<架空鉄道「JRT四国」のページ>



JRT四国 ニュースリリース
Vol.37

(2007年11月18日)



<西日本初のハイブリッド気動車を試験導入します!>


 JRT四国では2007年11月1日現在、293両の気動車、ならびにディーゼル機関車を保有しており、特急用、普通列車用のほか、事業用として使用しております。
 しかし地球環境を考慮して、より環境に優しい次世代気動車の導入を検討しており、今回2タイプのハイブリッド気動車を試作して運用を行い、将来の量産化を目指すこととしました。

 このたび試作するのはいずれも、「相互アシスト式パラレルハイブリッド方式」と呼ぶタイプです。

 これは、通常のハイブリッド方式では同一の駆動系に組み込まれるエンジンとモーターを、それぞれ独立した駆動系として組み込み、プログラミングによってエンジンがモーターのアシストを、またはモーターがエンジンのアシストを行うもので、状況に応じた自在な制御が可能となります。
 エンジンとモーターの駆動力が一つの動力伝達機構に集中しないので耐久性に優れるほか、エンジンまたはモーターのどちらか片方の系統が故障しても運転を継続できるので信頼性が高く、またエンジンとモーターがそれぞれ異なる車輪を駆動するためトラクション性能に優れています。


<特急用>DC500系900番台

 現在、予讃線特急「しおかぜ」として運用中の12000系気動車の駆動系をベースに、アシスト用のモーターとその制御系を追加します。
 車体デザインは、土讃線特急「南風」として運用中のEC500系電車とほぼ同じになる予定です。

 土讃線の土佐山田から角茂谷にかけての長い連続上り勾配を高速で登坂させるため、性能を重視した設定となります。
 通常走行はエンジンを主に使用し、発車時や登坂・加速時などに、モーターを使用して駆動力をアップして、EC500系電車と同等の性能を目指し、併結協調運転も可能な構造とする予定です。

<普通列車用>1900形

 現在土讃線で使用している、1000形気動車の改造により製作します。
 1000形気動車は400馬力のエンジンを1台だけ搭載していることから、特に急勾配区間においては若干の力不足を示すことがあり、そのためより急な勾配のある予讃線には、320馬力のエンジンを2台搭載するDC310系気動車を投入しました。

 在来の1000形気動車もDC310系気動車で置き換える計画でしたが、1000形気動車はまだ比較的新しいうえに数が多いこと、またDC310系気動車よりもさらに地球環境に優しい車両を模索する必要から、今回の改造となりました。

 現在予讃線に投入されているDC310系気動車とほぼ同等の性能を引き出すため、アシスト用のモータとその制御系を追加します。
 性能向上が目的ではありますが、こちらは経済性を重視した設計とし、発車時などはモーターのみを使用し、登坂時にエンジンでモーターをアシストする方式となります。



<構造>

 下図は、DC500系900番台車の片側の駆動系です。



 これまでの振子式気動車は、2台のエンジンを搭載して、エンジン1台につき1台の変速機で、1つの車軸を駆動していました。1つの台車には2つの車軸がありますので、もう1つの「空き」の車軸にモーターを追加し、エンジンで1軸、モーターで1軸の合わせて2軸駆動とします。
 DC500系900番台車はこの駆動系を2系統搭載して、全ての車軸に駆動力を伝達します。


 一方の1900形気動車は、エンジンと変速機は1台のみですが、片側の台車の2つの車軸を同時に駆動しています。
 そこでもう一方の空いている台車にモーターを追加して、同様に全ての車軸に駆動力を伝達できるようにし、性能アップを図ります。


 バッテリについては小型軽量で高性能なリチウムイオンバッテリを搭載します。
 1900形気動車は停車中はエンジン停止を基本とすることから、このほかに室内灯などのサービス電源用のバッテリも搭載しますが、エンジンを常時使用する前提となるDC500系900番台車はそれを省略します。
 また、モーター駆動用のバッテリについても、相対的にモーターの使用頻度が低いDC500系900番台車の方がより小型となります。




DC500系900番台
1900形



内燃機関系
エンジン
450PS(331kW) ×2
400PS(294kW) ×1
変速機
変速モード付 直結5段
変速モード付 直結5段
電動機系
制御方式
VVVFインバータ制御
(1C2M)
VVVFインバータ制御
(1C1M)
モーター
200kW ×2
130kW ×2
歯数比
4.2
6.5
バッテリ
駆動用
有(×1)
有(×1)
サービス電源用
有(×1)
合計定格出力
1,062kW
(1,444PS)
554kW
(753PS)



停車中
 エンジンはアイドル状態となり、発電機を駆動して室内灯などのサービス電源をまかないます。また、必要に応じて駆動用バッテリに充電を行います。  エンジンを停止し、室内灯などのサービス電源は専用バッテリから供給します。
 長時間停車となる場合など、充電が必要な場合は、適宜エンジンを始動して充電を行います。
発車時
 エンジンで第1軸を駆動するとともに、必要に応じてモーターで第2軸を駆動してアシストします。 モーターで第2軸を駆動して加速します。40km/h以上になると、必要に応じてエンジンで第1軸を駆動してアシストします。
惰行時
 エンジンはアイドル状態となり、必要に応じて発電して、バッテリに充電します。
登坂・加速時
 エンジンで第1軸を駆動し、必要に応じてモーターで第2軸を駆動してアシストします。
降坂抑速時
 エンジンの機関・排気ブレーキ機能で抑速します。このとき、必要に応じて充電も行います。 エンジンを停止し、モーターで抑速します。抑速時に発電された電力は、バッテリに充電されます。
減速・停止時
 基本的にエンジンの機関・排気ブレーキ機能で減速し、必要に応じてモーターを回生・発電ブレーキとして使用して減速します。
 10km/h以下になると摩擦ブレーキを使用して停止します(非常制動の場合は最初から摩擦ブレーキを併用)。
 基本的にモーターを回生・発電ブレーキとして使用して減速し、必要に応じてエンジンの機関・排気ブレーキ機能を併用します。
 10km/h以下になると摩擦ブレーキを使用して停止します(非常制動の場合は最初から摩擦ブレーキを併用)。

※上記仕様は、一部変更となる場合があります


 DC500系900番台車は、1両あたりの出力が馬力換算で約1,440馬力相当と、高性能を誇る12000系気動車のさらに約1.5倍となります。
 また1900形気動車も、ベースとなる1000形気動車に比べて1.8倍程度に出力が向上し、EC310系電車とほぼ同等の出力になります。



 1900形気動車については、2008年1月から3月にかけて2両の落成を予定しており、試運転ののち営業列車に投入して各種試験等を行う予定です。

 DC500系900番台車については、2008年春に4両または5両の落成を予定しています。同様に試運転を行った後、営業列車に投入して実証試験を行います。

 いずれも試験は1年程度を予定しており、早ければ2008年度末には、営業列車用として量産車の投入を行います。






検索サイトから直接来られた方は、ここをクリックしてTopに移動できます