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予讃線 (1) <高松〜伊予西条>

 

 


<概要>

 JRT予讃線の全線開通までの経緯は、JR予讃線と同じである。

 1969年(昭和44年)に「四国内国鉄線整備改良15カ年計画」がスタート、予讃線については高松〜伊予市間の完全複線化と、主要駅の高架化がその計画に盛り込まれた。内山線の工事は1967年に既に着工されており(これはJRと同じ)、これとは別枠での改良工事となっている。

 計画開始当時、既に土讃線と競合する高松〜多度津間の複線化は完了している。
 同計画も含めた、それ以降の予讃線改良工事等の進捗状況は以下の通りである。
  










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1972年3月15日新居浜〜伊予西条間 複線化
今治〜菊間間 複線化伊予亀岡〜菊間間一部上下別線
1975年3月10日伊予三島〜伊予土居間 複線化
菊間〜伊予北条間 複線化 一部上下別線
伊予北条駅高架化
松山〜伊予市間 複線化市坪駅高架化
1978年10月2日多度津〜観音寺間 複線化
伊予北条〜松山間 複線化伊予和気・三津浜駅高架化
1980年10月1日観音寺〜伊予三島間 複線化
伊予土居〜新居浜間 複線化 新居浜駅は市の中心部へ移転&高架化
旧駅は貨物駅に、旧線は貨物線に転用
伊予西条〜今治間 複線化伊予西条駅高架化
1982年11月15日坂出駅高架化
丸亀駅高架化
今治駅高架化
伊予平野〜八幡浜間 複線化夜昼トンネルは上下別線
1985年3月14日松山駅高架化松山運転所と松山貨物駅は市坪に移転
内子経由バイパスルート開業
(伊予市〜伊予大洲間)
暫定単線(非電化)
伊予市駅高架化
内子線廃止
1986年3月3日伊予市〜内子間 複線化内子バイパスルート事業完成
香西駅高架化
1995年3月18日宇多津〜多度津間 三線化
1998年9月1日 坂出〜宇多津間 三線化
宇多津〜多度津間 複々線化

2007年7月1日八十場〜坂出間 複々線化
2009年2月1日関川〜多喜浜間線路変更災害復旧事業
2012年11月1日四国中央市街地区間高架化 川之江・伊予三島駅高架化
伊予三島貨物駅拡張・四国中央貨物駅に改称
2014年3月22日小松−松山バイパス開業(複線電化)伊予小松〜松山間短絡ルート(スーパー特急方式)
内子〜伊予大洲〜伊予平野間 複線化
2017年3月4日観音寺市内区間高架化本山・観音寺・豊浜駅高架化


 「四国内国鉄線整備改良15カ年計画」の事業費は全て国鉄債務によって行われ、JRT四国では一切の債務を引き継いでいない。



 電化については、1985年に旧土讃線佐川ルートの売却益を基金としてスタートした、「四国内国鉄線500km電化5カ年計画」に基づいて行われた。その進捗状況は以下の通りである

1986年3月3日高松〜坂出間当時の使用車両は岡山電車区から借用の115系
1986年11月1日坂出〜多度津間四国オリジナルの311系電車登場
1987年4月1日多度津〜観音寺間
1987年10月1日伊予北条〜伊予市間
1988年4月1日観音寺〜伊予三島間
1988年9月1日伊予三島〜伊予西条間
1989年3月11日伊予西条〜今治間 振子式電車383系100番台車登場
岡山・高松〜今治間臨時特急で運転開始
1989年9月3日今治〜伊予北条間 383系200番台車登場
岡山〜松山間は最速2時間20分となる


 上記以外の線路設備や施設関係では、1982年に約20haの敷地面積を持つ高松車両工場が香西に完成、車両の内製も可能となっている。
 この新工場の完成に伴い、多度津工場は1986年限りで廃止され、跡地は鉄道記念公園として一般に開放されている。

 JRTの多度津近辺(地図出典:マピオン電子マップ)


