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JRT四国 ニュースリリース
Vol.69

(2013年1月9日)



<予讃線・小松松山バイパス 2014年開業決定!>



 2005年より工事を行っている、予讃線の小松松山バイパス(正式名称:四国高速開発鉄道・三方ヶ森線)については、工事が順調に進んでいることから、当初予定を前倒しし、2014年に開業することとしましたので、お知らせします。

 予讃線・伊予小松駅から分岐し、高縄半島の付け根を東西にほぼ一直線に突き抜け、現在の今治経由のルートに比べて35kmの短縮となり、特急列車で概ね30分、普通列車では約1時間のスピードアップが実現し、新居浜・伊予西条〜松山間が、完全に通勤・通学可能圏内となります。

 新規開業区間は、伊予小松〜松山間の38.6kmで、途中に丹原、石手川、東長戸の3駅を設けます。
 石手川については当初信号場とする計画でしたが、地上までの距離が約500mと比較的近いことから、地元のご要望等も考慮して駅に昇格させることとしました。


 
(地図出典:国土地理院・1/25000地形図「松山北部・東三方ヶ森・伊予小松」)


<沿線概要>

 伊予小松駅で、北に向きを変える予讃線の現在線と分岐し、そのまま直進して新中山川橋梁を経て丹原に至ります。

 新中山川橋梁を渡った地点に、松山方面行きの列車を対象とした赤外線センサーを使用した熱感知器を設置し、万が一列車の一部に火災などによる異常な高熱部位が発見された場合は、丹原駅に当該列車を止めて消火活動等が行えるように配慮しています。


 丹原駅は列車抑止や消火・救助活動等を考慮して、本線から分岐する副本線にホームを配置した新幹線中間駅スタイルの配線とし、本線と副本線の間にも防護柵を設けた構造となっています。
 貨物列車の抑止も考慮して、約450mの有効長を備えています。

 丹原の先で、総延長27,321mの三方ヶ森トンネルに突入します。
 同トンネルは開通時点で、青函トンネルに次いで国内第2位、山岳トンネルとしては国内最長の長さとなります。
 貨物列車も走行するため、列車すれ違い時の風圧対策として、トンネル区間については複線間隔を4.5m(通常は在来線3.8m、新幹線4.3m)としています。なお、トンネル区間以外についても複線間隔を4.3mとして、将来の新幹線への転用が可能な設計となっています。

 トンネル入口から石手川駅までは、7パーミル(千分の7)の上り勾配となっています。

 この途中に、避難設備と消防救護設備を備える丹原西シェルターのほか、福見川避難斜坑に繋がる緊急用脱出口を設けています。


 トンネルの途中にある石手川駅は丹原駅と同じ配線で、有効長は約500mとなっています。
 避難設備や消防救護設備などを備え、ホームには可動式の防護柵を設けています。またトンネルを高速で通過する列車の風圧からお客様を守るため、ホームへの出入口には遠隔制御も可能な自動ドアを設け、停車する列車があるとき以外はホームを閉鎖します。

 なお、三方ヶ森トンネルは当駅を頂点とした山型の勾配区間となっており、万が一トンネル内で火災等が発生した場合には、構造上トンネル内の煤煙が集まりやすくなっていることから、当駅構内には強制排気設備を設けて非常時に備えています。
 また、万が一列車が動力を失った状態で石手川駅で停車することが出来なかった場合でも、そのまま惰性でトンネルから脱出することが可能なように配慮しています。

 石手川駅を出ると、線路は12パーミルの下り勾配となります。
 半径2,500mのカーブを描きながらトンネルを出て、南に向きを変えたところに、東長戸駅を設けています。

