JR東日本 中央本線


※以下の文中の情報は、2000年4月現在のものです。


 中央本線は東京を起点にして山梨県を通り、塩尻を経て名古屋に至る総延長約400kmの路線である。
 このうち、JR東日本の管轄となるのは塩尻から東の区間で、東京・新宿から八王子・高尾に至るまでの区間は、首都圏随一の「痛勤」路線として、また日本で最も飛び込み自殺の多い路線としても有名である。
 しかし山梨県の前後、小仏峠(正確には小仏峠は東京都と神奈川県の境になるのだが)と笹子峠は山間の様相を呈し、長野県にはいると所々に単線区間も介在するほか、300Rの急曲線も多く存在する山岳路線に変わり、複線区間でも上下線が分離しているところもある。

 JR東日本としては初めての振子式電車E351系が「スーパーあずさ」として活躍するのもこの中央本線であり、塩尻から西の区間は日本で初めて振子電車(381系)が走った区間でもあり、このことからも本来の中央本線は山岳路線であるということを物語っている。



大月〜初狩間 リベンジ!(笑)
(99年11月25日)
スーパーあずさ7号 E351系「スーパーあずさ7号」

 11月19日の「かいじ105号」と同じ角度で撮影した「スーパーあずさ7号」やはり編成の長いこちらの方が絵になる(^^;;
EF64 EF64重連貨物

 色づいた晩秋の滝子山をバックに中央本線を上るEF64重連牽引のタンク貨物列車。


大月〜初狩間
(99年11月19日)
E351系「スーパーあずさ6号」

 1994年から営業運転を開始しているJR東日本唯一の振子式車両E351系
 車体は普通鋼製で、現在は8両基本編成と4両付属編成が5本ずつの計60両が長野県の松本運転所に配置されて活躍している。先頭車は貫通型と非貫通型があるがいずれも高運転台式。
 1996年には、軽量化を図ったほか、それまで菱形だったパンタグラフをシングルアーム式に変更するなどの改良を行った2次形が登場、94年登場の初期車(1次形)は1000番台に番号区分された。
 また、当初は付属編成が松本方(基本編成が新宿方)を向き、付属編成が大糸線の南小谷まで乗り入れていたが、現在は逆に基本編成が松本方を向いて南小谷まで直通するように改められている。
 台車は振子装置にコロ式を採用するなど、外観も構造もJR四国8000系とほぼ同じだが、ヨーダンパの取付位置が異なる。
183系「あずさ60号」

 現在「あずさ」「かいじ」系統で使用されている183系は、基本的に全て1974年末に登場した1000番台車で、従来の0番台車に比べて耐寒・耐雪装備が強化されている。

 また、単編成化による先頭車不足を補うために、1985年から86年にかけて異系列である485系の中間車サハ481形から改造された先頭車も「あずさ」「かいじ」に充当されている。
 サハ481改造の先頭車の見分け方は簡単で、後位側出入台が一段低くなってステップが付いていることで識別可能である。
 左写真の先頭車もそのサハ481からの改造車である。
183系「かいじ105号」

 松本まで足を伸ばす「あずさ」に対して甲府で折り返すのが「かいじ」だと考えれば解りやすい。差別化のためか、号数も「101号」から始まっているが、車両自体は「あずさ」と共通運用の183系1000番台9両編成となる。

 なお、松本運転所の183系は全車がアコモデーションなどの更新改造工事を完了している。
115系普通電車

 大月駅の初狩寄り(甲府側)にある桂川の鉄橋を渡る115系6両編成の普通電車。
 トラス構造が橋桁の下にあるアンダートラス橋である。
 1966年から中央線への投入が始まった115系は、クリーム+藍色のツートンといういわゆる「スカ色」で登場し、これは今でも115系唯一のスカ色でもある。
 編成は電動制御車クモハ115を組み込んだ3両編成と、電動車を全て中間車とした6両編成の2種類ある。3両編成2本併結で6両として使用されることもある。
115系モハ114形

 中央本線はトンネル断面が小さいところがあるため、低屋根構造の115系が使用されるが、最近はそれまでの通常の菱形のパンタグラフをE351系のようなシングルアーム式に交換されている車両が多く存在する。

 背景の関係で左写真では判りにくいが、後ろ寄り(左側)屋根上にシングルアーム式のパンタグラフが載っている。
 また、115系には1両に2基のパンタグラフを搭載している車両もあるが、片方が菱形で片方がシングルアーム式になっているモノも目撃している。左写真のモハ114形も、判りにくいが前寄りのパンタグラフは従来の菱形のままである。
「スーパーあずさ6号」と「かいじ105号」

 丁度この区間は上下の特急列車がすれ違うところで、この日も何度かチャンスがあったのだが、ことごことくタイミングが悪くて失敗に終わった。



 この際あまり関係ないが、最近JR(特に東日本と北海道と西日本)の特急列車にやたらと「スーパー」の名を冠する列車が増えているが、個人的にはこのような呼び方は嫌いである。確かに他の列車よりも設備面やスピード面でワンランク上の車両を使っている列車を区別したいというのは解らないでもないが、そのような安直な愛称の付け方をしていては将来困ると思うのだ。

 例えば四国に於いて、「南風」「しおかぜ」に2000系が投入された時点で、2000系を使う列車を「スーパー南風」とか「スーパーしおかぜ」とか付けていたとしよう。まだキハ181系やキハ185系が残っている頃はそれでも良いかもしれないが、その後の2000系の増備や8000系の登場によって、全てがそれに切り替わったとき(事実「南風」は92年には全て2000系化された)、全ての列車が「スーパー」になって普通の列車が無くなってしまうではないか。

 どうせ古い方の車両をいつまでも使うわけにもいかないし、いずれは全て新型に切り替わるのだからそのような一時しのぎの方法では将来困るのは目に見えていると思うのだ。
 事実89年3月改正で登場した「スーパー雷鳥」は6年後にはさらに新型車に置き換えられて「サンダーバード」と改称した。