DD13形 液体式ディーゼル機関車


大阪・交通科学博物館に保存中の638号機
ちなみに、この向かって右隣には四国仕様のDF50−18号機が置いてある



 特に都市部のヤードにおける蒸気機関車の煤煙などが問題視されたため、それらを置き換えることを主目的として開発された小型のディーゼル機関車である。
 当時国鉄が保有していた入換用ディーゼル機関車は、米国から輸入した10数両のみで、性能も低かったため、それらを置き換えることも目的だった。

 1958年から1967年までに、基本番台264両、300番台83両、500番台18両、600番台51両の、合わせて416両が製造された。
 1961年製造の111号以降はマイナーチェンジ車である。


 軸配置はB0−B0の4軸駆動で、エンジンは直列6気筒で排気量31リッターのDMF31Sを2台搭載し、定格出力は370×2=740PSであった。
 2台のエンジンからの出力は、一旦運転席床下に設置された逆転機に集められ、その後前後のの台車に振り分けられる構造となっている。

 マイナーチェンジを受けた111号機以降は前照灯が2灯となり、エンジンも出力500PSのDMF31SBにパワーアップした。また冷却ファンもベルト駆動から流体継手に変更された。


 当初は入換のほか小運転にも用いられたが、軸重が重くて丙線規格のローカル線に入線できないほか、列車暖房装置を搭載していないので特に冬季の客車列車牽引に不向きという欠点があったため、これらを解消したDE10形が1967年に登場して、DD13形の製造は打ち切られた。

 そして国鉄末期、大幅な赤字の解消策として、ヤード系輸送から直行系輸送への貨物輸送システムの変革と、貨物列車そのものの削減によって、大量に余剰車が発生。DD13形としてJRに継承された車両は皆無だった。

 性能・サイズとも手頃なことから、現在も一部の私鉄や臨海鉄道などでは国鉄払い下げ(または譲渡)機や、同一設計の同型機が多数活躍している。



 四国への配置実績があるという事実は意外と知られていないが、1965年に松山気動車区に214号機が配備されたのを皮切りに、1969年の時点では高松に6両(220,318,342,343,344,380)、松山に1両(214)の合わせて7両が配置されていた。
 だがこれらは全て、上記の軸重や列車暖房などの問題からDE10形に置き換えられたらしく、1969年から70年にかけて全て姿を消しており、四国での活躍は5年程度であった。


形式 DD13形
300番台
寸法 13,600 mm
2,846 mm
3,772 mm
重量56.0 t
車体普通鋼
機関形式
出力
DMF31SB
500PS/1,300rpm ×2
変速機DS1.2/1.3
最終減速比3.143
ブレーキ方式 手ブレーキ付
DL14B空気ブレーキ
ブレーキ装置踏面両抱
台車形式DT113E
許容最高速度70 km/h


検索サイトから直接来られた方は、ここをクリックしてTopに移動できます