7200系 近郊形直流電車

R03編成

予讃線 多度津駅
2016年6月1日
R07編成

土讃線 琴平駅
2017年11月8日




 国鉄民営化を目前に控えた1987年3月23日のダイヤ改正で投入された121系電車の改造により、2016年に登場したのが7200系である。

 基本的に、車体のみ流用して走行関係機器についてはほぼ全面的に更新されている。

 制御方式は121系として登場当時既に時代遅れとなっていた直並列抵抗制御から、IGBT−VVVFインバータ制御方式に更新。
 台車についても、101系の廃車発生品のコイルバネ台車から、川崎重工製のCFRPフレームを持つ新世代軽量台車「ef−wing」に変更。


 ef−wing台車について(川崎重工サイト) ※リンクは予告無く切れる場合があります


 下り方先頭の7300形は三相連結器が追加されており、7100形を増結できるようになっている。
 なお、元々7000系の方が電気連結器の信号線を121系に合わせているため、在来121系も当初から7000系との併結運転自体は可能となっていたが、三相連結器の追加により他車からサービス電源の供給を受ける必要がある(付随車の)7100形も連結運転が可能となったものである。


 製造番号は、改造種車の121系の番号をそのまま継承。
 室内については、基本的に121系ワンマン仕様車をベースに、ワンマン対応設備の有無によって運転台背後の構造が異なり、その分定員も違っている。

 2019年2月18日に最後のR02編成が出場し、全19編成(内13編成ワンマン対応)が出揃った。


 7000系との併結運用も定期列車で普通に行われており、7100形を下り方に連結したパターンのほか、7000形を上り方に連結したパターン等複数のパターンがある。


編成種車製造元出場年月日備考
R01(*)日立2018/10/12LED前照灯
R02(*)近畿車輛2019/2/18LED前照灯
R03(*)川崎重工2016/6/13 シールドビーム
→2020/6/26 LED化
R04川崎重工2016/9/9 シールドビーム
→2017/8 LED化
R05近畿車輛2017/3/28 シールドビーム
→2017/8 LED化
R06(*)近畿車輛2018/2/20LED前照灯
R07(*)近畿車輛2017/11/7LED前照灯
R08(*)東急車輌2017/6/5 シールドビーム
→2021/5/21 LED化
R09東急車輌2017/2/28 シールドビーム
→2017/4〜12 LED化
R10(*)東急車輌2018/8/23LED前照灯
編成種車製造元出場年月日備考
R11(*)東急車輌2017/12/28LED前照灯
R12(*)日立2018/7/2LED前照灯
R13日立2016/10/28 シールドビーム
→2017/11 LED化
R14日立2016/12/6 シールドビーム
→2017/10〜12 LED化
R15(*)川崎重工2017/9/13LED前照灯
R16川崎重工2017/1/18LED前照灯
R17(*)川崎重工2017/7/20LED前照灯
R18(*)近畿車輛2018/12/11LED前照灯
R19(*)近畿車輛2018/3/28LED前照灯

(*)=ワンマン対応



予讃線 八十場駅
2017年10月18日

 2017年頃には7200系同士の並びも既に日常の光景となっていた。

予讃線 高松駅
2018年1月12日

 2017年以降は前照灯は基本的にLED化が進んでいるが、この2019年当時もまだシールドビームで残っていたR03編成。
 なお、この編成は2020年6月26日にLED化されて検査出場している。

予讃線 八十場〜坂出間駅
2018年4月12日

 7200系+7000形の各駅停車。

予讃線 本山〜観音寺間
2018年5月14日

 7000+7100形の前位(上り方)に7200系を増結した4連で走行する144M。

予讃線 本山〜観音寺間
2018年8月24日

 仮復旧中で徐行制限のかかっている財田川橋梁を通過する、営業運転開始2日目のピカピカのR10編成。

予讃線 高松駅
2018年12月11日

 2018年12月についに登場した「R18」編成w

土讃線 金蔵寺駅
2019年2月4日

 1ヶ月後の3月ダイヤ改正で四国乗り入れが終了する、JR西日本の115系湘南色とのツーショット。

予讃線 讃岐塩屋駅
2019年6月6日

 下り方に7000系を連結した4両編成の快速「サンポート」。

予讃線 鴨川駅
2019年6月24日

 逆に上り方に7000系を連結した4両編成もある。

 この場合、下り方から順に 7300形+7200形+7100形+7000形と形式名が逆順目になっているのが、解る人にしか解らないネタw



車体外観
7300形(R03)前頭部


 追加されたスカートに車番が記載され、7100形を連結するための三相連結器を装備、さらに貫通路上の方向幕がLED化されている。
7200形(R03)前頭部


 こちらは三相連結器が省略されている・・というか、追加されていない。
 

 2017年1月に出場したR16編成では、JR四国の車両では初めて前照灯にLEDが採用されている。
 当初はシールドビームで出場した編成も、その後順次LED化されており、2020年6月26日時点ではR08編成以外は全てLEDとなっている。


 LEDのヘッドライトは上下2つのユニットに分かれており、下半分がハイビーム用で、上半分はロービーム用としてわずかに下向きの角度がつけられている。


 R03編成をはじめとしたワンマン対応編成の乗車定員は132名で、121系ワンマン仕様車と同じになっている。


 R16編成等のワンマン非対応編成は、ワンマン対応車よりも乗車定員が4名多い136名となっている。
R03編成連結部


 転落防止幌が追加されている。

 窓の一部埋められてLED表示装置が設けられ、大きい方は行先方向幕、小さい方が出入口ドア表示で、この出入口ドア表示の有無がワンマン対応車と非対応車の外観上の識別点となっている。
R16編成連結部


