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18000系 制御付振子式特急形直流電車


2014年リニューアル改造




 1989年に登場した383系200番台に代わる、新しい本州連絡特急用電車として開発。
 8000系の技術はもちろん、その後各地に登場した振子式車輌の技術をフィードバックして20世紀振子電車の集大成として完成させた。


〜先行試作車:「南風」に試験投入〜

 1998年12月改正で土讃線の「南風」で登場した先行試作車は、下り向き非貫通型付随制御車18000形、その上り向き18500形、上り向き貫通型電動制御車で身障者設備を有する18100形、その下り向きで身障者設備の無い18150形、中間電動車18200形、中間付随車18300形、半室カフェテリア/半室グリーンの合造車18400形が各1両、基本編成4両(18000+18200+18400+18100)+付属編成3両(18150+18300+18500)の7両編成で登場した。
 振子指令装置と発電用インバータは18000/18500形に搭載。


<1998年12月当時>
1号車2号車3号車4号車5号車8号車7号車
M1編成18000形18200形18400形18100形M11編成18150形18300形18500形
基本編成付属編成


〜車体・外装〜

 車体はステンレスで、軽量化のため前頭部がアルミ合金となる。非貫通型先頭車は蛇の頭をモデルにした流線型で全長が22m、その他の車輌は21.3mとなる。ボディマウントの採用で床下機器の保護と保守簡略化、空力特性の向上を図っている。
 カラーリングはJRT2000系を踏襲したモノで、側窓部の連続感の向上が図られている。

 出入口扉は幅1mのプラグドアで、18400形のみ1扉、そのほかは2扉を有する。瀬戸大橋線での高速走行に対応して、車速検知オートロックを備えるほか、気密性を高めるために二重マウントを採用すると共に、ドアヒンジの強度がアップされている。
 ヘッドマーク表示器は18000/18500形が縦横比1:2の横長タイプ、18100/18150形が従来サイズで、いずれも電光電動巻き取り式となる。

〜制御系〜

 個別制御式IGBT−VVVFインバータ制御方式を採用し、主電動機は8000系のS−MT700Sをベースに中・高速域の特性が改善されたS−MT700RSで、定格出力は300kw/h。歯数比は4.0。
 ブレーキは抑速回生・電磁誘導ブレーキ併用 応荷重・応速度増圧付電気指令式空気ブレーキとし、基礎ブレーキ装置は全車車輪ディスク。

〜走行系〜

 ベアリングガイド式の制御付振子台車は、形式名S−DT8000/S−TR8000を名乗り、振子の最大振角が従来の5°から6°に拡大され、自己操舵装置を組み込むことによって、383系や8000系などの従来車に比べて、曲線通過速度がさらに10km/h向上している。車輪直径は840mm。
 また、セミアクティブサスペンションも搭載している。

〜機器類〜

 運転台レイアウトはJRT2000系をベースに高運転台化し、モニタ装置や各種設定器なども省力化が図られている。マスコン/ブレーキハンドルとも、前後に動かす横軸2レバー電気接点式のJRT四国標準仕様である。なお、マスコンは7ノッチ仕様となっている。

 スピードメーターは液晶アナログ方式で180km/hまで数字が刻まれている。
 乗務員室にはマルチモニタが設置されているほか、ATSセンサーと音声合成装置を利用した自動放送装置を搭載している。

 パンタグラフはシングルアームのS−PSS8000GSXで、パンタグラフ制御装置は新開発の「クロスリンク3本ワイヤー式」を搭載する。
 これは3本のワイヤーを使って、2本は通常通り台車の基台からそのままパンタグラフ基台に直結、もう1本は左右をクロスさせてリンクさせるモノで、JR8000系の2本ワイヤー式よりも信頼性が格段に高く、JRT8000系や700系の制御付振子式よりも安価で動作が確実で保守が簡単、しかもJR883系やE351系のような支柱式よりも構造が簡単で重量が軽くスペースも取らないという利点を持つ。

 冷房装置は屋上に強制換気付き電子制御半集中式S−ECAU2000SIVを2基搭載し、吹き出し口はラインフロー式。暖房装置は座席下に設置し、換気ダクトを車端妻面に配置したことと併せて、障害物の全く無いすっきりした足元スペースを実現している。

