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DD150形
幹線客貨両用 大型液体式ディーゼル機関車





 DD150はシコク自動車が最新技術の粋を集め、メーカーとしての威信をかけて開発した高性能客貨両用大型液体式ディーゼル機関車。


 91年9月、先行試作車1両が製造され、山陰本線・函館本線のほか、シコク自動車工場の貨物線等で、高速・加速・ブレーキ・曲線通過・引張・起動・耐寒などの各種試験を実施。


 ボディは普通鋼製で、全長18m、全高4m、全幅2,970mm、自重90t。軸配置はB−2−B。

 スタイリングは「力強さと優しさの調和」をテーマとした曲面フォルムで、前面窓ガラスと前頭部は3次曲面で構成し、裾部と肩部が大きく絞り込んだ、機関車としては独特のスタイル。
 前照灯は4灯式で、外側2灯がロアビーム用、内側2灯がハイビーム用舵角応動光軸調整プロジェクター式で、いずれもハロゲン式となる。

 エンジンはR−SV12DK−METTI 水冷V形12気筒60L 48バルブOHC−EFS(電子制御マルチポイントインジェクション)空冷インタークーラー付きウィスカーセラミック・ツインターボ(ボアストローク:170mm×165mm/圧縮比:17.5)で 定格出力2,250ps/2,500rpm、最大出力2,800ps/2,700rpmを絞り出す。

 DD150形はこのエンジンを2基搭載し、機関車1両で定格出力4,500ps/最大出力5,600psと、液体式としては世界最強クラス、重量あたり出力では世界最強のDLで、性能的にはほぼEF161に匹敵する。


 トルクコンバータは車軸1軸をシャフト1軸で駆動する2軸出力式3軸クランク形の電子制御フルレンジフルタイムロックアップ3段自動変速式R−ECTC3S−322C 。
 変速比は、ファイナル2.5/1速2.3/2速1.5/3速 1.0。


 台車はアクティブサスペンションを装備した空気ばね式ボルスタレス台車S−DT150/S−TR150で、ヨーダンパ付き。駆動台車/従台車とも可動軸箱付き中央梁方式(現在の呼び名は「車軸サスペンション」)による独立縣架。車輪は鍛造合金の波打ち車輪で、直径は1,150mm。

 ブレーキは機関・排気ブレーキ併用応荷重応速度増圧付き電気指令式空気ブレーキを装備し、基礎ブレーキ装置は駆動台車が踏面両抱式、従台車が車軸ディスク。
 8センサー3チャンネル式アンチスキッドブレーキ、電磁直通ブレーキアダプターも備える。
  曲線通過速度は本則+10〜20km/h。


 許容最高速度130km/h、設計最高速度160km/h、最大引張力38,000kgf、連結器は自動解結付密着自動。

 起動最大加速度は、単機時4.5km/h/s、250t牽引時2.7km/h/s、500t牽引時2.0km/h/s。ちなみに221系は2.5km/h/s、キハ185系は2.0km/h/s。


 マスコンは電子制御による横軸21段自動進段式で、デジタル電気信号によってアナログファジー制御される。  ブレーキハンドルはデジタル電気信号アナログ制御による無軸応増圧式。

 触媒装置は地球環境を考慮し、科学反応によってNOxをNとOに分離して排出、分離しきれなかったNOxは集塵する、フィルター併用特殊三元化合触媒を搭載する。燃料タンク容量は4,500L。


 軸重可変装置を搭載するが、エンジン制御、変速制御、アンチスキッドブレーキ、アクティブサスペンションなど他の走行関係機器と一括してトラクションコントロールの管理下に置かれ、手動による制御は原則としてできない。トラクションコントロールについてもIC制御インバータエアコン、マルチディスプレイモニター、各種ウォーニングなど他の機器とともに車両総合管制システム(Automovil Total Control And Operation System)の管制下にある。



 92年3月には量産車が登場、94年度までに合わせて24両がJRT各社に納入された。

 JRT函館・室蘭本線、山陰本線で従来のDD51重連牽引を、DD150単機牽引に置き換えてスピードアップが図られた。特に山陰本線ではキハ181系気動車特急よりDD150牽引客車特急の方が到達時分が短くなるという逆転現象が起き、これがキハ381系投入の契機となった。

 量産車では、車輪がディスクキャリパ付き特殊鋳造合金に変更された、直径は1,150mmで変わらず。
 基礎ブレーキ装置は、駆動台車・従台車とも車輪ディスクに変更された。

 なお、車輪とブレーキ装置については、試作車も量産車と同一のものに改造された。

 また、粘着性能向上のために死重を搭載して、運転整備重量が96tに増加しており、先行試作車についても同様に改造された。



 現在はJRT貨物の五稜郭・鷲別機関区に配置され、函館・室蘭本線では20両編成のスーパーライナーを110km/hで牽引している。JRT西日本豊岡機関区にも2両が配置されて「出雲」の牽引に当たっていたが、これは2006年3月改正での「出雲」廃止に伴い、JRT貨物・鷲別機関区へ配転となった。

 さらに、製造元のシコク自動車でも6両を保有、各地の工場内の輸送や、工場とJRTの貨物ターミナルとの間の自動車輸送に使用している。


形式DD150形
最大寸法18,000 mm
2,970 mm
4,000 mm
運転整備重量96.0 t
軸配置B−2−B
車体普通鋼製
機関形式 R−SV12DK−METTI
(水冷V形12気筒 直噴式 48バルブSOHC)
(電子制御燃料噴射付き)
(空冷インタークーラー付きツインターボ)
総排気量59,644 cc × 2
出力 定格:2,250PS/1,900rpm × 2
最大:2,800PS/2,500rpm × 2
最大引張力38,000kgf
変速機形式 R−ECTC3S−322C
(フルレンジフルタイムロックアップ付き 3速自動変速式)
(3要素2段2相式)
歯数比最終減速比2.500
1速2.300
2速1.500
3速1.000
ブレーキ方式 応荷重・応速度増圧付き 電気指令式
機関・排気ブレーキ常時併用
ブレーキ装置試作車 駆動台車:踏面両抱き式
従台車:車軸ディスク
( → 車輪ディスクに改造)
アンチロック付き
量産車 車輪ディスク
アンチロック付き
台車形式・方式 S−DT150/S−TR150
セミアクティブサスペンション付き
固定軸距:2,800 mm
車輪直径:1,150 mm
許容最高速度 130km/h
(設計最高速度:160km/h)
曲線通過速度 450>R:本則+5km/h
R≧450:本則+10km/h
冷房装置 3,000 kcal/h × 2
強制換気付き



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