 なお、高松貨物ターミナル駅はこの高松車両工場の西隣に隣接する形で1998年に開業している。

 JRTの香西周辺(地図出典:マピオン電子マップ)


 高松〜伊予西条間では、新居浜の前後がJR予讃線と大きくルートが異なる他は、基本的にJRと同じルートとなっている。

 高松運転所の横を抜けて香東川を渡ったところで、高松車両工場に繋がる単線が分岐し、ここから高架となる本線の上り線をアンダーパスして工場に繋がる。
 なお、この支線はさらに伸びて高松貨物ターミナルにも繋がっている。

 香西駅は高架化され本津川を渡った先で、上り線は高松貨物ターミナルへの貨物線を乗り越す。
 この貨物線は、鬼無の手前で地上に下りてくる本線に合流している。

 八十場から坂出までは複々線となっており、2007年7月改正から供用開始している。
 坂出の手前から高架区間となる。

 坂出を出ると三線区間となり、下り方に向かって左端が予讃線下り線と瀬戸大橋線上り線、中央の路線が基本的に予讃線上り線、右端が瀬戸大橋線下り線となるが、中央の線路は瀬戸大橋線上り列車が走行することもある。

 宇多津から多度津にかけては、再び複々線区間となる。
 中央二線は岡山方面行きの列車が、両端の二線は高松方面行きの列車が走行するが、列車ダイヤによっては高松方面行き列車が中央二線を走行する場合もあるなど、柔軟な運用が行われる。

 讃岐塩屋を過ぎて金倉川を渡ると、多度津駅西方での平面交差を避けるための進路変更を目的とした立体交差がある。
 内側線から外側線へ、およびその逆の入れ替えが可能で、これと多度津駅の一部高架化により、多度津駅での線路開通待ちが完全に解消されている。

 多度津駅は2012年11月改正で上りホーム(1/2番)が高架化された。
 予讃線上り列車が1番、土讃線上り列車が2番ホームから発着し、讃岐塩屋までにかけての立体交差を使って、高松行きと岡山行きの線路にそれぞれ振り分けられる。
 3〜5番ホームは従来通りの地平ホームとなっており、3番は予備および多度津折り返し列車用となっている。
 4番は予讃線下り列車、5番は土讃線下り列車用で、讃岐塩屋から当駅にかけての立体交差によってそれぞれの線路に振り分けが行われる。
 結果、定期旅客列車については従来の多度津駅西方での進路の平面交差が完全に解消され、線路開通待ち無しに全方向の同時到着・同時発車が可能となっている。


 川之江駅手前から伊予三島駅の先までは、2012年11月に高架化工事され、両駅のほぼ中間地点に四国中央貨物駅への貨物線を分岐する妻鳥信号場が設けられた。
 なお妻鳥信号場は将来の四国中央駅設置予定地でもあるが、四国中央駅についてはまだ構想段階となっている。


 関川から多喜浜までは、2004年10月の台風21号による災害で一時不通となったことから、恒久的な対策として災害復旧補助を適用して一部区間の線路つけ替えを行い、2009年2月5日に新線に切り替わった。
 北山トンネルを抜けた先から多喜浜駅までの区間が新線区間となり、阿島高架橋(1,672m)と多喜浜トンネル(2,783m)で山麓を抜けている。
 これにより、同区間の営業キロが従来より0.5km短縮された。
 関川〜多喜浜間(地図出典:国土地理院・1/25000地形図「東予土居・新居浜」


 多喜浜から線路(旅客線)は真っ直ぐ西へ向かって高架橋に駆け上がり、そのまま高架の新居浜駅に進入する。JRTの新居浜駅は新居浜市役所から徒歩5分程度という市の中心部に立地し、バスターミナルや地下駐車場、アミューズメント施設なども備えているほか、イオンモール新居浜も駅南側にオープンして、集客率の向上を図っている。

 なお、旧線(単線)は新居浜貨物線に、旧新居浜駅は新居浜貨物駅となっており、いずれもJRT貨物の保有となっている。

 JRTの新居浜周辺(地図出典:マピオン電子マップ)



