3600系 一般形ハイブリッド式気動車


2026年2月5日
多度津工場にて

2026年2月5日
予讃線 多度津駅


2026年6月29日
土讃線 阿波池田駅



 JR四国では、国鉄時代からのローカル用気動車の置き換えのため1000形気動車(1989〜96年度:56両)および1500形気動車(2006〜2013年度:34両)をこれまで投入してきたが、なお残存するキハ40系のほか国鉄末期に投入されたキハ32/54形等の置き換えを目的として製造されたのが3600系である。

 2021年頃から仕様等についての検討が始まり、2023年度に「新型ハイブリッド式気動車」として入札・落札公示が行われて近畿車両が製造を担当することになった。
 2025年度に先行量産車4両を投入して各種試験等ののち2026年度から営業運転を行い、2027年度から量産車の投入が計画されている。


 2025年12月18日に甲種輸送が行われて近畿車両を出発し、翌19日早朝に高松に到着した

 3600系甲種輸送・高松到着時の画像(別タブで開きます)

 その後各路線で試運転等が行われ、2026年4月28日に、同年6月27日から営業運転に入ることが公式に発表された(充当列車は本項末↓参照)。



 下り向き(徳島線内は上り向き:以下同)の3650形と上り向き(徳島線内は下り向き:以下同)の3600形の2形式2両で1編成を組み、35編成70両導入の予定となっている。

 これによって置き換えられる車両の具体的な形式等は公式に明らかにされていないが、計画発表時点におけるキハ40系・キハ185形3000番台・キハ54形・キハ32形・1000形第1次車の在籍数が、明示された置き換え対象車両数(86両)と一致することから、これらの車両が置き換え対象であると考えられる。


 駆動システムはシリーズハイブリッド方式で、エンジンは1500形に搭載されたものと同型のSA6D140HE−3で450馬力を発揮する。
 コレによって発電機を回し、前位側の台車に搭載した115kWのモーター2基を駆動する。

 ブレーキは 応荷重増圧付きの電気指令式空気ブレーキで、回生ブレーキと耐雪ブレーキも備える。基礎ブレーキ装置は踏面片押し。
 このほか、回生ブレーキの失効対策として余剰電力で発電機を回してエンジンを”逆駆動”するシステムを備えてる模様である。とある資料では「排気ブレーキ」と称しているようであるが、個人的には本来の排気ブレーキとは根本的に動作原理が異なるので、別の名前にした方が良いように思える(閑話休題)。

 台車はS−DT74/TR74で、JR四国の気動車としては初めて、軸梁式軸箱支持装置を採用している(下記諸元表掲載の画像参照)。

 許容最高速度は100km/h。


 室内は、3650形はオールロングシートで車端側に車いすに対応したトイレを備え、3600形はセミクロスシートでボックス席を3つ備えている。
 クロスシートのシートピッチは1,540mm。

 乗降ドアは幅1.3mの両開きドアを各車片側3カ所備え、半自動に対応した開閉ボタンがある。
 ドア開閉装置は電気駆動式となっており、ドア挟み込み時の自動開き機能を搭載している(いずれもJR四国の車両としては初)。

 側面窓は一見すると二段窓に見えるが、下段固定・上段下降式で、フリーストップではなくラッチの付いた5段調節窓。

 ワンマン運転にも対応し、料金箱等を備え、運転助手席側(第1位端側)は半室構造となっている。



外観画像


 ハイブリッドを大きくアピールするロゴ。

前面スカート回り

 近畿製1500形とほぼ同様な作りとなっているが、手すりとステップの幅が狭く、スカートにボルト留めの蓋が付くなどの相違がある。


 連結器は、電気連結器併用密着連結器。
 自動解結付き。


 運転台側の連結部。



 妻連結部は半永久連結器となっている。


 エンジンが後位側にあり、第3位側にある消音器から真上に向けて排気管が立ち上がっている。

窓枠部分

 下段側は恐らく固定で上段側が下降する模様?

出入口ドア監視用カメラ

 側面の3つのドアの内、ワンマン運転時に使用する前後2つのドアには監視カメラが設置されている。
 これは前位側ドアのカメラ。

側面方向幕とドア監視カメラ

 方向幕はLED表示で、車体の第3位側側面に1カ所設置されている。

 左に見えるのは、後位側ドアの監視カメラ。


 前面の方向幕。
 方向幕はいずれも、1500形および1200形のLED車と共通部品ではないかと思われる。

前照灯

 高輝度LED。こちらは腰部に設置のもの。


 上部に設置された前照灯と、後部標識灯。


 室外側のドア開きボタン。
 出入口表示装置と、車外スピーカーも備える。


 出入口ドア上に設置された大型の案内表示装置。



 乗務員室ドアの外側は「角折れ」形状になっており、車体断面とのずれが生じている。

製造銘板

平べったい、まるでシールのような銘板。

検査標記等

「四トク」表記と「徳」の札を併設。これは3650形。

検査標記等

 こちらは3600形。




画像向かって右が前位側
前位側に電装機器、後位側にエンジンを搭載し、前位側の台車にモーターを搭載している




室内画像
3650形(Mc1車)

