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383系 制御付振子式特急形直流電車

<第一次型 0番台>
<第二次型 100番台>





<第一次型 0番台>

 383系は1986年11月1日ダイヤ改正で、中央本線特急「しなの」に登場した、初の制御付振子式特急電車で、界磁添加励磁制御を搭載したアルミ電車。
 将来の160km/h運転をにらみ、高性能210kW/h直流電動機と、電車としては世界初の電子制御機械式変速装置を搭載、MT比が485系と同一の場合は重量あたり出力が同車の約1.8倍という高出力を誇り、許容130km/h、設計180km/hの性能を有する。


 この383系で当初採用された振子方式は、先頭車両でカーブを検知すると、先頭の車両から順次車体傾斜を行っていく、いわゆる強制車体傾斜方式で、予めカーブの位置を予測して車体傾斜を始める制御付自然振子方式とは異なる方式であった。
 しかし、その後のコンピュータ技術やプログラミング技術の発達、それに軌道測定技術の進歩に伴い、カーブを予め予測して車体傾斜を行うことにより、より乗り心地の優れる制御付自然振子方式へ移行することとなり、1988年の第二次型(100番台車)の登場に合わせて、同方式への改造が行われた。



 前頭部は国鉄スタイルの高運転台非貫通形ショートノーズだが、緩い三次曲面で構成される。従来の特急電車に設けられていた運転台後方の確認窓が廃止され、バックモニターが設けられた。
 前照灯はハロゲン式による丸形2灯で、尾灯はシールドビーム丸形2灯。


 当初は振子指令装置を搭載するクハ383、パンタグラフ搭載の電動車モハ382、それとユニットを組むモハ383、中間付随車サハ383、グリーン車サロ383の5形式が登場した。

 1988年に、「しなの」短編成化のため、貫通扉を持つ電動制御車クモハ383が、またモハ382・モハ383を1個パンタ1M化改造したモハ383−1000番台が改造により製作されたほか、準高床式グリーン車サロ383−50番台が新製されている。さらに、サハ383の半室をカフェテリアとしたサハ383−500番台も改造により登場している。


 マスコンは横軸5段自動変速式でデジタル指令アナログ制御方式を採る。これは応答性・正確性に優れるものの、段階的な信号であるデジタル信号をアナログに変換して、スムーズで連続的な加減速を行うもの。ブレーキハンドルは横軸無段式。速度・電圧計はデジタル/アナログ併用。耐寒・耐雪・耐急勾配に対応し、ATC区間以外の全ての直流電化区間を走行できる。パンタグラフはPS−16M。
 発電用インバータはクハ383/サロ383 に3両給電常用が、サハ383に2両給電非常用が搭載される。


 変速比は、1速5.0、2速3.0。この変速機は、自動車のオートマチックトランスミッションのトルクコンバータ部を取り去ったタイプで、マルチプレートトラスファー方式と呼ぶ。幾重にも重なったギアが互い違いに摺動し、駆動力を伝達する。回転数の制御が難しく、常に機関を回転状態で使用する内燃機関の車両は、駆動力をスムーズに伝達するためにトルクコンバータを介する必要があるが、回転数を自在に制御できる電気車の場合は、トルコンの必要性がない。383系では、この変速制御と電動機の回転制御を電子制御化、変速時はギアの回転数に電動機の回転数を合わせる等の制御を行っている。なお、この装置については、必要性の低さと保守簡略化の観点から後年取り外された。


 ブレーキは応荷重増圧付き電磁誘導ブレーキ併用抑速回生付き電気指令式空気ブレーキとなり、駆動台車は踏面両抱式、従台車は車軸ディスクブレーキを装備する。
 当初、アンチスキッドは取付準備のみであったが、後年全車に装備された。台車形式はDT165/TR165。
連結器は自動解結付き電気連結器併用密着連結器。ワイパーはウォッシャ連動時間調整間欠付き。