 側面案内表示はバックライト式TFT液晶パネルとなり、トイレ設備を有する車輌は列車名/行先表示と号車表示の両方を、トイレのない車輌は号車表示のみの設置となる。

 連結器は自動解結付き密着連結器で、電気連結器の他、高圧引通し線を組み込んだ三相連結器も併用する。また、貫通型制御車は連結幌の解結や貫通扉の開閉も自動化され、運転席からのボタン操作によって約1分で解結作業が完了する。

 警笛はJRT四国標準仕様の電子ホーンの他、ミュージックホーンも併用する。

〜客室〜

 普通車はオールファブリックのリクライニングシートで、シートピッチが1,040mmに拡大されている。
 モケットはプリント柄の入った青系で、JRのN2000系やJRTの2000系最終形と同じである。荷棚はアクリル板付き、天井は通路部頭上の余裕空間を広げるために半間接照明を併用した2段天井となる。

 グリーン車もシートピッチが拡大されて1,240mmとなり、一般の営業用車輌としては初めての1−1−1配列で6列が並ぶ。
 もちろん、360°回転フリーストップ式で、レッグレストも備える。荷棚はアクリル板付きだが照明と読書灯が追加されている。アームレストにはマルチヘッドホンステレオと液晶モニタが内蔵されており、車内で流すことが出来るビデオサービスを見ることが出来る。また、座席床面が15cmかさ上げされている。

 客室窓は全てUVカット付きの熱線反射ガラスで、強度のアップを兼ねて防曇式の複層ガラスとなっている。

 客室扉は光熱センサーを併用した光電管式自動、列車電話は18000/18400/18500形に、トイレ・洗面所は18300形を除いた各車に設置。



〜量産車:「しおかぜ」限定化〜

 1999年3月改正では量産車が登場。

 量産車は貫通型先頭車を中間車に置き換えた8両基本編成で登場し、18100形の代わりとして18200形にトイレ・洗面所と身障者設備を追加した18250形が新たに製作されたほか、18150形の代わりに18200形が組み込まれた。
 また、先行試作車編成の8両化のため18300形が1両余分に製作され、全車両が「しおかぜ」限定運用となった。

 量産車は、側面案内表示が反射式TFTパネルに変更されたほか、カラーリングが一部変更された以外は先行試作車との仕様上の差異は無い。

 1999年12月改正ではさらに1編成増備され、「しおかぜ」の電車列車は深夜最終の1往復を除いて全て18000系化された(2000年3月改正では全ての電車の「しおかぜ」が18000系となった)。


<2000年3月改正当時>
1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車8号車
M1編成18000形18200形18400形18300形18100形M11編成18150形18300形18500形
基本編成付属編成

1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車8号車
M2〜M5編成18000形18200形18400形18300形18250形18300形18200形18500形



〜その後の改造等〜

 2001年度には瀬戸大橋線陸上部での高速走行時の安定性を増すため、一定の条件下では台車操舵装置を固定して、不用意に台車が揺れないようにする改造を行った。
 これは、曲線半径が900R以上でかつ、列車の速度が130km/h以上の時は、台車操舵装置をロックしてしまうものである。


 2003年度には「しおかぜ」9両編成化のため、中間電動車18250形1両(先行試作車編成増結用)と、貫通形電動制御車18100形が4両(量産車編成増結用)、それぞれ増備された。
 いずれも身障者対応設備を有する車両で、車体構造は12000系に準じたモノに変更されたため、在来車とは側面案内表示器の位置などに差異がある。

 なお側面案内表示については、2003年度に50km/h以上の速度域では表示しないように仕様変更改造され、同年度に増備された5両については当初からこの仕様となっている。
 また、2003年度増備の5両は当初からドアチャイムを装備し、その他の車両についても、順次取付改造が行われている。


<2004年3月改正当時>
1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車8号車9号車
M1〜M5編成18000形18200形18400形18300形18100形M11編成18150形18300形18250形18500形
M12〜M15編成18200形18300形18250形18500形
基本編成付属編成


 2007年の3月から6月にかけて、M12〜M15編成6号車の18200形に運転台を追加する改造を行い、18180形に改番した。
 これは、列車ダイヤが乱れた際に、6〜9号車の付属編成を12000系気動車と共用できるようにするための措置で、乗車定員を合わせると共に車両移動の際の利便性を考慮しての措置である。
 18180形は、仕様上は18150形と全く同一である。


