C11形 蒸気機関車


64号機(梅小路蒸気機関車館)


 支線区で使用されていた、明治時代の旧型蒸気機関車を置き換えるため、小型で軽軸重のタンク型機関車として1932年に登場。

 同じ目的でC10形が1930年に製作されていたが、軸重が重いという欠点を改善するため、後位側の従輪を1軸増やすことによって軸重の軽減を図り、C10形を引き継ぐ形で1947年までの間に381両が製造され、全国の支線区で活躍した。


 全長12.65mのコンパクトな車体に、先従輪1+動輪3+後従輪2の、1C2の軸配置を持つ。動輪直径は1,520mm。
 小型のタンク機であるが85km/hの最高速度を誇り、定格出力は610PS。

 使い勝手に優れ、後ろ向きでの運転も容易であることから、支線区での旅客列車牽引や貨物列車用、入れ換え用機関車として、SL末期まで生き残った。



 四国においては徳島地区を中心に活躍し、高徳・徳島本線や牟岐線などで主に使用されたが、一部予讃本線での運用もあった模様である。

〜四国内の配置数〜

 1938年4月末 :松山 7両、高知 5両
 1944年1月末 :高松 3両、高知 8両
 1949年5月1日:高知 11両
 1954年10月1日:徳島 6両
 1959年4月1日:徳島 6両
 1969年3月31日:小松島 3両

※出典:イカロス出版社「全国蒸気機関車配置表」より


 四国においては、本線クラスでは8620形とC58形が主力で、それ以下の簡易線ではC12形が使用されたため、C11形は最盛期でも12両程度の配置にとどまっていたようである。



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