 下り向き先頭車。
 オールロングシートで車いす対応設備を持つ。


 半室構造の運転台。
 車掌業務を考慮して、運転席背後のスペースに余裕がある。


 運転時の状態。
 業務用スペースがパイプで区切られるが、前方視界は良好。


 前位側から後位側を見る。

 グリーンのモケットは優先座席となる。


 中央デッキから前位側を見る。


 中央デッキから後位側を見ると、左手に機器室がある。


 後位デッキから前位側を見る。

 機器室には中に入るためと思われる扉が設置され、その横に整理券発行機がある。


 機器室側面には、ゴミ箱と脱出用のラダーが設置されている。


 車いす対応設備のある、後位側車端部。


 車いす対応トイレの内部。

 落ち着いたモノトーンの彩色となっている。


 反対側面には、車いす固定設備と二人掛けのロングシート(優先座席)がある。

3600形(Mc2車)

 上り向き先頭車。
 ボックスシートを3つ備える。


 運転席の様子。

 片運転台車輌なので、機器配置等は3650形と同一と思われる。


 列車後部側になるときの乗務員室付近の様子。

 運転席側はワンマン機器と開き窓で閉塞され、運転助手席側がパイプで業務用スペースが区切られる。


 助手席側業務スペースの戸閉装置等の業務用機器はカギ付きのカバーで保護されている。


 前位側から後位側を見たところ。
 中央デッキの前後にボックスシートが3カ所、千鳥配置で設けられている。

 優先席の場所は3650形と同一。


 中央デッキから前位側を見たところ。


 中央デッキから後位側を見たところ。


 3650形と同じ場所に機器室が設置されている。


 同じく中へ入るための扉と整理券発行機、側面にはゴミ箱も設置されているが、脱出用のラダーは設置されていない。


 後位側車端部。
 5人掛けのロングシートが向かい合っており、片方は優先席となる。

 なお、連結面のドアは室内側から見て右側に開くが、3650形は逆に同左に開く。
 つまり、連結部の向かい合った2枚のドアが同じ方向に開く構造となっている。


 3600形に3カ所設置されているボックスシート。

 シートピッチは1,540mm。窓側のひじ掛けは無し。


 JR東日本で採用制の多い片持ちタイプ。

 暖房が座席下取付の電気暖房となっている。
(共通)


 窓は下段固定上段下降式。


 上段側のラッチ固定穴は全部で6カ所。
 ロック解除レバーは上側についている。


 料金表示器。

 第1位端、運転助手席側に設置されている。


 室内側のドア開閉ボタン。

 JR四国の車両では初採用の新デザイン。


 出入り口ドアの上、3か所に設置されている案内表示器。


 天井部分の造形は、同じ近畿車両製の1566/1567形と似た構造になっている。




<3600系運用列車>

(2026年6月27日 営業運転開始)

<高徳線>
 4303D/4376D

<徳島・牟岐線>
 5471D/5486D/553D/560D

※4303Dは6月29日から、4376Dは6月28日から運転開始


形式
3600系
3600形3650形
Mc2Mc1
車体

ステンレス鋼板
屋根
 屋根形状は両車共通。

 中央に冷房装置、後位側に排気管、前位側に無線アンテナと信号煙管を搭載。
 そして前位側中央に謎の突起物、、、コレは一体何だろう?
製造元近畿車輛
製造両数
製造年次
2 (2025)2 (2025)
最大外寸 19,570 mm (車体全長)
20,000 mm (連結面間全長)
2,950 mm (車体幅)
3,028 mm (最大幅)
3,680 mm (屋根高さ)
4,046 mm (最大高さ)
台車中心距離13,800 mm
重量37.3 t37.4 t
車体ステンレス
機関形式
出力
SA6D140HE−3
450PS(331kW))
燃料タンク容量(?)
発電機(?)
電動機形式
出力
S−MT64(?)
115kW ×2
歯数比(?)
蓄電池制御用蓄電池 鉛蓄電池
DC100V/60Ah
主蓄電池 リチウムイオン蓄電池
DC691V/30Ah
ブレーキ方式 応荷重増圧付
電気指令式空気ブレーキ
耐雪ブレーキ・回生ブレーキ付き
回生失効対策ブレーキ付き
ブレーキ装置踏面片押
台車形式
S−DT74
S−TR74
(1−3位側)
(1−3位側)
(2−4位側)
(2−4位側)
※銀色テープで留められた配線は、試験計測等のための仮設配線

台車中心間距離:13,800 mm
軸距
車輪直径
2,100 mm
860 mm
補助電源装置
空気圧縮機
冷房装置 強制換気付き集中式(?)
(?) kcal
客室暖房装置電気式(?)
許容最高速度100km/h
車体構造・客室3扉セミクロスシート3扉ロングシート
出入口ドア 両開引戸
1,300 mm × 3
(電気駆動式)
(挟み込み防止装置付き)
クロスシートシートピッチ1,540 mm
床面高さ1,140 mm
乗車定員 (*1)142(座席:49)135(座席:39)
その他
車いす対応トイレ付
車椅子スペース付

(*1) 乗車定員については車体妻部に明記されている数値を記載しており、趣味誌に記載の諸元表とは数値が異なる。





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