 客室は普通車がセーブルのバケットタイプリクライニングシートでシートピッチ940mm。ブラインドは電動式のベネシャンブラインドで2重窓を採用。客室扉は光電管式自動ドア。

 グリーン車は当初、低床式0番台のみだったが、63−3改正では準高床式50番台が登場。いずれも2−2配置でシートピッチ1,190mm、モケットはエメラルドグリーンの起毛ニット、電動式のカーテンを備える。

 天井は室内灯埋め込みの平天井で、側面行き先表示幕はヘッドマーク連動の電動式。
 床面高さは1,100mmが標準となり、準高床車は床面1,300mm/座席面1,400mmとなる。

 トイレ・洗面所はモハ383を除いた全車両に設置されている。

 冷房は床下搭載のAU35となる。381系では客室内に張り出していた冷気立ち上がりダクトは、車端妻部に設置され、屋上車端部に搭載さ
れた強制換気装置を通る構造に改められ、客室内の張り出しが無くなったほか、気密性も向上した。吹き出し口はラインフロー式。



 現在は「しなの」からは撤退し、JRT西日本の京都総合車両所と宮原運転所に配属されて、山陰・福知山線方面の「あさしお」「はしだて」「まいづる」「北近畿」「文殊」「ほくせつライナー」として運用されているほか、一部が美濃太田電車区の配属で「ひだ」の一部に運用されている。

 半室カフェテリア車については一部が出雲電車区の配置で「スーパーやくも」に使用されている他は留置車の扱いとなっている。







<第二次型 100番台>

 88年3月改正で登場した第2次車は、「JRT仕様」にマイナーチェンジして100番台となり、中規模の改良を実施。
 台車・パンタグラフ・モーター・クーラーに鍛造合金・FRP・セラミックを使用して軽量化・高剛性化・高性能化を図った。

 この他、振子制御方式がそれまでの強制車体傾斜方式から、制御付自然振子方式へ変更され、乗り心地の改善が図られた。
 なお、従来の強制車体傾斜方式のシステムも残され、線路情報の記憶されていない路線への入線時にも、振子を作動させることが出来るようになっている。



 乗務員室には多重ディスプレイモニターが設置され、コントロールスイッチはメインコントロールパネルに集中配置し、機能性をアップさせた。


 客室では普通車のシートピッチを980mmに、グリーン車のシートピッチを1,210mmに拡大したほか、出入口ドア幅を820mmに拡幅、車内LED案内装置を追加。

 また普通車はベネシャンブラインドを廃して通常のカーテンとし、それにともない窓は密着2重窓となった。

 グリーン車は準高床式が基本となり、2−1配置の3列席とした。シートバック液晶TVが設けられた他、リクライニング・レッグレスト・ランバーサポートが電動アシスト式となり、電動カーテンはリニアモーター式となった。シートは帯電防止のフルファブリックでカラーはピュアグリーン。

 冷房装置は容量アップされたAU35CXとなる。

 前照灯は丸型から角型4灯とし、外側の灯火は尾灯と兼用となる。 前頭部では運転台屋根と強制換気装置が一体成形に改められた。


 当初は第1次形と同様に、振子指令装置を搭載するクハ383−100、パンタグラフ搭載の電動車モハ382−100、それとユニットを組むモハ383−100、中間付随車サハ383−100、グリーン車サロ383−100の5形式が登場し、中央本線の「しなの」と伯備線の「やくも」に投入された。


 1989年に、「しなの」「やくも」短編成化とグレードアップのため、モハ383から貫通扉を持つ電動制御車クモハ383−100、モハ382・モハ383を1個パンタ1M化改造したモハ383−1100がいずれも改造によって登場しているほか、平床式のグリーン車サロ383−250が新製された。
 なお、0番台車では装備されていたクモハ383のトイレ・洗面所はスペースの関係から設置されていない。


 従来は全車両が出雲電車区に集中配置されていたが、JRT四国から購入の200番台車23両が同区に配属となったため、24両が日根野電車区に転属して「スーパーくろしお」に投入された。




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