121系 近郊形直流電車


予讃線 八十場駅
2008年9月25日


2011年末に登場したワンマン仕様車
赤い帯と後付けのスカートが特徴

予讃線 高松駅
2012年2月18日



 国鉄民営化を目前に控えた昭和62年3月23日のダイヤ改正で、四国の国鉄線で初の電化区間を走る、国鉄としては四国では最初で最後の電車である。

 車体は当時流行のステンレスとされたが、主幹制御器や台車、主電動機などの足回りやパンタグラフは、廃車になった101系通勤電車のものが流用され、制御方式も当時既に時代遅れとなっていた直列弱界磁制御方式、また側面窓も流行に逆行する一段上昇式でしかも半分までしか開かないなど、早い話がデビューした時点で既に時代遅れとなっているあたり、いかにも中央(東京:旧国鉄本社)で地方向けに手抜き設計したという感じの、車体が頑丈なだけが取り柄と言っても良い急造の安物電車。

 やたら五月蠅くてそのくせ遅く、しかも乗り心地も悪い上に、ボックスシートのシートピッチも狭く、個人的には嫌いな車両である。

 車両内外の騒音も大きく、130km/hで走っている8000系よりも、80〜90km/hで走っている121系の方が車内騒音も車外騒音も大きい。とにかく、ただ五月蠅いだけの電車である。



 ブレーキ方式は最新の電気指令式となっているが、廃車発生品の台車を履いている関係でブレーキそのものが弱く、最高速度は100km/h止まりである。

 ワンマン運転には対応していないため、比較的利用客の多い高松近郊の都市圏輸送に活躍している。
 2両編成が基本で、19編成38両が製造された。

 登場当初は車体の帯(ラインカラー)はローズピンクであったが、JR化後の87年秋頃に、早くも他の車両に先駆けてコーポレートカラーであるスカイブルーに変更されている。ちなみにこの帯は塗装ではなくテープ(シール)である。


四国回着後、工場入場のため多度津まで回送されてきた、新製直後の121系
1987年 多度津駅


 登場時は国鉄民営化の時期と重なり、予讃線・高松都市圏の普通電車に「サンシャトル」の愛称が付与され、そのヘッドマークを掲げて走っていた。
 この「サンシャトル」のヘッドマークは、1990年頃にデザインが変更されているが、1993年春頃以降は使用されなくなった。


1988年8月
予讃線 国分〜讃岐府中間

1992年1月
予讃線 国分〜讃岐府中間



 1993年から94年までの間、事故防止を図るため、試験的に正面のヘッドライト周りの帯を朱色の警戒色としていた時期があった。
 結局期待されたほどの効果がなかったためか、1年程度で全て元のコーポレートカラー(青26号)に戻された。なお、JR四国内で全ての列車について、昼間でも前照灯を点灯するようになったのは、それからさらに2年以上後の1996年後半からであり、ごく一部に見られる警戒色をやめてすぐライト点灯をはじめたという記述は誤りである。


朱色の警戒色をまとっていた頃、
「快速 リレー号」のHMを掲げて走る121系

1993年4月
予讃線 香西〜鬼無間


 なおクモハ121形については、1〜17号車のMG装置(サービス用電源発電装置)が、SIV(静止型インバータ:S−SIV70形)に交換されて、以前に比べて騒音が小さくなっている。
 18・19号車については、補助電源はクモハではなくクハに搭載され、90kVA対応のS−SIV90形と、形式も異なっている。

※ちなみに元から付いていたMG装置は、廃車になった特急形電車(サシ484形)の廃車発生部品であり、元々古いものであったことから故障が頻発していたらしい

 また落成当初は、パンタグラフは廃車発生品のPS16形を搭載していたが、香川・愛媛県境の鳥越トンネルが1992年に電化された際、そのままではそのトンネルを通過できないことから、全車両について7000系と同じS−PS58形に換装している。


 2004年に、「第24回 全国豊かな海づくり大会」に協賛する形で、クモハ121/クハ120−11に、「おさかなラッピング」が施された。
 このラッピングは同年中には元に戻されている。


2004年9月12日
多度津駅


 乗務員室が狭くて運転席背後のスペースが無いため、一部の無人駅では後部車両の乗務員ドアから車掌さんが駆けて集札に来る(ご苦労さんです)など、傍目にも相当使い勝手の悪そうな車両でもある。


 2両編成19本、合わせて38両全車が高松運転所に健在で、快速「サンポート」をはじめとした高松地区普通列車の主力としても活躍している。
 運用範囲は、予讃線が伊予西条までと、土讃線の琴平までで、高松近郊区間の普通列車は半分以上が121系で運転されている。