 1980年から82年にかけて、坂出、丸亀、新居浜、伊予西条、今治といった主要駅が相次いで高架化された。高架化された時期が接近しているこれら5駅はいずれも島式2面4線のホームを持ち、地下駐車場を備え、高架下を商店街として活用しているなど、構造上の類似点が多い。

#丸亀は高架化当初は2面3線だったが、線路設備自体は当初から2面4線分あり、1995年に2面4線化された



 閉塞方式は安全性の高いATS−SPS形。信号は基本的に3灯信号だが、高松〜観音寺間はYY現示とYG現示のできる5灯信号となる。

 CTCは、1968年に高松〜多度津間に、1972年に多度津〜伊予西条間に設置された。



<列車>

 高松〜(宇多津)多度津間は、(現実世界より多少人口が多いとはいえ)この規模の地方都市圏区間としてはかなり列車本数が多く、通行する列車本数は約400本/日に達する。
 高松発着基準では、特急、「マリンライナー」、「シルバーラビット」、それに区間快速の全てがデータイム30分ごと、また各駅停車がデータイム15分ごとに運転され、毎時12往復の列車が走行する。


 特急列車は、予讃線の「しおかぜ」「いしづち」各17往復と、土讃線の「南風」16往復と「しまんと」9往復、「ゆうなぎ」3往復、「瀬戸」「伊予」「土佐」各1往復の運転。
 車種も、EDC510系、EC500系、DC500系、18000系、EC710系、EC800系と、JRT四国の保有する定期運用を持つ特急形車輌の全車種が走行し、宇多津〜多度津間では特急同士の併走も日常茶飯事で華やいだ雰囲気がある。


 快速列車は、岡山〜高松間の「マリンライナー」40往復と、高松を起点に西讃方面各地を結ぶ「シルバーラビット」33.5往復、それに岡山起点で西讃方面へ向かう「備讃ライナー」が14往復で、いずれも最高130km/hでの営業運転を行い、「せとうちラピッド・トライアングル」を構成している。
 通常の名称無し快速(区間快速)と各駅停車は、EC310系の2両編成が基本だが、一部各駅停車に単行列車があるほか、ラッシュ時は最長で5両編成となる。

 これらの列車には全て高松運転所在籍車が充当され、全車両が転換クロスシートを装備するほか、列車本数ベースで見たトイレの設置率も100%となっている。

 多度津から先は列車本数はほぼ半減するが、観音寺までは「シルバーラビット」を含めて日中毎時4往復の普通列車が設定されている。
 観音寺、伊予三島でそれぞれまた半減し、伊予三島〜新居浜間は毎時1往復の運転となる。
 新居浜〜伊予西条間は、今治・松山方面行き列車も走行し、日中毎時2往復の普通列車が確保されている。


 このほか、夜行快速「ムーンライト伊予」「ムーンライト土佐」が各1往復運転されている。


 貨物列車も種類が多く、12往復(うち2往復は臨時)の本州〜四国直通系統のほか、四国島内運転の列車も3往復が設定されている。

 最高速度120km/hの「高速貨S」が2往復、同100〜110km/hの「高速貨A」4往復(内1往復臨時)、同100km/hの「自動車輸送専用貨」が2往復で、残りは全て最高速度95km/hの「高速貨B」(内1往復臨時)となる。
 直通系統13往復のうち、7往復は高松貨物ターミナルへ向かい、残る6往復が多度津方面へのスルー運転となる。
 スルー運転のうちの3往復(内1往復臨時)が予讃線列車と土讃線列車の併結で、多度津駅で分割・併合作業を行っている。

 牽引機関車は、8往復(内1往復臨時)がEH161形の牽引、EF161形が5往復、残り2往復(内1往復臨時)をEF210形が担当する。
 EF210形は2008年3月改正以降は四国への定期乗り入れはなくなっていたが、2021年3月13日改正で復活している。
 また本来本四間貨物列車用として製作されたEF66−150形は、2010年3月改正以降は四国への定期乗り入れはなくなっている。

