<架空鉄道「JRT四国」のページ>


EC800系 特急形寝台直流電車
「アイランドエクスプレス」





↓ 800系4M9T「瀬戸」の加速力曲線




 98年7月に登場したJR285系「サンライズエクスプレス」をベースにして、東京〜高松間夜行寝台特急「瀬戸」専用の新型寝台電車として開発、98年9月のダイヤ改正で登場した。なお、同じ改正でJRT285系も登場している。

 車体デザインは基本的に285系と同一だが、先頭部のデザインが若干異なるほか、カラーリングが全く異なり、ライトブルーとマリンブルーのツートンカラーというシンプルなカラーリングながら、境界部分には鉄道車輌の塗装としては初めて「ぼかし」を入れて斬新さを演出。
このツートンカラーは四国の青い空と海をイメージし、ぼかしの入った境界部分は遠く霞む水平線を表現。
 「シングルDX」「ソロ」といった金文字のロゴマークは太陽の象徴。この2つの青には、瀬戸内海の淡い青と太平洋の深い青というイメージも含まれている。

 また、JRTの「瀬戸」は従来から個室寝台車を7両(シングルDX/ツインDX/ソロ×4/デュエット)連結していたことから、285系に比べて設備面でグレードアップが図られている。


<車体・設備>

 車体はアルミ合金として軽量化を図り、出入口扉は乗降性を考慮した幅1mの幅広扉で、MR800形を除いた各車に1カ所設置。

 285系と異なり、寝台車は付随車のみに設定され、電動車は座席車やラウンジなどのフリースペースとなっているが、例外的にノビノビ座席車(MN800形)車端部にソロ(平床室)が2室のみ設置されている。

 付随車は、一人用個室B寝台・ソロを19室(階下室9+階上室9+平床室1)備える貫通型制御車TBC801形、ソロ20室(階下9+階上9+平床2)と二人でも利用できる一人用個室B寝台シングルツイン2室を備える中間車TB801形、二人用個室B寝台・デュエットを10室(階下4+階上6)持つTB802形、一人用個室A寝台・シングルDXを10室(階下4+階上6)持つTSB801形、二人用個室A寝台・ツインDXを7室(階下3+階上4)備えるTSB802形の寝台車のみの5形式。


 なお、285系のソロに相当する設備は800系には無い。
 また、285系のシングルと800系のソロ、それに285系のサンライズツインと800系のデュエットは、いずれも呼び名が異なるのみで設備そのものは同じである。

 電動車は、1,300mmのシートピッチで1−1−1配列のリクライニングシート「エクストラシート」が10列並ぶM800形、20人分のソファ席を備えるラウンジカーMR800形、285系と同様の2層構造の簡易個室「ノビノビ座席」を28席と車端部に平床タイプのソロを2室備えるMN800形の3形式。

 シャワールームは寝台車全車に設置(TSB801/802形は2カ所、その他は1カ所)するほか、自動販売機は電動車を含む全車両に設置され、座席車にはロッカールームを設置、車内電話は電動車に設置されている。

 当初はMN800形を除いた10両編成で登場、99年4月のダイヤ改正時にMN800形+TB801形×2のユニットが増備されて13両編成に増強されている。


 A個室寝台は衛星放送(液晶TV)と、FMラジオ(NHK-FM)を楽しめる他、ラウンジカーのAV室で放映されるビデオ放送も各個室で鑑賞することが出来る。B個室寝台もFMラジオ(NHK-FM)を各個室で聴くことが出来るようになっている。


<機器類>

 制御機器は基本的に700系と同じで、個別制御式VVVFインバータ制御だが、700系のGTOサイリスタ式に対してこちらはIGBT方式となり、騒音の低減が図られている。主電動機としてS−MT700R形三相交流誘導電動機(出力:300kw/h)を組み合わせ、歯数比は5.0。

 台車は700系のS−DT700系をベースにして振子装置を撤去して、代わりにアクティブサスペンションを組み込んだ、S−DT800AC/S−TR800AC。ヨーダンパはもちろん、アンチローリングダンパも装備する。

 ブレーキは、アンチスキッドを装備した、応荷重・応速度増圧付 電気指令式空気ブレーキで、抑速ブレーキとして電動車は回生ブレーキ(改正失効時は発電ブレーキ)、付随車は電磁誘導ブレーキを装備する。基礎ブレーキ装置は全車両とも車輪ディスクブレーキとなる。許容最高速度は130km/h、設計最高速度は160km/hとしている。

 パンタグラフはシングルアーム式のS−PSS800GSX。

 マスコン/ブレーキハンドルとも、前後に動かす横軸2レバー電気接点式のJRT四国標準仕様であるが、運転台レイアウトについては半室構造の高運転台式を採用するなど、285系との共通化によって乗務環境の統一が図られている。警笛はJRT四国標準仕様の電子ホーン。