 
 2011年12月に、ワンマン運転対応車が登場。
 運転台背後に料金箱と運賃表を、さらに両端出入口横に整理券発行機を設置。さらに、室内貫通路上にはLED案内表示器も追加されているほか、運転台側出入口ドア横に車椅子用スペースが設けられている。
 これに合わせて、乗車定員がオリジナルの118名から132名に増加している(座席定員は10名減少)。

 外観では、帯が登場時と同じ赤14号(京葉線カラー)に変更されたほか、後付け感満点のスカートが取り付けられている。
 また、車体に向かって両端の出入口ドア左側の戸袋窓の上部半分を埋てLED表示器が設置され、ワンマン運転時に「入口」「出口」などの表示を行っているほか、LED式の側面方向幕が追加されている。
 さらに連結面には転落防止幌まで追加されており、比較的大がかりな改造が行われている。

 2012年2月現在、クハ+クモハの各1・2号車の2編成が改造済みで、高松地区で運用中。日中の坂出折り返し列車に充当されている模様。

 なおワンマン運転時には、後ろの車両を締め切って、前側の1両だけで営業運転を行っている



運転台
後年追加されたドア開閉ボタン
車外からドアに向かって左側に設置されている
客室(標準型)

客室(ワンマン対応車)
7000系タイプの室内に改装されている

ワンマン対応車の運転台付近

右側のドア右手が車椅子スペース

ワンマン対応車は後位側にも整理券発行機を設置
貫通路上にはLED案内表示器も設置

戸袋窓を埋めて出入口表示を設置

さらにLED式の方向幕のほか、
転落防止幌も追加されている


ところで、ドア開閉ボタンの画像を撮っているうちに、気づいたことが・・・


メーカーと形式表記の微妙な関係・・・
日立製作所製の車両は、中央扉に向かって運転台側に形式名を表記
(下記画像は、「−14」は海側を、「−1」は山側を撮影)
近畿車輛製も、同様に「中央扉に向かって運転台側」だが・・・
(下記画像は海側を撮影)
川崎重工製は、「中央扉に向かって上り方」になっている
(下記画像は、「−4」は海側を、「−16」は山側を撮影)
東急車輌製も、同様に「上り方」になっている
(下記画像は海側を撮影)

 つまり、、、中央扉の車外側の開閉スイッチと、形式表記の位置関係を、中央扉の位置を基準に見た場合、、、、

<日立製作所製><近畿車輛製>
 海側では、クモハの場合は同じ側に、クハの場合は逆側に位置する。
 山側では、海側の逆になる。

<川崎重工製><東急車輌製>
 クハ/クモハともに、海側では同じ側に、山側では反対側に位置する。


 ・・・となるようだ(^^;




 しかし、このメーカによる形式表記の違い、、、この20年間、気づかなかったわ\火暴/



形式 クモハ121形
クハ120形
製造元東急車輌/近畿車輛/日立製作所/川崎重工
製造初年1986年
製造両数1919
画像車体クモハ121クハ210
 高松方に連結される電動制御車。 下り方に連結される付随制御車。


 ワンマン仕様車。
 車体に向かって両端の出入口扉の左側の戸袋窓の一部が埋められ、出入口表示のLEDが設置されている。
 ワンマン仕様車。
 後付けのスカートが結構目立つ。
屋根上
 パンタグラフ、避雷器、無線アンテナ、信号煙管、冷房装置、それにベンチレータとほぼ一通りの機器類が載っている屋根上。  クハ120は、クモハ121と比較して、パンタと避雷器が無い代わりに、ベンチレータが2個多い。
 両形式とも、無線アンテナは後付けだったため、その周囲に取付痕がかすかに残る。
 正面向かって左上の3桁の数字は、100の位「0」がクハを、「1」がクモハを示し、下2桁は製造番号を表している。
 「001」は「クハ120−1」のこと、「117」は「クモハ121−17」のことになる。
最大外寸20,000 mm
2,950 mm
3,919 mm
台車中心間距離13,800 mm
パンタグラフ
折り畳み高さ
3,995 mm
重量37.3 t32.0 t
車体ステンレス
電動機形式
出力
MT55A
110kw×4
歯数比6.07
ブレーキ方式 発電ブレーキ併用
電気指令式空気ブレーキ
ブレーキ装置踏面片押車軸ディスク
台車形式 DT33A

TR21T

軸距
車輪直径
2,100 mm
860 mm
パンタグラフ形式S-PS58
補助電源 70kVA 静止型
S-SIV70
(1〜17)
90kVA 静止型
S-SIV90
(18〜19)
空気圧縮機MH80A-C1000
冷房装置 AU79A
33,000 kcal
客室暖房装置11.7 kW
許容最高速度100km/h
車体構造・客室3扉セミクロスシート
ドア幅1,300 mm × 3
シートピッチ1,490 mm
床面高さ1,200 mm
乗車定員 通常タイプ:118(座席:62)
ワンマン対応タイプ:132(座席:52)

※さらに詳細はスペック一覧表参照

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