キクハ32形500番台
トロッコ車輌



キクハ32−501
土讃線 阿波池田駅
2020年10月31日



キクハ32−502
予讃線 香西〜鬼無間
2015年8月5日



 阿波池田〜大歩危間に運転される「おおぼけトロッコ号」用として1997年に新造された珍しい付随気動車。

 車体や走行機器がキハ32とほぼ共通であるため「32」形式となっているが、実際の運用では専用塗色の施されたキハ185形との併結となるため、キハ185系と同じCLEブレーキを装備することから、500番台で番号区分されている。
 また、キハ54形との併結も可能となっている。

 出入口扉は折り戸で客室窓ガラスは無く、エンジンは搭載しない。
 座席は難燃木材の向かい合わせボックスシート。


 2003年度に、さらに1両が増備され、現在2両が在籍する。
 この2両は、特にサイドや客室床部分に差異があるほか、車両重量も501号車が22t、502号車が24tと、502号車の方が若干重い。

 その後は、2両とも運用区間の変更などに伴って、その都度改装を受けつつ四国内を転々としている。
 以下、各車ごとに時系列順に記載。


キクハ32−501

 1997年落成。
 当初は阿波池田〜大歩危間の「おおぼけトロッコ号」として運用されたが、「おおぼけトロッコ号」の合間に、2003年春期には初代の「瀬戸大橋トロッコ号」として、また同年夏には予讃線海回りを走行する「夕焼けトロッコ号」として運行された。

 「おおぼけトロッコ号は」は「四国まんなか千年ものがたり」の運行開始に伴って運転終了となり、2017年9月に高知〜窪川間の「幕末維新号」としてリニューアルされた。

 しかし「幕末維新号」は、新たな「ものがたり」列車である「志国土佐夜明けのものがたり」の運行決定に伴い、わずか2年少々で運行を終了。
 運転終了後の2020年6月1日に、ペアを組むキハ185−20と共に従来の仕様のままで全検出場しているのが確認されたが、その後徳島線で運転される新たなトロッコ列車への改装が決まり、しばらくは徳島線で習熟運転を行っていた。

 その後多度津工場に入場し、2020年9月29日に「藍よしのがわトロッコ号」としてコンビを組むキハ185−20と共に出場、同年10月10日から営業運転を開始した。

 過去2度続けて「ものがたり列車」に追われて「転職」を余儀なくされた501号車であるが、今度はいつまでこの姿で活躍するのか、注目される。


土讃線 小歩危〜大歩危間
1998年9月15日

 第二吉野川橋梁を渡る「おおぼけトロッコ号」。
 列車はこの橋梁上で一旦停止&最徐行していた。

予讃線 宇多津駅
2003年3月30日

 「瀬戸大橋トロッコ号」も、一番最初の運転時は501号車を使用していた。

予讃線 伊予大洲駅
2003年8月10日

 「夕焼けトロッコ号」として予讃線の海回り線を運転したとき。

土讃線 讃岐財田駅
2009年9月20日

 キクハ32−501の車内(「おおぼけトロッコ」時代)。
「幕末維新号」のキクハ32−501

土讃線 襟野々〜斗賀野間
2019年9月29日
「幕末維新号」時代の車内

土讃線 高知駅
2019年9月29日

土讃線 斗賀野駅
2019年9月29日

土讃線 阿波池田駅
2020年10月31日

 2020年9月の大幅リニューアルで、新たに「藍よしのがわトロッコ号」に生まれ変わった501号車。

土讃線 阿波池田駅
2020年10月31日

 反対側は大きくカラーリングが異なる。


キクハ32−502

 2003年落成。

 「瀬戸大橋アンパンマントロッコ号」用で、当初は501号車とほぼ同じカラーリングだったが、2006年に「アンパンマントロッコ」専用に仕様変更され、同時にカラーリングも変更された。
 このとき、乗車定員が当初の52名から48名に変更となっている。

 なお、アンパンマンカラーリングは2015年3月21日から、現行の2代目デザインに変更となっている。
登場時のキクハ32−502

予讃線 宇多津駅
2003年10月4日
側面下部にも窓が設けられている

土讃線 阿波池田駅
2005年7月24日
アンパンマン仕様初代カラーリング

予讃線 八十場〜坂出間
2008年8月29日

予讃線 本山〜観音寺間
2020年9月28日


 現行のアンパンマンカラーリングに関して、当方手持ち画像で確認できる範囲では、上画像のように微妙に位置が違っているパターンが最低3つ確認できるほか、このいずれとも違うパターンも交友諸兄の画像から判明しており、2015年3月の塗り替え以降、少なくとも3回以上は貼り直しを行っている模様である。

 手作業ゆえの誤差なのであろう。




形式
キクハ32形500番台
501
502
寸法

15,800 mm

2,800 mm

3,620 mm
重量
22.0 t (501)
24.0 t (502)
車体
普通鋼
機関形式
出力

変速機

最終減速比

ブレーキ方式
CLE
ブレーキ装置
踏面片押
台車形式
TR51C
許容最高速度
95km/h
車体構造・客室
1扉クロスシート
乗車定員
61 (501)
48 (502)

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