日のダイヤ改正から御殿場線でもワンマン運転が開始され、新鋭313系がワンマン列車に充当される。写真の列車はワンマンではないが、裾野駅に進入する313系2連による上り国府津行2568M。
115系普通電車と富士山

 すっかり雪を被った富士山をバックに沼津に向かう115系3連の下り普通列車2565M。


名古屋駅
(1998年8月8日)
383系「しなの」 383系「しなの3号」(前)

 1995年に先行量産車が登場、1996年から本格的な営業運転を開始したJR東海初の制御付振子電車が383系。
 車体はステンレス車体で、曲線ガイド式を採用する振子台車は操舵機構を組み込み、シングルアームパンタグラフの採用、トンネル通過時の気圧変動を防止するためのダンパ付き換気装置、そして前面パノラミックウィンドウというかなり凝った車両である。
 曲線通過速度も最高で本則+35km/hと現在国内最速で、それまでの381系よりも名古屋〜長野間で10分以上短縮した。
383系「しなの」 383系「しなの3号」(後)

 383系は柔軟な編成に対応できるように、2・4・6両編成を揃えている。長野向き先頭車は全てグリーン車だが、非貫通型と貫通型の2種類がある。名古屋向きの先頭車は全て貫通型の普通車である。
 この日の同列車は夏休み期間中の増結措置による6両+4両の堂々10両編成で、しかもグリーン車が2両組み込まれるという豪勢さ。
373系「ムーンライトながら」 373系「ムーンライトながら」

 もともと身延線特急「ふじかわ」用に製作された373系だが、東京〜大垣間夜行快速「ムーンライトながら」にも使用される。その関係からか、特急用車両でありながらデッキと客室の仕切扉が省略され、個人的には特急用車両の設備としては疑問を感じる。

 現在は東京〜静岡間特急「東海」や、飯田線特急「伊那路」にも充当される他、東海道本線の普通列車としても運用されている。
キハ85「ひだ」 キハ85系「ワイドビューひだ1号」

 1989年3月改正で高山本線に登場したキハ85系は、JRの気動車としては初めて英国カミンズ社製のエンジンを搭載、従来のキハ82系と比べて重量当たり2倍以上という圧倒的なパワーを誇り、それまで3時間前後かかっていた名古屋〜高山間を最速2時間16分にまで短縮した。

 軽快(に見える)なステンレス車体、シートピッチは普通車でも1m、ワイドな側窓、嵩上げされた座席部分、前面展望もOKと、性能/機能/デザインの全ての面で、同じ改正で登場したJR四国2000系TSEと共に、それまでの気動車のイメージを根本から覆した画期的な車両である。

 個人的にも好きな車両なのだが、振子機能を組み込まなかったのが唯一の失点か?(^_^;
キハ85「南紀」 キハ85系「ワイドビュー南紀1号」

 「ワイドビューひだ」大好評に後押しされて、JR東海はキハ85系の改良型200番台車を92年3月改正で紀勢本線特急「南紀」に投入した。
 こちらもやはり、それまでキハ82系で4時間以上かかっていた名古屋〜紀伊勝浦間を最速3時間20分に短縮、画期的なスピードアップを達成した。

#まぁ、キハ82系があまりに遅すぎたと言えばそれまでだが(苦笑)

 こちらはグリーン車が非貫通型先頭車に半室構造で組み込まれる(「ひだ」は中間車に全室構造で組み込まれている)のが異なるが、それ以外では「ひだ」仕様と同じである。
311系 311系

 JR東海が平行する名古屋鉄道(名鉄)に対抗するために1989年7月の金山総合駅誕生に併せて投入した快速用車両。
 4両編成が基本で、界磁添加励磁制御に3扉転換クロスシート、最高速度は120km/hで、通常は豊橋〜名古屋〜大垣間の新快速に使用される。また、在来線普通列車用車両として初めて列車電話が設置された。

 新快速の名古屋〜岐阜間(30.3km)の所要時間は17分で、平均時速はなんと107km/hに達し、料金不要列車の区間速度としてはダントツの日本一である。そんなに飛ばして大丈夫?(^^;;
キハ75 キハ75系 快速「みえ1号」

 近鉄と平行する関西・紀勢本線の名古屋〜松阪〜鳥羽間は従来(国鉄時代)は近鉄の一方的な優勢であったが、JR東海ではキハ58・65の改造によって最高速度110km/hの快速「みえ」を登場させた。
 その後さらに競争力を高めるため、1994年に快速「みえ」専用車として登場したのがキハ75系である。

 駆動系は特急用キハ85系と同一、客室は3扉転換クロスシートとし、最高速度は120km/h。名古屋〜松阪間(85.5km)の所要時間はキハ85系特急と全く互角の1時間1分〜10分程度で、気動車快速列車としては文句無しに国内最速である。
 現在快速「みえ」は名古屋〜鳥羽間に毎時1本が定期列車として運転されている。

 また、キハ75系はその後武豊線などの他線区にも登場している。
キハ48 キハ48形 6500番台

 1977年に登場したキハ40系グループの一員で、キハ40形の片運転台バージョン。
 JR東海の保有するキハ48形は全部で48両。
 オリジナルは、暖地向け0番台とそのトイレ無しの1000番台、耐寒耐雪装備が施された寒地向け500番台とそのトイレ無しの1500番台。
 現在は全車両がエンジンの換装改造を受けており、原番号に5000番がプラスされている。
 また、これらとは別に1500番台を機関換装を行った上でワンマン設備をプラスしたものがあり、こちらは原番号+2000番台が付与されている。

#キハ40系の詳細は上のメニューの「車両」の項参照。