8600系 特急形直流電車


いしづち24号+しおかぜ24号
予讃線 讃岐塩屋〜多度津間
2016年4月14日



詳細画像

8600系座席番号表


 予讃線特急「しおかぜ」「いしづち」で運用していた2000系の老朽置き換えを目的とした、直流形特急電車。
 貫通型先頭車のデザインは蒸気機関車をモチーフとして、社員が車両メーカーとの共同でデザイン設計を行った。


 シートピッチを在来車を踏襲した980mmとしながら、日よけ装置はカーテンを廃してロールアップブラインドを採用しているほか、客室照明にLEDを採用し、防犯カメラを搭載するなど、内装も含めて全面的にデザインが刷新されている。

 さらに、JR四国の車両として初めてシングルアームパンタグラフが搭載された。
 運転台制御機器は、8000系と同等の横軸式マスコン&縦軸式ブレーキハンドルとなっている。

 振子装置については採用は見送られ、空気ばねによる強制車体傾斜装置を搭載して、在来型の8000系振子式車両と同等の曲線通過速度を目指している。
 しかし、実際には車体傾斜角が小さくなることから完全に同等とまではいかず、通常0.08Gまでとされている曲線通過時の超過遠心力を0.1Gまで許容する措置を採っている。

 また、若干ながらも車体が傾斜することから、8000系と同等のワイヤ固定式パンタグラフ制御装置を採用しているが、制御用ワイヤの長寿命化(8000系と比較の場合)を図るため、曲線における台車の「首振り」が装置に影響を与えないように、台車への取付方法等が工夫されている。

 車体には衝撃吸収構造が導入され、前面から運転席背面まではサバイバルゾーン、運転席背面からデッキまでがクラッシャブルゾーンとなっている。


<運用等>

 2014年にまずは量産先行車としてモノクラス2両編成が2編成登場し、同年6月23日から「いしづち103/104号」運用を開始した。


 2015年10月に量産車10両(グリーン車付き基本3両編成/付属モノクラス2両編成が各2編成)が落成して同月中に四国へ新製回着しており、翌年春までの間に試運転や試乗会などが行われた。
 それを受ける形で、2016年3月26日のダイヤ改正で、「しおかぜ」4往復と「いしづち」5往復に充当されて本格的な営業運転を開始した。

 この時点で、所要14両/配置14両と予備車無しの運用となるため、点検時などは8000系が代走することがあった。


 2018年2月にグリーン車付きの基本3両編成が1編成増備され、同8日から営業運転に就いた。
 これに合わせ、同年3月17日のダイヤ改正から「しおかぜ/いしづち」のさらに1往復が8000系から8600系に置き換えられた。

 2022年3月12日改正では、「しおかぜ」一部列車の運転区間見直しに合わせて車両運用も一部変更され、8600系の「しおかぜ」使用列車が従来の5往復から4往復に減っている。


 現在、クロハ付き基本3両編成3本とモノクラス付属2両編成4本の、総勢17両全車が松山運転所の配置となっており、このうち基本3両編成1編成が予備車となっており、基本編成の点検代走だけでなく、付属編成の点検代走として「いしづち」運用に入ることもある。



高松運転所
2014年3月26日

 高松運転所に留置中の8752形ほか。

予讃線 多度津駅
2014年5月14日

 予讃線で試運転中のE11編成。

予讃線 多度津駅
2015年7月19日

 「代走いしづち」運用のため、8000系とともに多度津駅構内で待機中のE11/E12編成。

高松運転所
2015年11月4日

 2015年10月に高松に到着した「クロハ」仕様の8702形先頭のE2編成。

2015年11月4日
高松運転所

 連結されたE14編成−E1編成−E13編成。

予讃線 多度津駅
2016年2月10日

 松山へ向けて回送待機中のE1編成。

予讃線 讃岐塩屋〜多度津間
2018年5月3日

 2018年のGWから登場した、クロハ2両込みの「しおかぜ」8両編成。

予讃線 多度津駅
2018年5月3日

 2016年以降は「代走いしづち」は基本的に全て8600系の運転となっており、3編成の付属編成が多度津で並ぶシーンも見られる。

予讃線 本山〜観音寺間
2018年5月14日

 2018年春以降は、多客期以外でも「いしづち」にE1x付属編成の点検代走としてクロハを組み込んだ基本編成が入ることもあり、その際は「しおかぜ」との併結で8両編成となる。

