コキ50000形 コンテナ車


コキ50000形
予讃線 多度津駅
2009年10月22日


 1959年から本格的にスタートしたコンテナ輸送の拡充に伴うコンテナの大型化(旧5tコンテナ→新5tコンテナ)に際して、それまで主力だったコキ5500形(最高速度85km/h:1959年登場)やコキ10000形(最高速度100km/h:1966年登場)では積載コンテナ数がそれまでの5個から4個に減少して輸送力が落ちることから、新規格のコンテナを5個積載でき、なおかつ最高速度95km/hでの運転が出来る新型のコンテナ車として1971年に登場したのがコキ50000形である。


 コキ50000形は鉄道貨物輸送の主役として勢力を拡大し、1974年までの3年間に3,281両もが量産された。コキ50000形に車掌室を装備したコキフ50000形も製作されたが、後年車掌室を撤去してコキ化された。

 台車は登場当初はコイルバネ式のTR223形であったが、1992年から台車の交換が進められ、数年ほどで全車がTR203F形台車化された。
 オリジナルカラーは鳶色であるが、輸送力増強のためのブレーキ装置の改良によって最高速度100km/hも可能となったコキ250000は淡緑色、110km/h対応としたコキ350000は黄かん色とされている。

 最高110km/h運用のコンテナ列車は順次コキ100系化されたため、概ね2000年代以降はコキ350000はコキ250000やコキ50000と混用されていた。

 2006年4月1日当時の残存数は3,309両で、単一形式としてはJR貨物保有貨車中の最大勢力となっており、コキ100系と共に主力として活躍していた。
 しかし2008年度以降は、正式にコキ50000形置き換えを目的としたコキ107形の本格的な増備が始まり、急速に勢力を縮小していった。

 2017年度初時点での残存数は462両であったが、2018年3月17日ダイヤ改正に合わせてコキ107形を442両増備し、コキ50000形の定期運用は終了した。



〜四国内の運用等〜

 四国においても登場直後から連絡船の貨車航送により乗り入れていたが、国鉄末期1980年代になると運行速度や需要と供給の関係からか、四国へは85km/h対応で積載効率も劣るコキ5500形が回されるようになり、コキ50000形の姿を見ることが無くなっていた。

 瀬戸大橋の開通した1988年4月改正から四国乗り入れが再開され、コキ100系の本格的な普及までは四国内の主力として運用された。
 2003年から2008年までの間、100km/h対応のコキ250000形が通常のコキ50000形と混用される形で日常的に乗り入れていたが、もちろん四国内での運転最高速度は95km/h止まりであった。

 コキ100系は大型コンテナを扱う高松・新居浜行貨物列車から順次導入が始まり、基本的にコキ50000形で運用されていた松山・伊予三島行貨物列車も、特に2013年以降は急速にコキ100系への置き換えが進んだ。

 小生が四国で定期列車として最後に見たのは、全国的な定期運用終了よりも1年早い2017年の4月であった。



予讃線 讃岐府中〜鴨川間
2003年3月30日

 25万番台車5両を含むオールコキ50000形20両編成で予讃線を行く金沢タ発高松タ行 高速貨75レ(当時)。

高松貨物ターミナル駅
2004年9月19日

 淡緑色に塗装された100km/h対応のコキ250000形。

予讃線 鴨川〜八十場間
2009年10月1日

 基本的にコキ50000形に積載が禁止されていた背高コンテナであるが、車両限界等に比較的余裕のある瀬戸大橋線区間ではランテックのUF42A等を積載して走行することもあった。

予讃線 詫間〜みの間
2017年2月19日

 高松発伊予三島行3079列車。
 最後尾に1両だけコキ50000形が連結されているのが判る。

予讃線 新居浜駅
2017年4月5日

 当方所蔵画像の中で、最後に四国内でコキ50000形が確認された画像。
 左手前から3両目と右上端最後部の合わせて2両がコキ50000形。

予讃線 新居浜駅
2008年11月2日

 上からフレームを見たところ。



形式コキ50000形コキ150000形コキ250000形コキ350000形
寸法20,400 mm
2,640 mm
2,098 mm
重量18.3 t
車体普通鋼
ブレーキ装置踏面片押
台車形式TR203F
許容最高速度95km/h100km/h110km/h
荷重37 t


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