キロ47形1400番台
「伊予灘ものがたり」


予讃線 高松駅
2014年7月20日


〜概要〜

 事実上のJR四国初の観光列車として2014年に登場。

 伊予灘の風景を見ながら愛媛ならではの食事を楽しむことを目的としており、室内も料亭風のデザインとなっている。
 全車グリーン車指定席の扱いで、乗車定員は2両とも25名で、1列車で50名となっている。

 トイレ部分については、車椅子対応の洋式に変更され、別途洗面所も新設された。


 車体には既に車籍を失っていたキハ47形の501/1501号車を種車にしており、空気バネ台車を装備する。

 種車の窓・ドア配置を生かしつつ、前位側のドアを埋め、窓も下部を一部埋めた上で海側は全て固定窓化されているが、山側はユニットサッシとなっている。
 元の戸袋窓の部分についても開口部は広げずに固定化しており、工程数の削減を図ったものと思われる。
 屋根上のベンチレータは全て撤去されている。


 2016年度末にはやくもトイレ増設等の内装一部変更が行われ、新たにキロ47−501の窓が2カ所埋められた。


 2014年7月26日から営業運転を開始し、予讃線の松山〜伊予大洲間と松山〜八幡浜間(いずれも伊予長浜経由)を土日と祝日にそれぞれ1往復の、合計2往復運行されている。



〜改造種車〜

<1号車:キロ47−1401>
<2号車:キロ47−1402>

 種車は、キロ47−1401がキハ47−501、キロ47−1402がキハ47−1501。

 2両とも1978年7月新潟鉄鋼製で、床下機器に簡易カバーが付いたり、暖房が強化された寒地向けの車両で、空気バネ台車を装備。

 新潟運転所(当時)に新製配置され、越後線や弥彦線といった新潟地区の非電化路線を中心に運用されていたが、同路線の電化に伴い1985年4月に高松運転所に転属。
 その後はあたかも2両セットで四国内を移動し、1986年に高知気動車区(当時)、1988年に徳島運転所に転属。
 その間、1987年から88年までの間に、首都圏色からJR四国色への塗色変更と冷房改造が行われた。

 老朽化に伴い、2011年3月末をもって廃車となったが、空気バネ台車装備による乗り心地の良さを買われたのか、2014年に「伊予灘ものがたり」の改造種車となって復活を遂げた。




 1号車後位側のロゴ。


 車体サイドのロゴは、1号車がかな漢字、2号車がローマ字となっている。



 1号車出入口付近。


 こちらは2号車。


 JR四国の気動車として初めて転落防止幌を装備。
 カラーリングは、1号車は赤が基本で、2号車は赤とオレンジのツートンをベースとし、いずれもゴールドのラインとロゴが入る。ドア部分はブラウン。両先頭車の貫通扉部分にもロゴが入っている。
 また、給水口の蓋が水色に塗装されている。




 2021年3月に、キハ185系をベースとした第2世代の「伊予灘ものがたり」を同年12月に投入し、入れ替わりにキロ47形は引退することが公式発表された。


 2022年1月17日に、京都鉄道博物館での最後の展示に備えて松山運転所を離れて回送された。
 展示終了後は一旦松山運転所まで返却回送され、キロ185−1400系の2代目と並んで撮影会等が行われた後、2022年4月4日に廃車回送された。



回送時点で、既に正面貫通路のエンブレムは外されていた
どこかに保存するために、盗難対策も兼ねて早々に撤去したのであろうか?
(2枚とも)
予讃線 海岸寺〜詫間間
2022年4月4日




形式 キロ47形
−1401
キロ47形
−1402
改造種車キハ47-501キハ47-1501
車体海側
山側

製造元新潟鐵工所
製造年次1978.7.
改造施工多度津工場
改造年次2014
寸法21,300 mm
2,930 mm
4,055 mm
重量

車体普通鋼
機関形式
出力
DMF15HSA
220PS/1,600rpm


冷房駆動用のサブエンジン


いずれも多度津工場にて、
改造種車となったキハ47−501のもの
変速機 DW1
(変速1段・直結1段手動変速)
最終減速比2.995
ブレーキ方式 機関ブレーキ付
CLE
ブレーキ装置踏面片押
台車形式 DT44C
TR227
許容最高速度95km/h
車体構造・客室1扉
トイレ・洗面所 有り
(車椅子対応洋式)
無し
乗車定員2525




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