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TC2形 トロッコ車両





 現在四国内で運転しているトロッコ列車については、特に繁忙期を中心に満席になることも多く、また特に予土線の「トロッコしまんと」に使用しているTC1形の1号車は、種車となるキハ65形から改造されて既に14年が経過して陳腐化も目立ってきた。

 そこでトロッコ車両の更新と増結を行うため、TC1形を置き換えることを目的に、2007年度末から2008年度にかけて、合わせて6両が製作されている。


 廃車となった311系電車の先頭車・クハ311形を種車としており、運転室部分と主幹制御器、台車などを流用し、車体後半部分については新製した。

 全長18m、台車中心間距離は11.6mで、重量は27t。
 乗車定員はTC1形より4名多い52名としている。

 客室部分は床面が種車よりも20cmかさ上げされて、レール面上1.3mとなり、側面窓は通常はガラスレスであるが、別途ユニットサッシを取り付けることが可能な構造とし、乗客を乗せた状態で瀬戸大橋上を通過することが出来る仕様としているほか、天井部分に窓ガラスを設置して開放感を大幅にアップさせている。
 これに合わせて空調装置も搭載され、第2エンド側車端に床置き式クーラーを搭載する。暖房装置は、座席下取付の電気暖房となる。

 トイレ・洗面所設備は、併結相手の車両のものを利用する前提となるため、搭載されていない。


 従来のTC1形は自走が出来ず、車両基地内などでの小入れ換えにすら支障をきたしていたが、TC2形では小入れ換え用のモーターとバッテリを搭載し、短距離であれば自走可能な構造とした。モーターは小型軽量な三相交流モーター(出力100kW)を前位側台車に2基搭載し、夜間または走行中に充電を行うこととしている。
 このため、台車は前位側が踏面ブレーキのDT71形、後位側が車軸ディスクブレーキのTR271形となる。

 ブレーキ方式は電気指令式空気ブレーキとなり、併結相手としてはEC310系、DC310系、311系1000番台などなどを想定しているため、読替装置は搭載しない。
 連結器も同様の理由で双頭連結器ではなく、種車から流用した通常の電気連結器付き密着連結器とし、自動解結装置を併用する。

 また、第2エンド側には三相連結を装備しており、EC310系や7000系と連結した場合は、空調などのサービス電源の供給を受けることが可能となっている。

 室内灯などの、空調以外の電源については、台車搭載のモーターを発電機として使用することで走行中に発電して賄われる。

 主幹制御器も種車から流用で、JRT四国標準仕様の電気接点式横軸2ハンドルとなる。



 2007年度末までに、「トロッコ大歩危」用の1〜2号車と、「トロッコ伊予灘」用の3〜4号車を投入し、2008年の春休みシーズンから営業運転を開始。

 さらに、「トロッコしまんと」用の5〜6号車が、予土線へのDC310系気動車投入に合わせて、2008年の夏休みシーズンから営業運転を開始した。


<全廃>

 2021年4月に、後継車両としてEDC120系トロッコ車両が製作され、同年のゴールデンウィークから運用開始することが決定し、TC2形は2021年度を持って全廃されることとなった。



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