223系5000番台 近郊形電車


手前側3両が223系(但し2両目は2000番台車)
予讃線 国分〜讃岐府中間
2008年1月13日



 1987年に快速「備讃ライナー」として登場し、翌88年から快速「マリンライナー」となって瀬戸大橋線の主力として活躍している213系であるが、多少経年劣化しているのと、近年の新鋭車両と比べて相対的にに性能が低下していることから、瀬戸大橋線利用客の減少傾向に歯止めをかける狙いもあって、「マリンライナー」用の新型車両を投入することとし、そのJR西日本保有分として登場するのが223系5000番台である。


 京阪神地区新快速用として活躍している2000番台車をベースに、貫通路を使用することを前提として貫通幌が装備されている一方、2000番台車で採用されていた内倒れ式の側窓は廃止されている。
 基本的な走行装置も2000番台車と同一で、最高速度はもちろん130km/h。




運転台部分のJRマークの部分には形式番号も表記されている


 こちらは付属編成の2両編成のみとなっており、7編成14両が登場し、2003年10月のダイヤ改正で営業運転を開始した。
 しかしこの車両、「転換クロスシート」を謳いながら、実際に「転換」可能なのは、クモハ223の場合では補助席を除いても12列中半分の6列だけで、「セミ転換クロスシート」とでも言うべき車両である。



 クモハ223−5000の客室。

 補助席部分の金属プレートの表示が、新快速仕様と微妙に異なる。
 補助席は(建前上は)混雑時は使用不可となっている。


 2018年より、座席モケットを交換した車両が出現している。

 いずれ全車両に波及するものと思われる。

 客室窓の一部は非常時に換気が出来るように一部開閉可能となっており、その旨のシールが貼付されている。

 なお、このシールはJR四国の5000系には無い。

 クハ222−5000に設置されている車椅子対応トイレ。

 設置スペースを稼ぐために、台形状をしている。
 このため、この向かい側は座席は無くして車椅子用スペースとなっている。

 トイレ内。

 運転台。

 基本的に在来型を踏襲しており、JR西日本標準仕様の横軸2ハンドル式。

 一見四国の5000系と同じだが、停車駅接近警報装置が目立つ相違点。
 正面コンソール左上と、右手の液晶モニタの上に注目。
 また、TE装置のボタン等の配置も異なっている。


 運転台にカメラが設置されているのも、四国5000系との相違点。




 2007年7月1日改正ではこの5000番台車の中間に、利用者増加に対応して2000番台車のサハが組み込まれ、快速「マリンライナー」の増結が実現した。


 しかし2010年1月、景気後退などによる利用客減少を受けて、中間車の減車が行われ、1月19日から23日にかけて実施され、1月24日以降は付属編成は全て2両編成となり、結局元通りに戻ることになった。


←高松方岡山方→
2両編成時
1号車
2号車
5両編成時
4号車
5号車
7両編成時
4/6号車
5/7号車
P1編成 クハ222
5001
サハ223
2130
クモハ223
5001
P2編成 クハ222
5002
サハ223
2050
クモハ223
5002
P3編成 クハ222
5003
サハ223
2188
クモハ223
5003
P4編成 クハ222
5004
サハ223
2186
クモハ223
5004
P5編成 クハ222
5005
サハ223
2187
クモハ223
5005
P6編成 クハ222
5006
サハ223
2129
クモハ223
5006
P7編成 クハ222
5007
サハ223
2131
クモハ223
5007

※中間の223系2000番台車は、2007年7月1日〜2010年1月23日まで連結。



製造中の様子
(川崎重工兵庫工場:当時はまだ堂々と構内撮影可能)

2003年6月22日

 製造中の223−5000系と5000系。
 左の妻面を見せている車両が5000系。

 スカートの形状が、営業運転開始後と異なっているのに注目。

2003年6月22日

 幕は「新快速」。

2003年6月22日

 此方は「普通」幕のクモハ223−5005。
 営業運転では付かない、幌が付いているのも注目。



試運転中の様子
(5000系側の試運転画像は、5000系の項に掲載)
(2枚とも)
予讃線 八十場駅
2003年9月13日

 この時点でも、まだスカートの形状は営業運転後と異なっており、このあと車両基地または工場で改修されたものと思われる。






形式名 クモハ223形
5000番台
クハ222形
5000番台
サハ223
2000番台
製造元川崎重工 川崎重工
近畿車輛
製造両数77
形式写真車体クモハ223−5000クハ223−5000
 主電動機とインバータ発電装置を搭載し、パンタグラフを有する岡山方先頭車。
 JRマークの色が白になる以外は、5000形と同一仕様。
 付随制御車となる高松方先頭車。
 車椅子対応トイレを有する。
 運転台の無い中間付随車。
 2000番台車は側面窓の左右各4カ所が内側に倒れる構造になっているのが、5000番台車との相違点。また、窓周りのブラウンの塗り分けも異なる。
屋根上
 5000形と同一機器配置となるクモハ223-5000の屋根上。
 見分けるのはほぼ不可能?(^^;
 クハ222-5000の屋根上。
 冷房装置と、列車無線アンテナ、それに信号煙管を搭載。
 5000系の5200形と同様に、屋根上は冷房装置以外は何も無い。
 一見すると5200形と同じに見えるが、ビード(直線状の突起)の数が異なる。
寸法
( )内車体寸法
20,860
(20,460)
20,000
(19,500)
2,950

( )内屋根高さ
4,030
(3,640)
台車中心間距離13,800 mm
パンタグラフ
折り畳み高さ
4,120
重量 (t)41.139.029.0
車体ステンレス
電動機形式
出力
WMT102B
220kWh × 4
歯数比6.53
ブレーキ方式 回生ブレーキ併用
抑速ブレーキ付き電気指令式空気ブレーキ
ブレーキ装置踏面片押 車軸ディスク
+踏面片押
台車形式WDT59WTR249WTR243
軸距
車輪直径
2,100 mm
860 mm
パンタグラフ形式W-PS27D
補助電源 150kVA 静止型
WPC10
空気圧縮機 WMH3098-WRC1600
1600l/min
冷房装置 WAU705A
20,000 kcal × 2
客室暖房装置
許容最高速度130km/h
加減速度 加速度 2.5km/h/S
常用最大減速度 4.3km/h/S
非常減速度 5.2km/h/S
車体構造・客室3扉転換式クロスシート
シートピッチ910 mm
床面高さ1,130 mm
乗車定員 座席:48
(補助席使用時:
64)
立席:82
(補助席使用時:70)
合計:130
(補助席使用時:134)
座席:40
(補助席使用時:
56)
立席:86
(補助席使用時:74)
合計:126
(補助席使用時:130)
座席:56
(補助席使用時:
72)
立席:85
(補助席使用時:73)
合計:141
(補助席使用時:145)


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