 石手川駅とトンネル出口とのほぼ中間地点に、上伊台避難斜坑に繋がる緊急用脱出口を設けています。

 また、新中山川橋梁付近からこのあたりまで、カーブの全く無い一直線の区間となっています。
 その長さは28,076mに達し、国内では室蘭本線(JR北海道)の白老駅〜沼ノ端駅間の28,736mに次ぐ長さとなります。なお、伊予小松駅と新中山川橋梁の間にあるカーブは、半径44,000mと非常に大きいため、これを直線とみなした場合は、石鎚山駅付近から約36km直線区間が続きます。


 東長戸駅も丹原駅とほぼ同じ構造となっていますが、松山市の市街地に位置することから、折り返し列車を考慮して渡り線を設けています。

 東長戸駅の約1km南(松山駅側)に、伊予西条方面行きの列車を対象とした熱感知器を設置しています。
 それからさらに少し南の地点で、単線の貨物線が分岐し、従来同様に松山駅手前(西衣山駅付近)で予讃線から分岐していた貨物線に接続して、市坪の松山貨物ターミナル駅へと続いており、松山駅のホームを貨物列車が通過しないように配慮しています。



 なおトンネル通過時間が長いため、防災上の観点からディーゼルエンジンなどの内燃機関を搭載した車両は、宇和島方面へ直通する特急「しおかぜ」に新たに投入する予定となっている、当トンネル通過対策を施したハイブリッド気動車以外は原則として通過禁止(通過する場合はエンジン停止)となります。



 今回のバイパス工事に合わせて、在来の予讃線・伊予西条〜伊予小松間も立体化などの線路改良を行います。
 伊予西条駅西側の加茂川橋梁を渡った地点から伊予小松駅までは、トンネル掘削によって排出した残土を利用して、ラディッシュ工法によるコンクリート擁壁を持つ盛り土区間としています。

 途中の石鎚山・伊予氷見・伊予小松の各駅も、副本線を持つ新幹線中間駅タイプの配線となっています。


 この改良区間を含めたバイパスルート区間の軌道は、保守性に優れ、従来のスラブ軌道よりも騒音・振動を低減できる、「D型弾性枕木直結軌道」を全面的に採用。さらに石鎚山・伊予氷見・伊予小松の各駅の本線には高速で通過できる弾性分岐器を、丹原・石手川・東長戸の各駅にはさらに高速での通過が可能な、新幹線と同等のノーズ可動分岐器を設置しています。


 保安設備には、ATC並みの安全性を備えながら在来型ATSとの互換性(上位互換)が確保されたATS−SPS型を採用、これに加えて早期地震警報システム(EQAS)を導入し、地震発生時にも迅速に列車の速度を落として被害の軽減を図ることが出来るようにしています。



<営業上の扱い>

 新線区間は、第三セクターの「四国高速開発鉄道」が所有し、その全ての営業権をJRT四国が有する、上下分離方式にて運営を行います。
 JRT四国では開業翌年から50年間、公設リース方式によってリース料を支払い、リース契約完了後は正式にJRT四国の路線として買い取る予定となっています。

 従って、新線区間は予讃線のバイパス路線の扱いとなることから、営業上は「JRT四国 予讃線」としてご案内することとし、バイパス経由を「本線」、今治経由を「支線」の扱いとします。
 以下、本文中に於いても同様の表記とします。

 発車案内や列車の方向幕などの表示は、特急列車については特に何も表記のないものは本線経由、支線経由のものについては「今治経由」とご案内します。
 普通列車は、伊予小松〜松山間を含む区間を通しで運転する列車については、本線経由は「本線経由」、支線経由は「今治経由」とご案内し、途中の今治および伊予北条始終着となる列車については表記無しとします。


 運賃・料金計算についは、伊予小松〜松山間を含む区間を通しでご利用になる場合、実際の乗車経路に関わらず営業キロの短い本線のキロ程で計算する、「経路特定区間」の適用区間となります。


 本線は支線に比べて営業キロが35km短くなることから、多数の区間で運賃・料金の値下がりに繋がり、これまでよりもずっとご利用しやすくなります。
 当該区間を含むトクトクきっぷの一部では、料金の値下げ等を行います。