 2008年までに、9両編成×5本の45両全車が松山運転所に配置された。



〜リニューアル&「いしづち」転用〜

 2014年3月22日改正では、「しおかぜ」にEC500系600番台が投入されたことから、18000系はリニューアル改造の上で「いしづち」に転用された。

 外装をスカイブルー基調の全塗装とし窓周りをブラックアウトのうえ、腰部に青いラインを入れた。スカートについては青塗装とした。

 客室部分は、シートを全てDC500系に準じたゆりかご形リクライニングシートに更新。
 化粧パネルを木目基調のものに張り替え、カーテンもプリーツタイプに更新。
 また、トイレについては全て洋式に統一された。

 グリーン車については、アームレスト内蔵の液晶TVの撤去を行い、客室壁面に薄型液晶TVを追説した。


 旧M12〜M15編成6号車の18200形は運転台を取り付ける改造を行って、旧M11編成6号車のの18150形と同一構造とし、18180形に改番された。

 また半室グリーン/半室カフェテリア車については、5両のうち3両をブレーキや振子などの制御回路を改造して8000系に編入し、8000系が改造転用される京都・大阪〜高松間の特急「ゆうなぎ」に充当された。
 残りの2両については、保留車となっている。

 元の付属編成7号車については、保留車に格下げとして通常時は編成から外している。


<2014年3月改正>
1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車
M1〜M5編成18050形18200形18300形18100形M11編成18150形18250形18500形
M12〜M15編成18180形18250形18500形
基本編成付属編成


 基本編成は本線経由の運用、付属編成は今治経由の運用に充当されている。

 2014年4月現在の在籍数は42両で、全車が松山運転所の配置となっている。


形式18000180501850018100181501818018200182501830018400
SCT'M'C2SF
製造数(現存数)5 (0)555149 (5)5105 (2)
最大寸法22,000 mm21,300 mm
2,940 mm
3,5003,500 (パンタ折畳み高さ:3,890)3,500
重量39.5 t40.0 t39.5 t42.5 t42.242.0 t41.0 t41.3 t38.0 t38.5 t
車体 ステンレス鋼板
先頭部:アルミ高張力鋼板
制御方式 個別制御式 IGBT−VVVFインバータ制御
(インバータ:ジーメンス製メロディ音調)
軸重可変併用各輪個別制御トラクションコントロール搭載
電動機形式
出力
S−MT700RS
300 kWh × 4
歯数比4.0
パンタグラフ形式 S−PSS8000GSX
シングルアーム式
クロスリンク3本ワイヤー式振子機構付き
ブレーキ方式 電磁誘導ブレーキ併用
応荷重・応速度増圧付
電気指令式空気ブレーキ
応荷重・応速度増圧付
抑速回生発電ブレーキ併用
電気指令式空気ブレーキ
電磁誘導ブレーキ併用
応荷重・応速度増圧付
電気指令式空気ブレーキ
ブレーキ装置 車輪ディスク
(4センサー3チャンネル式各輪個別制御アンチロック付き)
台車形式・方式S−TR8000S−DT8000S−TR8000
ベアリングガイド式 ボルスタレス式制御付振子台車
操舵機構付き
セミアクティブサスペンション付き
許容最高速度 130km/h
(設計最高速度:200km/h)
加速度
減速度
起動加速度 2.7km/h/sec (4M5T)
常用最大減速度 4.5km/h/sec
非常最大減速度 5.2km/h/sec
130km/h時加速余力 1.3km/h/s (4M5T)
勾配均衡速度 10‰:175km/h (4M5T)
20‰:147km/h (4M5T)
33‰:115km/h (4M5T)
曲線通過速度 300≧R:本則+25km/h
450>R≧300:本則+30km/h
600>≧R≧450:本則+35km/h
R≧600:本則+40km/h
電動発電機 S−SIV8000ECU
(M'、M、M、M に搭載)
出入口ドア数2扉1扉
冷房装置 S−ECAU2000SIV
30,000 〜 36,000 kcal/h × 2
シートピッチ1,040 mm1,240 mm
乗車定員48 グリーン:12
普通:24
4847525260556418
その他
設備装置
客室普通車 グリーン車
普通車
普通車普通車普通車普通車普通車普通車普通車 グリーン車
カフェテリア
ミニラウンジ
WC
(和式)

(洋式)

(和式)

(洋式改造)

(車椅子対応)
(洋式)
(男子小用)

(和式)

(洋式改造)

(和式)

(洋式改造)

(車椅子対応)
(洋式)
(男子小用)

(和式)

(洋式改造)
洗面所
CC装置
(無線/有線電送対応)
(媒体転送対応)
CP
備考
改造


M改造







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