 多度津から先の貨物列車は、松山行4往復(内1往復臨時)、新居浜貨物行1往復、四国中央貨物行3往復の計8往復(内1往復臨時)。
 新居浜行は自動車輸送専用高速貨物、四国中央行は全て高速貨Bで、これらは全てEF161形が牽く。
 松山行の4往復は全てEH161形の牽引で、いずれも新居浜で貨車の増解結を行い、高速貨Sが1往復、高速貨Aが2往復(内1往復臨時)、高速貨Bが1往復の設定。。




線路
(凡例)
起点から
営業キロ
駅名読み開業年月日乗降客数施設・設備等 (凡例)形態備考
(人)順位
0.0高松たかまつ1897. 2.21.54,7251PR自iAuIcAA5面10線/併留3
3.1香西こうざい1952. 1.27.1,58869PR自iIcsAA2面2線/対通2
6.1鬼無きなし1897. 2.21.2,01956PREV自iAuIcAA2面2線/対通2
9.5端岡はしおか1897. 2.21.3,75129PREVES自iAuIcAA2面4線/島通2
11.9国分こくぶ1897. 2.21.1,80162PR自iIcsAA2面2線/対
14.2讃岐府中さぬきふちゅう1952. 1.27.1,051106PR自iIcsAA2面2線/対
16.5鴨川かもがわ1897. 2.21.1,98858PREV自iAuIcAA2面2線/対通2
||||
18.6八十場やそば1952. 1.27.1,025110PR自iIcsAA2面2線/対通2
|||
21.3坂出さかいで1897. 2.21.14,4256PREVES自iAuIcAA2面4線/島
||||
25.9宇多津うたづ1897. 2.21.5,35515PREVES自iAuIcAA2面4線/島
||||
28.5丸亀まるがめ1888. 5.23.15,5985PREVES自iAuIcAA2面4線/島
||||
29.9讃岐塩屋さぬきしおや1952. 1.27.1,120101PR自iIcsAA3面4線/併
||||
32.7多度津たどつ1888. 5.23.7,3019PREVES自iAuIcAA3面5線/島 貨3
一部高架
36.5海岸寺かいがんじ1913.12.20.1,030109PR自iIcsAA1面2線/島
39.5津島の宮つしまのみや1915. 5. 7.1面2線/島
42.0詫間たくま1913.12.20.2,73043PR自iAuIcAA2面4線/併通1
44.5みのみの1952. 1.27.911115自iIcsAA2面2線/対
47.1高瀬たかせ1913.12.20.2,65146PR自iAuIcAA2面3線/併通1
50.0比地大ひじだい1957.10. 1.778129自iIcsAA2面2線/対
52.4本山もとやま1913.12.20.1,095104自iIcsAA2面2線/対
56.5観音寺かんおんじ1913.12.20.5,19717PREV自iAuIcAA2面4線/島留3
62.0豊浜とよはま1930. 4. 1.780128PRAA1面2線/島
66.4箕浦みのうら1930. 4. 1.131223AA1面2線/島
72.2川之江かわのえ1930. 4. 1.2,18854PREVESAA2面2線/対通2
74.4妻鳥(信)めんどり2012.11. 1.--3線
77.6伊予三島いよみしま1917. 9.16.3,01234PREVESAA2面4線/島
81.3伊予寒川いよさんがわ1923. 4. 1.212205AA2面2線/対
85.9赤星あかぼし1999.12. 1.195209AA2面2線/対
88.6伊予土居いよどい1919. 9. 1.788127PRAA2面2線/島通1
92.2関川せきがわ1961. 4.15.141222AA2面2線/対
98.9多喜浜たきはま1921. 6.21.838122AA1面2線/島通1
102.6新居浜にいはま1921. 6.21.6,23511PREVES自iAuAA2面4線/島
107.4中萩なかはぎ1921. 9.21.311180PRAA2面2線/対
111.4東西条ひがしさいじょう1989. 3.11.1,110103AA2面2線/対通1
113.8伊予西条いよさいじょう1921. 9.21.5,09818PREVES自iAA2面4線/島





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