<架空鉄道「JRT四国」のページ>


EC300系 近郊形直流電車
リニューアル改造車
(EC300N系)




 EC300系は、次代の瀬戸大橋線快速「マリンライナー」用車両として、JRT6000系をベースに2000年4月1日のダイヤ改正で、先行編成1編成が登場した。

 12年間快速「マリンライナー」として運用されたが、2012年3月17日のダイヤ改正で、同運用が後継のEC320系に置き換えられたことから、瀬戸大橋線快速「備讃ライナー」として運用されている、311系1000番台車を置き換えるため、グリーン車と指定席車を除いた一般車両40両をリニューアル改造のうえ転用することとなった。

 これは、基本的に全て3扉&全長21.3mの車両で運用されている四国地区の普通列車の中で、311系1000番台車だけが2扉20m車となっていることから、それによって生じている不都合を解消することが目的である。


 2012年3月から改造開始し、7月までに全車の改造・置き換えを完了する予定である。



<車両構造>

 旧「マリンライナー」編成の3〜7号車の車両を、以下の通り組み替えている。

 

 主要機器類の構成については、基本的に種車のものをほぼそのまま生かす方向で組み替えを実施。

 16両に運転台を追加、8両に車椅子対応洋式トイレを追加、また8両にパンタグラフを追加。
 これにより、2両編成が16編成と、自走可能な単車(クモハ車)が8両出来ることから、従来の311系1000番台車の運用をそのまま置き換えることが可能となる。
 また、このような構成とすることで、どんな組み合わせで編成しても、常にMT比が1:1で揃うようになっている。


 新たに追加される運転台およびトイレ等は、従来タイプと同一として仕様の統一を図っている。

 このほか、運転台側の出入口扉を片引戸に変更したほか、全てのドアにドア開閉ボタンを追加した。
 これにより、予讃・土讃線の高松近郊で運用されている全ての近郊形電車の車体仕様が統一される。


 運転台構造は貫通形先頭車は高運転台式で、運転台側出入口の変更に合わせて、元々確保されていた車掌業務のためのスペースをさらに拡大している。


 側面方向幕、および前面表示幕はフルカラーLEDに変更。
 前照灯はハロゲン異形4灯式、尾灯はLEDで運転台窓上部に2灯備える。ワイパーは車速検知時間調整オート間欠ワイパー。


 正面貫通路は従来通り2枚両開き式の外扉+内ヒンジ式の内扉だが、外扉の窓の一部を埋めているほか、外扉全体をスカイブルー塗装としている。
 自動幌解結装置付き。

 車体帯は、従来のスカイブルー+マリンブルーの帯から、マリンブルーの部分をスカイブルーに変更。
 このほか、スカートをスカイブルー塗装としている。



<客室構造>

 基本的に種車のものをほぼそのまま踏襲し、座席はシートピッチ940mmのオール転換クロスシート。

 TC車には、車椅子対応洋式トイレと、車椅子対応固定設備が設けられている。

 客室窓は戸袋部を除いて、防曇用中間膜を挟んだ熱線反射式複層ガラスで、全て固定窓のみとなる。戸袋部は中間膜の無い単層ガラスだが、熱線反射は備えている。

 全車両にLED案内表示器が設置され、妻面扉はタッチオープン自動ドア。
 普通車の室内灯はグローブ付きの直接照明で、荷棚は半透明アクリル板付き。車内吊り広告の設備は無い。

 冷房装置は18000系と同じで、新冷媒を採用した強制換気付き電子制御半集中式S−ECAU2000SIVを各車2基搭載し、吹き出し口はラインフロー式。

 床面高さは1,100mmとなる。



<走行関係機器類等>

 個別制御方式のIGBT−VVVFインバータ制御で、基本的に種車のものを踏襲しているが、一部老朽化機器を更新しているほか、M車比率が上がったことも考慮して、制御プログラムの変更により回生効果や電気ブレーキの性能の向上を図っている。
 主電動機は引き続きS−MT700RS形(出力300kw/h)を搭載するが、運用内容を考慮して歯数比を4.5から6.0に落としている。

 台車については、JRT四国の新型標準台車である、S−DT320/S−TR320に換装。他車種との機器統一を図ることで、保守の簡略化を図っている。
 なお、種車に装備されていたアンチローリングダンパは撤去している。

 ブレーキは、応加重応速度増圧付 抑速回生/電磁誘導ブレーキ併用 電気指令式空気ブレーキで、アンチスキッド付き。基礎ブレーキ装置は全車車輪ディスク。
 なお、既述の通り回生効果と電気ブレーキ性能の改善を行い、ブレーキシューの摩耗低減を図っている。

 許容最高速度は130km/hとなる。

 パンタグラフはシングルアーム式のS―PSS8000GSXを、各部清掃ならびに煙害防止カバー等を追加のうえで継続使用。


 主幹制御器はJRT四国標準仕様の横軸電気接点式の2レバー式で、マスコンは疑似6ノッチ式となる。
 また、瀬戸大橋線での快速運転対応装備であるオートドライブ(自動定速度走行装置)を、引き続き搭載している。


 警笛はJRT四国標準仕様の電子ホーンとミュージックホーンの両方を装備。



 2012年より、改造の終わった車両から順次、快速「備讃ライナー」運用に充当されている。



形式MC300MC302HC301TC300TC302

MCMC2HC1TCTC2
最大寸法21,300 mm
2,960 mm
3,850 mm
(屋根高さ:3,540 mm)
(パンタッグラフ折畳み高さ:3,890 mm)
重量39.5 t39.5 t38.0 t32.5 t32.5 t
車体 ステンレス鋼板
先頭部:GFRP
制御方式 個別制御式 IGBT−VVVFインバータ制御
(インバータ:日立製 or 東芝製)
トラクションコントロール搭載
電動機形式
出力
S−MT700RS
300 kWh × 4300 kWh × 2
歯数比6.0
パンタグラフ形式 S−PSS8000GSX
シングルアーム式
(MC300/M300形に各1基搭載)

ブレーキ方式応荷重・応速度増圧付 電気指令式空気ブレーキ
抑速回生発電ブレーキ併用電磁誘導ブレーキ併用
ブレーキ装置 車輪ディスク
(4センサー3チャンネル式各輪個別制御アンチロック付き)
台車形式・方式S−DT320 S−DT320
S−TR320
S−TR320
ボルスタレス式
軸箱支持装置:円錐積層ゴム式
許容最高速度130km/h
加速度
減速度
起動加速度 3.0 km/h/sec
常用最大減速度 4.2 km/h/sec
非常最大減速度 5.0 km/h/sec
勾配均衡速度 10‰:155km/h
20‰:130km/h
33‰:100km/h
曲線通過速度 300>R:本則+5km/h
500>≧R≧300:本則+10km/h
R≧500:本則+15km/h
静止型インバータECSC32Z
出入口ドア3扉
W:1,300 mm
床面高さ1,100 mm
冷房装置 S−ECAU2000SIV
30,000 〜 36,000 kcal/h × 2
強制換気付き
シートピッチ940 mm
乗車定員 122
(立席66)
112
(立席64)
その他
設備装置
客室 普通車
2段折れシートバック 転換クロスシート
WC洋式
車椅子対応



検索サイトから直接来られた方は、ここをクリックしてTopに移動できます