ヨ8000形 車掌車



土讃本線 讃岐財田駅
1985年3月



 国鉄時代、貨物列車の最後尾には車掌車または緩急車が連結されており、それまで使用されてきたヨ6000形等の改良増備、またそれ以前の老朽化した車掌車の置き換え用として、1974に登場した形式である。
 コンテナ車の車掌室を、従来のシャシに載せたようなスタイルで、デッキ部分に屋根が無いのが外観上の特徴である。

 2段リンク式の縣架装置を採用して最高速度は85km/hに向上し、製造開始当初は最高速度65km/hの旧型車が多く残存していた北海道と四国に重点的に投入された。
 設備面も、室内灯の蛍光灯化、暖房用石油ストーブの搭載、また2軸式車掌車として初めてトイレが設置されるなど、乗務環境が大幅に改善されている。

 1979年までの間に1,168両が製作され、国鉄を代表する車掌車の一つ。


 1986年に貨物列車への車掌車の連結が廃止されたため大量の余剰車が発生したが、国鉄分割民営化に際してもJR各社に合わせて336両が業務用途車として引き継がれた。

 JR四国でも4両を引き継いで保有していたが、1991年末をもって全て廃車となっている。



 なお、車掌車は一般の貨車と異なって配置区所が決められており、四国の場合はほとんどが高松運転所の配置であった。



土讃本線 讃岐財田駅
1981年9月

 このように、車両回送を兼ねて重連・三重連で運用されることも割とよくあった。

予讃本線 多度津駅
1982年11月

 突放作業をほぼ終えて、ヨだけが残った状態の入換列車。

予讃本線 多度津駅
1986年3月24日

 多度津駅で並んだ貨物列車の後部に連結されたヨ8000形。

 ちなみに、デッキ部の白いマークは石油ストーブが搭載されている車両であることを、また側面の手すりとステップが白く塗られている側にハンドブレーキが装備されていることを表している。

 なお、四国配置の同車はほとんどが初期の車輌であり、後期の車輌とは後尾標識灯やステップの形状が異なっている。



 2005年度末時点で、東日本、西日本、九州、貨物のJR会社に合わせて31両が残存している。


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