111系 近郊形直流電車

大目玉車

予讃線 丸亀駅
1993年8月
小目玉シールドビーム車

予讃線 香西〜鬼無間
1993年5月



 JR化後、電車運転の拡大に伴って121系電車だけでは車両数の不足をきたしたため、JR東海で廃車・余剰となっていたモノを1987年に購入して使用していた車両。

 この車両、元を正せば1962年に東海道本線に登場した初の近郊形電車で、四国に来た車両もその頃登場した初期の車両で、既に経年25年という年代物であった。
 四国に渡って来たのは4両編成5本の20両で、客室内を全面リニューアルし、塗装も変更された上で活躍を開始した。

 先頭車のヘッドライトには上写真のように2種類の大きさのものがあった。

 当初は瀬戸大橋を渡って岡山まで顔を見せ、瀬戸大橋博覧会開催中は臨時快速列車としても運用されていた。



 運用開始当初は非冷房であったが、1987〜1989年度にかけて全車冷房化された。

 また正面の方向幕は1990年頃に、それまでの列車種別表示から行先表示の物に交換されている。

 後継である6000系が1996年に登場すると活躍の場は狭まり、その後1998年頃には側面のサボの使用を止めている(121系も同時)。

 さらに老朽化に伴う後継車として2000年に113系更新車が登場したことによって完全に置き換えられ、2001年3月一杯で現役を退いた。

 最後まで残った2編成のうちの1本は、登場時のカラーであるオレンジとグリーンのツートンの湘南色に戻され、もう1本の四国色の編成や、後継である113系改造車と共に撮影会なども行われて有終の美を飾り、40年にあまる活躍にピリオドを打った。



←観音寺・琴平方
←岡山方(岡山〜高松間臨時快速運用時のみ)
高松・岡山方→
クハ111−2モハ111−3モハ110−3クハ111−3001
クハ111−29モハ111−4モハ110−4クハ111−3002
クハ111−27モハ111−13モハ110−13クハ111−317
クハ111−28モハ111−24モハ110−24クハ111−303
クハ111−6モハ111−36モハ110−36クハ111−323
※クハの300番台車(及び0番台車から改造の3000番台車)は本来下り向きであるが、
四国では編成全体を逆向きにして運用されていた。





予讃線 国分〜讃岐府中間
1988年8月

 瀬戸大橋開業記念ヘッドマークを掲げて、臨時快速運用に就く111系。

山陽本線 岡山駅
1989年5月

 初代「サンシャトル」のヘッドマークを掲げて瀬戸大橋線運用で岡山まで乗り入れた111系。

 正面貫通路上の幕は、この当時までは列車種別表示であったが、1990年度に行先表示の物に交換された模様。

土讃線 琴平駅
1991年1月1日

 大晦日〜元日の終夜運転により、未明の琴平駅に到着した111系。
 方向幕が行先表示に、またサンシャトルのヘッドマークが2代目の物に変わっている(2代目に変わったのは1990年の元日から)。

予讃線 多度津駅
1991年7月24日

 狙って撮ったものではないので非常に写りが悪いが、この当時中間のモハユニットにUCCコーヒーとコカ・コーラのラッピング広告が貼られた編成が各1編成づつ存在した。現在に続くラッピング広告電車のはしりとも言うべき物である。

 画像はUCCコーヒーの方で、(モハ110+111)−13ユニットに貼付されていた。
 ちなみにコカ・コーラの広告は(モハ110+111)−36ユニットであった。

宇野線 大元駅
1993年2月20日

 1990年頃からと思われるが、瀬戸大橋線運用時は「サンシャトル」ヘッドマークの上から、ステンレス板で目隠しをするようになった(クハ111−28)。

予讃線 八十場駅
1994年1月

 前面方向幕がLED化されていたクハ111−2。

 93年3月改正以降は「サンシャトル」のヘッドマークの掲出は無くなり、取付枠も撤去されたが、貫通路部分の取付バーは残っていた。

予讃線 鬼無駅
2000年2月2日

予讃線 讃岐塩屋〜多度津間
2000年5月28日

 ヘッドマークを掲げた小目玉シールドビームのクハ111−303を最後尾にした、予讃線の多度津行ローカル。

予讃線 讃岐府中〜鴨川間
2000年6月

 引退を目前に控えて専用ヘッドマークを掲げて走行する111系(クハ111−3002)。
 ヘッドマークは、←左の物と色合いが異なり、2パターンあった模様。

多度津工場内
2003年10月19日

 引退直前に湘南色に復元された後、多度津工場内で廃車留置中のクハ111−3002。

多度津工場内
2005年10月5日

 2001年の廃車後も、相当期間工場内で(見える状態で)保存されていた頃のクハ111−3002。
 時期ははっきりしないが、2010年代後半ぐらいについに解体された模様である。




形式
クハ111
モハ110形
モハ111形
寸法

20,000 mm

2,950 mm

4,077 mm
パンタグラフ
折り畳み高さ

4,140 mm

重量
32.0 t
37.3 t
37.3 t
車体
普通鋼
電動機形式
出力

S-MT46
100kw×4
歯数比

4.82
ブレーキ方式
SDE発電ブレーキ併用
電磁直通ブレーキ
ブレーキ装置
車軸ディスク
踏面片押
台車形式
TR62
DT21B
パンタグラフ形式

PS16
(*1)

許容最高速度
100km/h
車体構造・客室
3扉セミクロスシート
乗車定員
116(座席:64)
128(座席:76)

(*1)モハ110-4/13 は1993年3月にS-PS58に交換


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