<運行計画等>

 新線開業に合わせて、昼間の特急「しおかぜ」と夜行寝台特急「伊予」には新車を投入します。
 また現在「しおかぜ」として使用中の車両を、特急「いしづち」「宇和海」に転用することにより、設備・性能面での全体的な底上げが行われます。


 「しおかぜ」には、土讃線特急「南風」として運用中のEC500系電車およびDC500系ハイブリッド気動車をベースにした、改良タイプの車両を投入します。

 トンネルを高速で通過する際の風圧や気圧変動に対応するため、先頭車両の形状を見直すほか、出入口ドアと車体妻面のドアを、新幹線と同じ内プラグ式プラグドアにするなどの設計変更を行います。

 ハイブリッド気動車の場合にはこれに加えて、長大な三方ヶ森トンネル通過に対応した装備を備えます。
 エンジンや排気管などには温度センサーを設置して常にモニタリングを行い、床下には自動消火装置を搭載します。また、通常はエンジンを主に使用して、モーターをその補助として走行しますが、トンネル通過中のみ、エンジンの使用を抑えて排気ガスの排出を抑制するため、モーターを主にしてエンジンを従とする、主従入れ替え機能を持つプログラムを搭載します。



 これらの施策により、伊予西条〜松山間については、特急「しおかぜ」は全列車が160km/h運転、特急「いしづち」についても全列車145km/h運転となり、「しおかぜ」の伊予西条〜松山間の所要時間は現行より30分短縮の21分、「いしづち」でも24分運転となります。
 特に「しおかぜ」については、伊予西条〜松山間(45.9km)の平均速度が131.1km/hに達し、隣接停車駅間の平均速度としては、新幹線を除いた国内最速となります。

 普通列車についても最高速度120km/hとして、伊予西条〜松山間は各駅停車でも42分の到達となり、新居浜・伊予西条〜松山間が完全に通勤・通学可能圏内となります。

 またこの区間は当初から貨物列車の走行を考慮しており、勾配を緩く抑えてトンネル区間の複線間隔を広く取っていることから、貨物列車についても基本的に本線経由とし、また高速な旅客列車に対応するため、高性能なEH161形電気機関車を主に運用します。



 開業後は、現在の特急「しおかぜ」は全列車本線経由を基本として、一部の列車については今治経由の編成を併結し、伊予西条駅で編成の分割・併合を行います。
 特急「いしづち」についてもほぼ同様ですが、気動車(12000系気動車)については三方ヶ森トンネル通過に対応していないため、5往復程度を全編成今治経由で運転し、電車列車について全編成本線経由、または分割併合という形態を採ります。

 宇和島方面行きの特急列車は、本線経由の特急「しおかぜ」と、松山〜宇和島間の特急「宇和海」のほか、支線を経由して松山駅で「しおかぜ」に接続する「いしづち」が設定されます。
 なお「宇和海」については、基本的に本線経由の「しおかぜ」に接続します。

 普通列車については、朝夕を中心に9往復程度の運転を計画しています。

 貨物列車については現在4往復が運転されていますが、速達性の向上をアピールするため、東京〜松山間に最高速度100km/h以上の「高速貨物列車A(=「スーパーライナー」)」を増発します。


 これらの施策により、岡山〜松山間は最速で1時間30分台新大阪〜松山間も最速2時間20分台の到達となります。
 また高松〜松山間についても、最速で1時間30分台に短縮となり、利便性が大幅に向上します。
 新居浜〜松山間は、最速の「しおかぜ」(伊予西条通過)で27分、その他の全ての本線経由の特急列車で30分台となり、愛媛県東中予地方と県都・松山との往来が大変便利になります。


 特急列車が大幅に減る支線については、一部の普通列車を快速列車に格上げするなどして、利便性が大きく損なわれないように考慮します。










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