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7000系 近郊形直流電車





 JRT7000系は、細部を除いた基本構造はJR7000系とほぼ同一仕様となる。

 全長21.3mの大型ステンレス車体にGFRP製前面が梨地処理の上組み合わされる。


 制御方式は個別制御式GTO−VVVFインバータ制御、主電動機は3相交流誘導式で定格200kw/hのS−ECMT200として、電動車1両に4基搭載、歯数比を6.0として、1M2T時にも311系電車と同等の加速性能が確保できる事とした。叉、単車運転の機会も多い事から、311系の両運転台化改造車(単車運転対応車)と同様に、回路途中に自動出力制御装置を設けた。

 これは、電気連結器からの情報を基に現在の車両の連結状態を検出して、電動車・付随車の比率に関係なく、ある一連のノッチ操作において常に同様の加減速が得られるように電動機の出力を自動制御するシステムである。


 ブレーキは回生ブレーキ付き電気指令式空気ブレーキとした。基礎ブレーキ装置は、電動車は踏面両抱式、付随車は車軸ディスクブレーキとし、付随車には抑速回生用に電磁誘導ブレーキを併用している。

 台車は軽量ボルスタレス式のS−DT58/S−TR58とし、構造の簡素化のため、ヨーダンパは省略した。車輪は騒音の低減のために波打ち車輪としている。最高速度は110km/h。
 パンタグラフは下枠交差式のS−PSX24とした。


 補助電源装置は311系のECSC32Zをベースとしながら、4両給電を考慮する必要がない事から、静電誘導トランジスタを外し、1〜3両給電自動制御式とした、 S−ECSIV100(出力100KVA)。
 冷房装置はオーソドックスな蒲鉾形のS−AU58形で、強制換気装置が組み込まれている。

 連結器は自動解結付き3相/電気連結器併用密着連結器だが、JR7000系では省略されている第1位寄りの三相連結器も装備される。逆にJR車に装備されている、121系との併結協調装置は省略し、代わりに311系との併結が可能とされている。

 マスコン・ブレーキハンドルは、いずれも311系と同様の横軸電気接点式とし、オートドライブ(定速運転装置)も備える。


 客室は1000形に準じ、当初はクロスシートとロングシートが交互に配置された独特のセミクロスシートで、シートピッチは1,520mm。シートモケットは当初からえんじ色のセミバケットタイプとなっていた。

 側窓は1段下降式でJR車と同様だが、ロールアップ式のブラインドは、フリーストップタイプとしている。
 警笛はJRT四国標準仕様の電子ホーンとなる。


 その他車体構造、アコモデーション、ワンマン設備、ドアの扱い、放送装置、等はJR車と同一。


<その後の推移と現状>

 2002年度に高松運転所在籍の車両(当時17両)について、座席の転換クロスシート化と、パンタグラフのシングルアーム化(S−PS8000GSX)改造が実施されて、6000系との共通部品化が図られた。
 併せて、出入口ドアの半自動扱い次の開閉ボタンの追加改造も行われ、これに合わせて塗色も一部変更されており、更新改造車はすぐに判別が可能となっている。
 転換クロスシートは、ドア間に各5列の配置で、中間ドアデッキには折りたたみ式の補助席を設けている。

 2003年度からは、徳島・高知運転所在籍車についても順次同様の更新改造が実施され、2005年度をもって7000系全車両の更新改造が完了した、


 2004年度より、7000形に車椅子対応トイレを追設する改造が進んでいる。改造施工車は7200形に区分され、原番号に200番がプラスされている。2008年度までに32両が改造された。

 2007年度には、EC310系投入に伴って高知在籍車が全て松山へ転属。
 この運用変更に伴って不足する両運転台の動力車をまかなうため、片運転台の7100形を両運転台電動車化する改造を施工。併せてトイレの追加設置も行われており、同年度中に6両が登場した。こちらは原番号に300番をプラスして7400形としている。

 同年度には、デッキ部につり革を追設する等して、EC310と乗車定員を合わせる改造も全車に施工している。


 2011年3月12日改正では、松山地区の電車普通列車が全てEC310系に置き換えられた。
 この改正時点で、通常運用車両を両運転台式電動車のみに統一し、運用から外した7100形21両については電動車化改造を実施。

 2012年3月改正までに、宇野線の岡山地区ローカル運用に必要な数が揃ったことから、同地区の311系を置き換えた。

 さらに高徳線全線電化完成に伴う2012年11月改正では、徳島地区ローカルは基本的に本系列に一本化され、また全車のM車化改造も完了したことから、電気停止ブレーキシステムの使用を本格的に開始した。


 2012年11月現在、高松運転所に19両(宇野検車区常備)、徳島運転所に59両の配置となっている。


 
 徳島地区の7000系については、2021年度から2023年末までの間に全てEC310系への置き換えが完了し、四国島内からは7000系は消滅した。
 2024年3月16日改正時点では、24両(7200×3/7300×7/7400×14)が宇野線用として高松運転所配置・宇野検車区常駐となっている。

 なお、余剰となった7000系はほとんどが廃車となったが、一部が民鉄や三セクへ譲渡された。



形式両運転台片運転台
70007200740073007100
C2C4C3
両数51 (残 19)32 (改造)20 (改造)7 (改造)27 (残 0)
最大寸法21,300 mm
2,900 mm
3,850 mm
(屋根高さ:3,540 mm)
(パンタグラフ折畳み高さ:3,890 mm)
重量39.0 t39.5 t39.5 t37.0 t27.0 t
車体 ステンレス鋼板
先頭部:普通鋼
制御方式 個別制御式 IGBT−VVVFインバータ制御
(インバータ:日立製 or 東芝製)

電動機形式
出力
S−ECMT200
200 kWh × 4 (1M1T時)
130 kWh × 4 (全M時)
歯数比6.0
パンタグラフ形式 S−PSS8000GSX
シングルアーム式
ブレーキ方式応荷重・応速度増圧付 電気指令式空気ブレーキ
抑速回生発電ブレーキ併用電磁誘導ブレーキ併用
ブレーキ装置踏面片押車軸ディスク
台車形式・方式S−DT58S−TR58
ボルスタレス式
軸箱支持装置:円錐積層ゴム式
許容最高速度 110km/h
(設計:130km/h)
加速度
減速度
起動加速度 2.8km/h/sec (1M1T時) (全M時常用)
起動加速度 3.5km/h/sec (全M時最大)
常用最大減速度 4.0km/h/sec
非常最大減速度 4.8km/h/sec
勾配均衡速度(1M1T時) 10‰:120km/h
20‰:100km/h
33‰: 80km/h
(全M時) 10‰:137km/h
20‰:114km/h
33‰: 92km/h
曲線通過速度 300>R:本則+5km/h
500>≧R≧300:本則+10km/h
R≧500:本則+15km/h
電動発電機S−ECSIV100
出入口ドア3扉
W:1,300 mm/1,000 mm
冷房装置 S−AU58
33,000 kcal/h × 1
強制換気付き
床面高さ1,150 mm
シートピッチ940 mm
乗車定員 114
(立席66)
103
(立席60)
131
(立席79)
WC
備考
7000形改造
トイレ追設
原番号+200
7100形改造
M車化
トイレ追設
原番号+300
7100形改造
M車化
原番号+200
(現存せず)



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