 発電用の静止型インバータは電動車に搭載され、3相連結器を通して各車に給電される。

 前照灯はハロゲン異形4灯式で、尾灯はLED。側面方向幕は字幕式となる。TBC801形にはヘッドマーク表示器も設置、「瀬戸」のマークもデザインを一新している。


<運用等>

 当初は13両編成2本と、10両編成1本の計36両が登場。
 2000年にはMN+TB+TBの3両が増備されて、13両編成×3本となり、総勢39両が高松運転所に配置されている。


<その後>

〜「ノビノビ座席」廃止/「シングルシート」登場〜

 2003年の6月から、3号車の「ノビノビ座席車」について、車体更新改造による一人用個室座席車「シングルシート」への改造が始まり、夏休みシーズンの始まる7月中旬までに完了した。
 乗車定員は28名で、各個室の広さは「サンライズエクスプレス」の「ソロ」とほぼ同等である。
 出入台反対側車端部には自販機も設置されている。

 形式名はMN800形からMN801形に変更となるが、走行関係機器については変更はない。


〜リニューアル改造〜
〜A個室「ロイヤル」登場〜

 2012年11月改正より、A個室「ロイヤル」の設定を中心とした、内外装リニューアルを実施。

 従来、二人用の個室A寝台車「ツインDX」となっていた車両の、1階部分を「ツインDX」のまま存置し、2階部分を「ロイヤル」に改装した。
 室内の広さは、在来の一人用個室A寝台「シングルDX」のおよそ1.5倍となり、独立したソファ席とテーブルのほか、クローゼット、21インチの液晶TVも装備(シングルDXは7インチ)。

 このほか、以下に掲げるリニューアル改造を施工。

 ・個室座席車(シングルシート)、ならびに開放座席車(エクストラシート)の座席を、EC500系などで好評の「ゆりかご型シート」に更新。
 ・和式トイレを全て廃止して、洋式トイレに統一。
 ・洗面台についても、個室内に設置されているものも含めて、砥部焼の洗面器に更新するなど、よりゴージャスで落ち着いた雰囲気に改装。
 ・連結面に転落防止幌を追加設置して、安全性を向上。
 ・車体側面の方向幕を、字幕式から薄膜液晶式に更新。停車中は多重表示を行うことにより、さらに解りやすい案内表示が可能。
 ・内装材や寝台モケット等の貼り替え、また個室備品の機器更新を実施。
 ・外装については、上部半分のスカイブルーを従来よりも落ち着いたカラーリングとし、ロゴマークなども全て新しいものに変更。

 各車両とも、形式名称、および基本的な機器構成については、変更はない。


形式TBC801TB801TSB801TSB802TB802MN801MR800M800
BC1B1SB1SB2B2
1号車
13号車
2号車
8号車
9号車
12号車
5号車6号車7号車 10号車
11号車
4号車3号車
最大寸法21,300 mm
2,940 mm
4,090 4,090
(パンタ折畳み高さ:4,050)
重量40.5 t39.2 t39.5 t39.7 t39.2 t45.0 t44.5 t44.5 t
車体アルミ高張力鋼板 ダブルスキンモノコック構造
制御方式
個別制御式 IGBT−VVVFインバータ制御
(インバータ:ジーメンス製メロディ音調)
軸重可変併用各輪個別制御トラクションコントロール搭載
電動機形式
出力
S−MT700R
300 kWh × 4
歯数比5.0
パンタグラフ形式 S−PSS8000GSX
シングルアーム式
ブレーキ方式 応荷重・応速度増圧付
電気指令式空気ブレーキ
電磁誘導ブレーキ併用抑速回生発電ブレーキ併用
ブレーキ装置 車輪ディスク
(4センサー3チャンネル式各輪個別制御アンチロック付き)
台車形式・方式S−TR800ACS−DT800AC
ボルスタレス式
セミアクティブサスペンション付き
ヨーダンパ付き
軸箱支持方式:円錐積層ゴム式
許容最高速度 130km/h
(設計最高速度:140km/h)
加速度
減速度
起動加速度 2.2km/h/sec (4M9T)
常用最大減速度 4.3km/h/sec
非常最大減速度 5.0km/h/sec
130km/h時加速余力 0.5km/h/s (4M9T)
勾配均衡速度 10‰:143km/h (4M9T)
20‰:117km/h (4M9T)
33‰: 85km/h (4M9T)
曲線通過速度 500>R≧300:本則+10km/h
R≧500:本則+15km/h
電動発電機S−SIV8000ECU
出入口ドア数1扉1扉
冷房装置 S−ECAU800SIV
20,000 〜 24,000 kcal/h × 2
乗車定員1924 (最大)1010202830
その他
設備装置
客室ソロx19ソロ x20 シングルDX
x10
ロイヤル
x4
ツインDX
x3
デュエット
x10
シングルシート
(個室座席)
x28
ロビー
ミニラウンジ
ミニシアター
エクストラ
シート
(開放座席)
シートピッチ
1,300 mm
シングル
ツイン x2
シャワー×1×1×1×1×1
WC洋×2洋×2洋×2洋×2洋×2洋×1洋×1
洗面所×2×2×2×2×2×2×2
備考






シングルシート車に改造
(車体更新)
現存せず



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