オハ35系 一般形客車



讃岐財田を発車する高知行223レのオハフ33−471
木製ドア・木製窓枠とほぼ原型の姿をとどめる、戦後型切妻車体

土讃本線 讃岐財田駅
1985年3月





 SL全盛時代の1939年、それまでの非鋼製客車や小型客車を置き換える目的で登場した初の全鋼製車体を持つ一般形客車。

 中間車のオハ35形と車掌室付きのオハフ33形を基本として、普通列車用国鉄旧型客車の標準型として量産され、1950年までの間にオハフ33形606両/オハ35形1,301両が製造された。
 この両形式の他にも様々なバリエーションが存在し、全国各地で活躍した。


 基本の両形式は戦前型/戦後型で形態が異なり、上写真のオハフ33−471号車は車体屋根端部が切妻になっている戦後形である。

 登場当初は茶色の車体であったが、後年青色車体に変更された車輌も多い。
 木製だった客室窓枠がアルミサッシに更改された車両や、ドアが木製から金属製に更新した車両、オハからオハフに改造された車両など、各種改造等が行われた車両も多く、末期には大変なバリエーションとなっていて、それだけで本が1冊出来るほどであった。


 1985年3月のダイヤ改正で、四国内の旧型客車列車は50系置き換えなどで一斉に姿を消し、オハ35系も他の旧型客車と共に現役を退いた。


 JR化後、イベント列車用として2両のオハフ33形が車籍復活し、大阪の宮原運転所に配属されて時折本線上を走行する姿が見られる。



土讃本線 讃岐財田駅
1981年9月

 4両編成中3両が35系で組成された、高知発高松行224レ。
 手前から3両目のみがオハ47形(43系)。

土讃本線 讃岐財田駅
1982年3月

 暖房のスチームをたなびかせて讃岐財田を発車する、土讃本線223レ最後尾のオハフ33−470。

 このように妻面にそのまんま梯子の設置された車両も存在した。
 この車両は窓枠は木製のままで、ドアが鋼製化&白Hゴム窓化されている。

土讃本線 琴平〜塩入間
1983年3月

 最後尾にオハフ33形、その前にオハ35形を連結した、高松発高知行223レ。

土讃本線 塩入駅
1983年8月20日

 「サヨナラDF50秘境号」は5両編成中4両は43系で組成されたが、上り方の1両(5号車)のみ35系が使用された。

 この日の5号車は、戦前形折妻車体のオハ35形から改造されたオハフ33−1009であった。

土讃本線 塩入〜黒川間
1985年2月

 スチームを残して走り去っていく、高知行223レ最後尾のオハフ33形。

 折妻車体に木製窓枠の戦前の姿をとどめている。

予讃本線 多度津駅
1985年3月

 多度津駅構内で廃車留置中の、ドアも窓枠も木製でほぼ原形をとどめている戦後型切妻車体のオハ35−728。


(基本形式のみ掲載)
形式
オハフ33形
オハ35形
寸法

20,000 mm

2,900 mm

4,025 mm
重量
30.7〜33.6 t
30.1〜31.2 t
車体
普通鋼
ブレーキ方式
AV
ブレーキ装置
踏面両抱
台車形式
TR23
許容最高速度
95km/h
車体構造・客室
2扉固定クロスシート
乗車定員
80
88


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