 基本的にR03編成と同じだが、ワンマン非対応のため、戸袋窓部の小さい方のLEDが省略されている。


 老朽化によって隙間風や雨漏りの酷い物があった窓枠も全て更新されている。

 上側1/3のみが内側に開く内倒れ式となっている。


 7100形との連結用に三相連結器が増設された下り方(7300形)の連結器。

 上り方(7200形)は従来通りとなっている。


 正面の方向幕もLED化されている。

 但し撮影時には低速シャッターでないと表示が切れるタイプで、走行写真でLED表示を綺麗に撮し止めるには工夫が必要。


 側面行先表示LED。
 前位側に向かって左側最後部の窓の一部を埋めて設置されている。


 ワンマン仕様車の出入口ドア脇のLED。
 7000系等の場合は「出口」「入口」表示のみだが、7200系では「ワンマン」表示、さらに「締切」表示も出来るタイプとなっている。


 こうして並べると違いがよく判る。

 従来雨漏りの原因となっていた屋根上のベンチレータも全て撤去されている。


 R06編成下り方の7306形は、何故か屋根上の列車無線アンテナが曲がった状態で取り付けられている。
 改造種車であるクハ120−6も曲がっており(→121系の項を参照)、1993年にアンテナが取り付けられた当初からこの状態である可能性が高い。


室 内


 運転台はワンマン対応編成にワンマン関係機器が追加された以外は、特に変更されていない模様。

 抵抗制御時代からの古めかしい縦軸マスコン(そもそも101/103系の廃車発生部品)でインバータ制御という、なんともミスマッチな物となっている。


 非ワンマン対応のR14編成7314形の運転台付近。


 ワンマン対応のR06編成7306形の運転台付近。


 ワンマン仕様車に設置されている運賃箱。


 ワンマン仕様車の運転台背後に設置されている液晶パネル。
 運賃表示の他、次駅情報などの多重表示に対応している。

R03編成の客室内

 室内は、基本的に121系ワンマン仕様車と同一だが、防風版が設けられているなど、細部の仕様が異なっている。

R03編成妻面側客室端

 妻面側客室の仕様は、121系ワンマン仕様車と同一。

R14編成妻面側客室端

 防風板のデザインが異なるパターン。


 ボックスシートは基本的に121系のままで、モケットが張り替えられている。
 シートピッチは1,470mm


 ロングシート横の防風版は一見白無地だが、実はパンチ模様になっている(R03編成)。


 防風版のデザインは編成によって異なっており、R07編成ではすりガラス風デザインで形状も異なっている。


 座席モケット地のアップ(R07編成)。


 ドア脇の車椅子設置スペース(R03編成)。


 窓は上部だけが開く内倒れ式に変更されている。


 開いた状態。



<7200系運用>
(2021年3月13日改正)

 高松地区の主力として多くの列車に充当されている。

 7000系との併結列車がかなり多く、現在の定期運用では
←(下り向き)
 7100+(7300+7200) = 159M(快)/116M/126M(快)/154M(快)
 (7300+7200)+7000 = 105M/1219M/109M/137M/153M/104M/108M/112M/142M(快)
 7100+7000+(7300+7200) = 1213M/139M(快)/138M(快)
 (7300+7200)+7100+7000 = 1214M/162M

 の、4パターンが確認されている。


7200系のみの4両編成は下記の列車

 1221M/147M(快)/161M
 110M/1224M/132M/4166M

形式7200形7300形
製造元 日立製作所 (1,12,13,14)
近畿車輛 (2,5,6,7,18,19)
川崎重工 (3,4,15,16,17)
東急車輌 (8,9,10,11)
製造初年1986年
改造JR四国 多度津工場
改造初年2016年
改造両数1919
画像車体 (R03編成山側)


(R16編成海側)
(R03編成山側)


(R16編成海側)
 7200形が上り向き先頭車、7300形が下り向き先頭車。
 車体は基本的にほぼ121系のままで、目立つ相違点は帯の色や意匠の変更、転落防止幌とスカート、それにLED方向幕の追加や、窓枠更新程度にとどまっている。

 ワンマン対応編成では121系ワンマン仕様車と同様に、戸袋窓の一部を埋めてLED出入口表示器追加されており、これがワンマン対応車と非対応車の外観上の識別点となっている。
屋根
 屋根上はベンチレータが全て撤去された以外は、特に変更はない模様。
最大外寸20,000 mm
2,870 mm
4,140 mm
車体寸法19,500 mm
2,800 mm
3,670 mm
台車中心間距離13,800 mm
パンタグラフ
折り畳み高さ
3,995 mm
重量37.6 t28.5 t
車体ステンレス
電動機形式
出力
S-MT64
140 kw×4
駆動方式
歯数比
並行カルダン
6.07
ブレーキ方式 回生ブレーキ併用
応荷重付電気指令式空気ブレーキ
ブレーキ装置踏面片押
台車形式 S-DT67ef
S-TR67ef
軸距
車輪直径
2,100 mm
860 mm
パンタグラフ形式 S-PS58
補助電源 S-SIV150
(150kVA)
空気圧縮機 誘導電動機式
S-MH13-SC1100
冷房装置 AU79A
33,000 kcal
許容最高速度110km/h
曲線通過速度 R≧600:本則+15km/h
600>R≧300:本則+10km/h
300>R:本則+5km/h
出入口ドア両開3扉 × 3
ドア幅1,300 mm × 3
座席配置
シートピッチ
千鳥配置セミクロスシート
1,490 mm
床面高さ1,180 mm
乗車定員 ワンマン対応車:132(座席:52)
ワンマン非対応車:136(座席:56)


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