キハ185系
アイランドエクスプレス四国II


土讃線 塩入〜黒川間
2020年3月8日



 1987年4月に登場した50系客車改造の「アイランドエクスプレス」が1999年5月に引退したため、その後継車として、定期仕業を失って遊んでいた、キハ185系の中間車キロハ186の改造によって同年8月に登場(営業開始は9月)したのが「アイランドエクスプレス四国II」である。


 改造は室内が中心で、360度回転リクライニングシートが1−2配列で1,280mmのシートピッチで10列配置され、カラオケなどのAV機器なども設置された。
 ちなみに、落成当初各車に搭載されているビデオデッキは、三菱のHV−BS89(BS内蔵S−VHS機)であった。
 現在はDVDあるいはブルーレイ等に更新されていると思われる。

 座席は廃車となった50系「アイランドエクスプレス」のものをそのまま流用した代物で、床はフローリング(絨毯敷きではない)であるが専用スリッパを備える。
 また、座席床面のかさ上げは省かれている。


 1999年8月末に四国内各地で展示会を開催し、9月1日から正式に営業を開始した。


 種車のキロハ186にはトイレ・洗面所の設備が無いほか、運転台も備えていないことから、実際の運用時は通常のキハ185形を前後に連結した形で運転される。

 この2両のキハ185形は名目上「アイランドII」専用車両として、トイレ側デッキにキロ186と同じ(というか、続きの図柄)塗装が施されているが、特に運用は限定されているわけではなく、まれに他の車両が充当されることもあるほか、中央のキロを除いた2両編成で臨時列車等に運用されることもある。


〜その後〜

 2016年秋から冬にかけて、3号車として使用されていたキロ186−4が、観光列車「四国まんなか千年ものがたり」の中間車に改造された。
 これ以降、「アイランドエクスプレス2」のグリーン車はキロ180−8の1両のみの体制となった。


 
 2021年3月に、キロ47形「伊予灘ものがたり」の後継車種として、キハ185系3両編成の車両を2022年を目処に投入することが発表された。
 その中間2号車に、「アイランド2」のキロ186−8が選定されて同年同月に多度津工場に入場したことが確認された。

 これにより、キロ186形の「アイランドエクスプレス2」は登場から22年で姿を消した。
 今後は、専用ラッピングの施された先頭車両2両の動向が注目される。


1号車
キハ185−11
キハ185−11
2号車
キロ186−8
キロ186−8
3号車
キロ186−4
キロ186−4
4号車
キハ185−12
キハ185−12




1999年8月
予讃線 多度津駅

 室内の様子。

2003年9月17日
予讃線 松山駅

 4両編成だった頃。

2008年1月3日
高徳線 昭和町〜栗林公園北口

 キロハを抜いたキハのみの2両編成で初詣臨「やくおうじ号」に充当される、キハ185−11+12。

2014年4月27日
土讃線 讃岐財田駅

 キハ185−12の代わりに「アイランドII」運用に入った剣山色のキハ185−25。

2017年11月15日
予讃線 多度津駅

 2016年秋以降は、キロ1両が「千年ものがたり」に改造されたため、3両編成での運用が基本となった。

2018年3月22日
土讃線 塩入〜黒川間

 近年はDE10形の訓練運転時の「客車」として使用されることも多い。




形式キハ185形 11/12キロ186形 4/8
寸法21,300 mm
2,943 mm
3,845 mm
重量40.9 t34.5 t
車体ステンレス
機関形式出力 DMF13HS
250PS/1,900rpm × 2
DMF13HS
250PS/1,900rpm
変速機 TC2A 又は DF115A
(変速1段・直結1段手動変速)
最終減速比2.613
ブレーキ方式 機関ブレーキ付
CLE 応荷重付
ブレーキ装置踏面両抱
台車形式DT55DT55/TR240
許容最高速度110km/h
車体構造・客室2扉リクライニングシート
乗車定員6030


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