予讃線 国分駅
2019年2月14日

 車体制御の一時的な不具合か、大きく傾斜角の差が付いたまま走行する珍しいシーン。




形式8600形8700形8750形8800形
側面海側 (↓8602形)

(↓8604形)
山側 (↓8601形)

(↓8605形)

量産車は側面上部のロゴが無い
屋根上 (8751形)

(量産車)
仕様等  上り向きの電動制御車であるが、パンタグラフは搭載していない。

 屋根上は冷房装置の他に、信号煙管・列車無線アンテナの「先頭車セット」を搭載。
 基本編成下り向きの先頭となる付随制御車で、半室グリーン車。
 車椅子対応設備のほか、多目的室を有する。

 付随車だがパンタグラフを搭載。
 付属編成下り向き先頭の付随制御車。
 車椅子対応設備を有する。

 屋根は8700形と基本的に同一だが、先行量産車は列車無線アンテナの形状が量産車と異なる。
 また、E11編成のの8751形のみ、後位側に謎の突起物がある。
 基本編成のみに連結される付随中間車で、トイレ・洗面所等の設備を持たない。

 屋根上も冷房装置以外に何も搭載していない。
記号Ts
製造数7343
製造者 川崎重工

製造年は西暦表示
車体寸法20,800 mm (全長 21,300mm)
2,834 mm
3,560 mm (屋根高さ)
パンタグラフ折畳み高3875.3 mm
重量 41.6 t (8601/8602)
41.9 t (8603〜)
39.0 t 41.1 t (8751/8752)
38.6 t (8753〜)
32.1 t
車体 ステンレス鋼板
先頭部:普通鋼板
制御方式 個別制御式
IGBT-VVVFインバータ制御
電動機形式
出力
S−MT63
220kW × 4
歯数比5.56
パンタグラフ形式 S−PS66
シングルアーム式

パンタグラフは下り向きの付随制御車に搭載され、
その部分は低屋根になっている
ワイヤ固定式
パンタグラフ制御装置付
ブレーキ方式 抑速ブレーキ併用 電空協調制御付
電気指令式空気ブレーキ
ブレーキ装置車輪ディスク車軸ディスク
フラット防止装置付
台車形式・方式等 S−DT66
(↓運転台側)

(↓通常タイプ)
S−TR66
(↓運転台側)

(↓ワイヤ固定装置付き)
S−TR66
(↓通常タイプ)
ボルスタレス式
空気ばね式車体傾斜制御付き
軸箱支持方式:軸はり式
最大傾斜角:2〜3度程度
車輪直径:810 mm/軸距:2,100 mm
台車中心間距離14,400 mm
連結器 運転台側:自動解結付密着連結器 電気連結器併用
妻面側:半永久連結器
許容最高速度 130km/h
(設計最高速度:140km/h)
曲線通過速度 400>R:本則+20km/h
600>R≧400:本則+25km/h
R≧600:本則+30km/h
補助電源装置 S−SIV150M
150kVA 静止型
出入口ドア数片引戸 × 2扉
冷房装置 AU721S
40,000 kcal/h × 1
シートピッチ グリーン:1,170 mm
普通:980 mm
床面高さ1,105 mm
乗車定員56 グリーン:12
普通:17
4568
その他
設備装置
客室普通車普通車
WC 洋式 × 1
男子小用 × 1
車椅子対応洋式 × 1
男子小用 × 1
洗面所
CPS-MH13-SC1600
備考自販機 身障者設備
多目的室
身障者設備
荷物置場





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